懐深し、セットアップ
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが『blurhmsROOTSTOCK』はblurhmsが掲げる『普遍的かつ上質な日常着』を提案するコレクションライン。
生地はイージーケアかつ着続けられる丈夫さがあり、そこに付随して着続ける度に馴染み生活に浸透していく魅力的な側面が秘められています。
そういった大前提がある上で、今季最高なジャケットとスラックスが製作されていたんです。
洗いを掛けて生地の目を詰まらせる事を見立て、あえてウールサージを適度な強さで打ち込み軽めに織り上げることで、しっかりとした肉感がありながら、フランネル地に近い微かな毛羽感と非常に柔らかい肌当たりを見事に同居させた素晴らしい生地。
俗に言うウール特有の不快感は本当に皆無で、個人的にはTシャツにサンダルで今時期からもう穿きたいくらい。
そして両者ともに裏返して見ると分かりますが、裏地の贅沢使いと徹底されている仕立ての良さに驚く筈なので是非見てください。
ジャケットはドレス6割、カジュアル4割程の対比で構成されたバランス。
襟や袖付けなどクラシックなディティールと仕立てでありながら、細かいデザインや全体のゆとり感で上手く『抜き』が施されていて、村上さんの手腕を強く感じる1着です。
当然、共地のスラックも然り。
採寸数値からも読み取れるように、穿き心地はスラックスとは思えない程にゆったりでストレスフリーですが、アウト1タックで立体的に膨らみを持たせつつ、両脇はシームレスにする事でふんわりとした全体感を絶妙な加減でスッキリとさせています。
記述していますが、内側にはドローコードが備わっているので普通体型の方はサイズ3で十分かと思います。裾もシングル処理でお直しも問題ありません。
先日、初めて着るジャケットを探していた方が『これなら着れる』と話し買って頂いたのですが、それは展示会でこの2ピースを試着した私が感じた事そのものでした。
ジャケットもスラックスも普段から好んで着ている自分ですら、この色目とバランスには『着る楽しさ』における新しい可能性を感じましたし、おそらく着慣れない方にはスッと手を伸ばせる「着てるイメージ」が自然と湧くかもしれないと。
これはそんな懐の深いセットアップ。超お勧めです。
8月19日(土) 18:00 - WEB release
※ 店頭にて完売の場合は掲載はございませんので
予めご了承ください。
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