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キングコング対ゴジラ

いつ見ても伏線回収に気を取られる映画。高島忠夫がピンチヒッターでドラムソロをやらされる場面とか、「鋼よりも強く、絹よりもしなやか」な新繊維の話とか、雷とキングコングの関係とか。キングコングに捕まった浜美枝を助け出すために「全身で怒りを表現する」佐原健二から高島忠夫が作戦を思い付くところなど微苦笑させられるようなものもあるが。あといつ聞いてもキングコングに捕まった浜美枝の絶叫(もちろんアフレコ)がすごい。

キングコングの逆襲

実は初見。ストーリーはやや大味。天本英世の演技は精神状態に余裕のあるときだったらもっと楽しめたかも知れない。ゴロザウルスの造形が良い。出番が短いのが残念。クライマックスの東京タワーでの攻防もまずまず良かったかなという感じ。

ゴジラ対メガロ

昭和ゴジラシリーズでも一二を争うアレな作品のせいか状態のいいフィルムが残っているらしく新文芸坐では毎年のようにかかっているような印象のある作品。……と思っていたが記録を見ると最後に観たのは2017年らしい。2018年は恐らく上映がなく、2019年は上映されたかも知れないがこちらが多忙のため行けておらず、2020年はCOVID-19パンデミックのため恐らく上映されていない。無茶苦茶な理由で巨大化するジェットジャガーのおかしさに触れたり、劇場で流れる子門真人が歌うテーマ曲「ゴジラとジェットジャガーでパンチ・パンチ・パンチ!」を聴いたりすると、ああ新文芸坐だなあという気分になる。
真面目に観ているとツッコミどころだらけなので、主に過去作品の流用シーン(当時ゴジラ映画の予算や時間はかなり削減されていたため)を「ここは『怪獣総進撃』」「ここは『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』」「ここは『三大怪獣 地球最大の決戦』」「ここは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』」などと当てて楽しむようにしている。でも久しぶりに観てみるとメガロと一対一のときはジェットジャガーがけっこう善戦していて、戦闘用に作られていない(玄関から入ってきたシートピア工作員に丁寧なお辞儀をしたつもりが強烈な頭突きを食らわせてしまうシーンから来客対応などを念頭に置いて作られたロボットとみられる)にしてはよく頑張ったじゃないかという気持ちにさせられた。

三大怪獣 地球最大の決戦

「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」のフィルムの状態が良くないとのことで急遽差し替え上映になった。「ゴジラの息子」のほうが劇場で観られる機会としてはレアなので残念だったが、実際観てみると締めがこの作品で良かったなと思った。この作品が上映されるチャンスの、新文芸坐で何年かに一度開かれる「キングギドラまつり」には不幸にも一度も行けていない(過去2回キングギドラまつりを経験しているが、一度は花粉症がひどくて行けず、一度はCOVID-19パンデミックのため中止)ので、実は観るのが久しぶりだった。ひょっとすると高校時代以来かも知れない。
「ローマの休日」を下敷きにしたストーリーなのは覚えていたが、改めて見てみるとその割には恋愛要素がほぼ無いに等しく、その点は個人的に好感触。「赤ひげ」の制作が遅れたため正月映画のピンチヒッターとして急遽作られたというが、その割にはとにかく観る者を退屈させないスリリングなストーリー展開で、怪獣たちのバトルもふんだんに盛り込まれていて楽しい。強いてシナリオ上の難点を上げれば地球の危機にもかかわらずなぜかすべて日本で起きる(撮影の都合上仕方ないんだろうけど)ことぐらいか。
ザ・ピーナッツも活躍し、小泉博は「モスラ」での役柄へのオマージュを感じさせるシーンがあり、細かいところでも喜ばせてくれる。
個人的にはキングギドラに立ち向かう地球側の三大怪獣のなかではラドンがごひいきなので、出現するのが最初だったり、ゴジラとの対決シーンがかなり長くとられていたり、キングギドラを撃退する決定打となる戦法を編み出すのもラドンだし、何よりこの作品のテーマ曲がその後「ラドンのテーマ曲」のように使われるようになったこともあり、満足いく内容だった。

その他

新文芸坐で特撮もののオールナイトがあると一本上映するごとに拍手するけど、あれっていつから始まったんだっけ。僕が通い始めた頃はまだなかった気がする。何かのオールナイトがきっかけだったような記憶があるのだけれど細部が思い出せない。
あとこれは新文芸坐じゃないけど2016年にTOHOシネマズ新宿で「シン・ゴジラ」の世界最速上映(日付が変わってすぐの真夜中に開催された)を観たときも上映後に拍手が起きたのを覚えている。そして上映が終わっても電車がないのでもう一度上映されるのを観て、公開初日の朝から2回続けて観た満足感に浸ったのもよく覚えている。あの年は学振に通ったばかりだったし、協会賞もとったし、いいことが多かった。今とは大違いだ。

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