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田舎での暮らしのメリットとは?支出を抑えられる生活スタイルの可能性

「田舎での生活は支出を抑えやすい」ということはよく知られたことですが、その理由を改めて探ってみましょう。そして、田舎暮らしの魅力とともに、支出を減らす方法について考えてみます。

ここでは私が暮らす、人口5万人ほどの“田舎”をモデルとして考えます。

田舎と都会の様々な企業の人から話を聞くと、田舎で働く場合は都会(首都圏)で働くよりも、2割から3割ほど収入が少なくなることが多いようです。自治体規模(人口規模)が小さければ小さいほど、収入が少なくなる印象があります。

都道府県別の平均年収ランキングでは、1位東京都(約440万円)から下位になるにつれて数万単位で低くなり、最下位付近の都道府県では東京都より約100万円少なくなってくるのですが、おおむねその通りと言えるでしょう。

ただし、支出については、「田舎は生活費がかからない」というイメージがありますが、これには注意が必要です。

実際の暮らしでは、「生活基盤に関する支出(生きていくための生活費)は田舎と都会とでは大きく変わらない」ことが多いです。

車の購入・維持費は大きな要因で、田舎に住む場合は多くのケースで自家用車が必要です。都会と田舎の家賃の差額は車の購入費と維持費で相殺か、場合によっては車の経費の方がかかることもあります。田舎の度合いが増せば、車は一家に一台ではなく、一人一台必要になります。

田舎の家賃は安い傾向にはありますが、車の購入・維持費を埋めるほど安いとも限りません。場合によっては、都心から電車で40~50分の首都圏エリアの方が同レベルで安い物件があったりもします。

また、寒冷地の田舎は相対的に冬の光熱費が高くなります。私が暮らしている地域では、冬の間は首都圏で暮らしていた頃と比較して2倍くらいは電気代がかかります(オール電化です)。

寒冷地域の場合は多くの会社で「寒冷地手当」ということで冬の間プラスで手当てがあるのですが、昨今の光熱費の値上がりは影響が大きく、手当で補い切れない月もあります。

では、「田舎は生活費がかからない」というイメージがどのように形成されたのでしょうか。

一つの見解として、田舎では「生活費がかからない」のではなく、「生活費をかけずに暮らす」ことが実現しやすいということがあります。

また、「お金を使わなくても余暇を楽しむ」ことも容易です。つまり、田舎暮らしでは、支出のコントロールがしやすいということです。

実際、田舎に住む人は、自然に支出を抑制しているように見受けられます。そのため、「田舎は生活費がかからない」というイメージが形成されたのかもしれません。

いくつかの具体例を挙げてみましょう。

まず、支出の大きな割合を占める住居ですが、田舎では住居費を大きく抑える選択肢があります。先ほど申し上げたように、田舎のアパートはそれほど安くない場合がありますが、安価な借家や中古住宅があります。

アパートでの3LDKの相場は7~8万円であるのに対して、借家では3LDKで4~5万円程度、500万円未満の中古住宅も多く見受けられます。

ただし、借家や中古住宅は、集合住宅のようにクオリティが一定でないため、補修が必要であったり、快適さを我慢しなければならないことがあります。

そして、実家で暮らすという選択肢もあり、これは支出を抑えるとても大きな手段です。田舎に住む人にとって、実家暮らしが最も多い選択肢かもしれません。ただし、地縁がない人には難しいものです。

田舎では、娯楽費も都会に比べて抑えられる傾向があります。
例えば、田舎で暮らす比較的多くの子育て世帯は、レストランで食事をする代わりに公園にお弁当を持って出かけることがスタンダードになっています。
これだけでも、月に数万円の差が出ることがあります。

田舎での生活には、アウトドアレジャーやウインタースポーツのための交通費や宿泊費、飲食費を抑えられるというメリットがあります。

また、都会に比べてファッションや子どもの習い事にお金をかけない傾向があるため、支出を抑えやすくなります。


ただし、田舎でも高額な住宅ローンを抱えたり、都会と同じような生活スタイルを維持する場合は、支出は減らせません。

しかし、田舎での生活は、その土地の雰囲気に合わせた生活スタイルに近づいていくものであり、私自身も都会から田舎へ引っ越した経験から、生活スタイルが変わるにつれて支出も減っていくことを実感しました。

もちろん、多くのお金を稼いで豊かな生活を送ることも素晴らしいことです。
ただし、田舎での生活を考える際には、支出を抑えることができる点に注目すると、より快適な生活が送れるかもしれません。

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