寄り添ってくれる優雅なジャケット。
自分には程遠いと感じていた事が心地の良い距離に縮まった時、多少なりとも抱いていたハードルは不思議と何も残らず、むしろ前から所有し愛でていたかのように思える程、それが自分にとって身近な存在に変わっている事がある。
この前にご案内をしているコレとかアレは正にその類にあると言えるだろう。
ただ、やはり距離を縮めるという事は容易では無く、少なからず何かしらのキッカケが必要に思えるのだが、そう感じる度に私の存在やnariwaiはそういう役を担えているのか深く考える時がある。今や情報はネットを開けば幾らでも得れる時代だが、本当に知りたい事はどれだけ得れるのだろうか。わざわざ、お店に足を運んでまで求めている事は、スマホの画面で知り得る事の確認だけだろうか。
そんなことを自分に言い聞かせるように今この瞬間も、私自身だから伝えられること、nariwaiでしか体験出来ない事があるという一心で相も変わらず記事を書き進めている。
少し話は逸れてしまったが、今季の仕入れを模索していた半年前、とある展示会で思いがけ無い1着との出会いがあった。
それは予期せぬ出会いとも言える。
何故ならば、私がいつもであれば身構えるようにして距離を取り、自分には無縁だと切り離してしまう筈の事が、その1着には何も無かったからだ。
むしろ、心の底から"着たい"と思えた。
そんな素敵な1着を是非ご紹介させて頂きたい。
ご縁を重ね、ANTOS.のお取り扱いをnariwai、そしてtatazumaiizumaiの両店舗で9月14日(土)より始めさせて頂く。
ブランド、ラファウ氏の経歴に関する詳細はマネージャーの山下さんが丁寧に綴っているこちらの記事より。また、tatazumaiizumaiで展開となる素敵な1着についてもご紹介されているので、そちらも併せて是非ご覧頂きたい。
ナチュラルな風合い漂う空気感の中に、少しだけモードなニュアンスも感じさせるANTOS.のダブルジャケット。
メリハリ、バランスの良さと言えば簡単に聞こえるが、このカラーリングでダブル仕様の掛け合わせを自然と日常に落とし込ませられる感性はラファウ氏だからこそと言えるだろう。
上述の通り、GIORGIO ARMANIを始めとして各国で身を置きながらデザイナーとして数々のクリエーションを行ない、ロンドンではGAPのヨーロッパ部門の立ち上げにも携わりメンズディレクターを一任してきたラファウ氏。
幾つものファッションの時代を独自の視点で捉え、デザイナーでもありクリエイターとしても自身の経験を積んできた彼が最終的に心を惹かれ、その身を置いてまで選択したモノ作りの環境は嬉しい事にここ日本。
それ故に、ANTOS.の洋服は全て尾州の生地が用いられ、仕立ても全てが日本で行われる。
そんな確固たる拘りが注がれている中、このジャケットに用いられているウールとブルーフォックス混合の生地は、反自体が極小量で数着しか生産が出来無いという"リミテッドモデル"に該当する。やはりその分、生地のポテンシャルは本当に素晴らしく、タッチ感は非常に滑らかで、限りなくカシミアに近い。そして異なる無垢の糸が混合している為に薄らと奥行きがあり優しい表情を醸し出している。この温い質感とカラーパレットが根本として存在しているからこそ、本来は苦手に思えてしまう空気感が急に落ち着いて見え、モダンな『着れる』1着に一変されているのだと思う。
そしてソフトテーラリングという独自の技術が与える着心地の良さと、緊張感を解くように自然と袖を通せるデザイン、シルエットの抜きが掛け合わさる事で、このジャケットは更に身近な存在に位置する事となる。
身幅や腕周りはしっかりと余白が設けられているため、中に忍ばすインナーは肉感のあるニットもスウェットも許容してくれる。それでいて、仕立てが一重である事と生地の特性が相乗して美しいドレープが生まれる分、カットソー合わせも相性が良く、春先まで十分に着続ける事が可能。
また名称にもある通り、幅感に自然と沿うようシルエットはボクシーだが、サイドベントの深さによりしっかりと動きが出てくれる為、カジュアルな引き算が組み込まれながらも纏った時の出立ちには確かな品がある。
自分が身構えるようにして距離を取っていた『優雅さ』を、ANTOS.はニュートラルに洋服の魅力として纏わせていた。
それも、着用者にしか分からない素晴らしい心地良さも伴わせて。
漸く、このジャケットをご案内出来ることを本当に嬉しく思う。
どの角度から切り取っても紛れもない特別な1着を、是非ともご体感ください。
こちらは、9月14日(土)12時より店頭販売を開始させて頂き、オンラインストアの掲載はご用意が叶う場合に限り9月15日(日)18:00を予定としております。
店頭にて完売の場合は掲載は控えさせて頂きますので予めご了承ください。
また、掲載前に通販をご希望の場合はお店または私までご連絡をいただけますと優先順にご対応をさせて頂きます。
筆者
nariwai store manager
橋場 祐人
(通称がまお)
〒980-0014
宮城県仙台市青葉区本町2-6-23
ビブレスタオフィスビル2F
022-796-2240
nariwai-online.com
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?