情景が浮かんだ先に
目の前のそれに対し、何か情報を知っている上で見えてくる事もあれば、知らないからこそ見えてくる事もあって、むしろ後者の方が変な縛りを受けず自由に楽しめるかもしれません。
例えば古着屋で山のように積んでいるデニムでも、色の褪せ感は全て異なりますし、同じサイズ表記でも前所有者の扱い方で違ってくる訳ですよね。
その前所有者が何者なのか知らないが故に、目の前にあるそれとリンクさせながら想像を膨らませて勝手に理解する。
正解不正解を探すような話でも、ただの変人話でもなくて、こういった理解の先で妙に愛着が湧いてくる経験があったりするんです。
50年代頃のヴィンテージデニム 『Levi'sXX』 特有のディティールをしっかりと踏襲しながら随所に散りばめ、既に数十年も穿き込んできたかと錯覚する程に違和感の無い褐色具合やヒゲの出方までも忠実に再現されていて、実物を見ると結構な衝撃を受けます。
少し短く設定されている丈感も、こういった古着的な情景が重なることで "縮んで生まれた偶発的なもの"としてどこか愛着が湧き、何も気にせず極自然とローカットのスニーカーや短靴を合わせて穿きたくなるかと思います。
腰回りにフィットを与えながらも極度なタイト感は無く、シルエットはワタリから裾に向かってテーパードを効かせたクリーンな印象感。
野暮なデザイン感を野暮に感じさせず、それでいてオリジナル特有の古き良き雰囲気が滲み出ている素晴らしいデニムです。
これは古着ではありませんが、不思議とある筈の無い情景が浮かんでくるまでにリアルが詰まっていて、そんな訳ないのにって思いながらも妙に拭い切れない愛着が私にはありました。
こればっかりは変人と言われても仕方ありませんね笑
先ほどオンラインストアにも掲載を致しましたので、少しでも気になる方は是非ご覧になってみてください。
Write
nariwai - Yuto Hashiba
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?