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何歳から英語? 大手英会話学校を考える④ メジャーな英会話学校の商品販売

もうすぐ2歳になる我が子のために、妻が突然あるメジャーな英会話学校の体験レッスンを申し込みました。
私は大手英会話学校で働いた経験があるので、多くのメジャーな英会話学校の最優先事項が会社の利益やスタッフのノルマにあることを知っており気が乗らなかったのですが、子供たちがどのような反応をするか興味があったので、体験レッスンを受けてもらうこととしました。


今回は、大手英会話学校が提供する商品(レッスン、教材)について少し考えたいと思います。

国内にメジャーな子ども向け英会話学校(企業)はいくつかあり、企業ごとによって方針やカリキュラムの考え方やレッスンの内容は異なりますが、誰もが知っているような大手英会話学校では、多くの場合、一定の質のレッスンは提供されるのではないかと思います。

私は、企業利益最優先である等々の観点から大手英会話学校に対しては否定的なスタンスですが、「大手英会話学校」であるということは、企業間競争がある中で、市場で一定のシェアを持っているということで、それなりの努力やノウハウが伴うものです。全てが詐欺まがいで、全てがデタラメということではありません。私が働いたことのある英会話学校もカリキュラムは整っていました。

ただし、教材を必要以上に使う前提でカリキュラムを作っている場合や、歌やゲームなど「楽しさ」だけが売りとなっている英会話学校には注意が必要です。

子ども向けの教育サービスであっても、子ども自身が考え、講師と双方向で学ぶといった要素が必要です。「外国語に親しむきっかけ」であれば良いですが、それらの要素が欠落していれば、ただのお遊びに終わってしまう可能性が高いです。

因みに「遊びながら学ぶ」というのは外国語学習において、実はとても効果的で合理的な学び方でもあるのですが、英会話学校でひたすらゲームをしたり歌を歌ったりすることは合理的な手法ではありません。



また、ここで言う”一定以上の質のレッスン”は、そのレッスンに参加するだけで英語ができるようになるということでなく、「そのレッスンの内容をマスターし、必要な宿題、日々の自主学習を幼少期から高校生の間続けることで、英検2級レベルに達する」というイメージです。

やはり自宅での学習(英語に触れること)が重要な要素で、英会話学校で提供されるレッスンを週1回受けるだけで子ども時代に一定の英語力を身につけることは、通常は不可能です。

大人の学習であれば自身で考えることもありますが、子ども向け英会話学校としては、レッスンを提供するだけでなく、レッスン外での学習環境をどのようにするかを提案、コーディネートすることが求められます。これは大手英会話学校に通う場合でも、個人経営の英会話学校に通う場合でも同じです

ただし、ここで気を付けた方がよいことがあります。

大手英会話学校では、この”学習環境のコーディネート”の必要性を「追加教材の販売」「追加セミナーの販売」のチャンスとしてセールスを仕掛けてくることがあります。

私が働いていた英会話学校では、定期的に内部のキャンペーンのようなものが行われ、各学校に売上目標が割り振られ(あくまでも”ノルマ”ではなく”目標”と言われていました。)、目標を達成した学校にはインセンティブがあり、達成しなければ白い目を向けられるという状況でした。

多くの場合は各学校内のそれぞれの講師にノルマが与えられ、「本当はこんな物は売る必要はない、売りたくない。」と思いつつ生徒の保護者にセールスを掛けるということをしていました。

もちろん中には「本当にこの生徒のためになる、この生徒に今これが必要なのは間違いない」という教材や追加セミナーもありますが、大手英会話学校のカウンセリングや各種提案の背景には、「企業利益最優先」の力学が働くことを知っておく必要があります。

善良な講師であっても、この力学に抗えないのが通常です。そのため保護者が必要性を判断しなければならないのですが、一般の人にはなかなか判断が難しいものです。


メジャーな英会話学校は、一定の質のレッスンの提供が特徴ですが、背景も知った上で検討をすると良いと思います。


最後に視点を変えた考えですが、気になる英会話学校の正社員の比率や、採用情報に出ている社員の待遇面に注目することもヒントになります。
単純なことですが、待遇が良い英会話学校に質の高い講師や優秀な人材が集まるのは必然で、講師の質やスタッフの人間性によって、生徒が得られる成果に差が出ることは大いに考えられます。

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