その時、何を想う
古着屋でラックにびっしりと掛けられた多くの洋服を、業者みたいに凄いスピードでスライドさせ見ていく若者の手がふと止まって1着を手に持った時。
やりたい事が不透明な30歳のフリーターがバイト終わりに目的も無く立ち寄った本屋の月刊ランキングコーナーで、何か湧くような感覚に陥り1冊を買うことにした時だったり。
タイトルだけを見ると、JTのCMである「時を想う」的な話なのか?と疑問に思うかもしれませんが少し違います。
その時に何を想うか、所謂「直感」と思える事にはその人にしか分かり得ない明確な訳が存在しているんだろうという事。
きっと若者が直感的に手にした1着には確立している自分の嗜好が詰まりに詰まっていて、数ある古着の中からその人にしか感じ得ない何かが光ったのかもしれない。
目的も無く立ち寄った本屋に陳列されている初見の小説。その帯に綴られた知らない誰かのキャッチコピーから、フリーターの白黒に見えていた世界が一気に鮮明を帯びたのかもしれない。
手にした理由を思い付くよりも圧倒的な速さで訪れた「直感」には、その人にしか分からない経験や感情が実はひしめき合っているように感じます。
そして時には感情の揺さぶりが激しく、上手く言葉には形容し難い。でもそこには確かに一線を超えてぶっ刺さる直感があったりします。
少なくとも、私の中でHEUGNとはそういう存在です。
" 物事の趣が奥深くはかりしれないこと”
幽玄を由来とする小山氏が手掛けるHEUGNの洋服は、まさに先程記述した感情が当てはまります。
それは決して袖を通した時だけの話では無くて、例えば椅子やハンガーに掛けている時の何気ない佇まいだったり、雑多にテーブルに置かれた時ですら気品を感じさせる風格もそう。
派手さは無い。
ただ、各要所や着た時に映るモノには、デザイナー小山氏の洗練された知見とHEUGNを通して表現したい拘りが鋭く刺さってくる。
自然と溜め息が漏れるほど静かに高揚し続け、すぐに訳を求めることすら野暮に思えるこの感情も、ある意味で「趣」と言えるかもしれません。
本当に凄まじく、そして素晴らしいです。
薄々とお気付きかもしれませんが、ここでの商品説明は控えさせて頂きます。
何というか、お店で言えるような事であったり商品ページに記載する事よりも重要で、ここでしか示せない部分を先述したい気持ちが強かったんですよね。
あとはそれなりに面と向かっては言えないような気恥ずかしい言葉が多々あるので。笑
現状、オンラインストアの公開は2月16日(木) 18時を予定としております。
各洋服の詳細、サイズ感などはそちらや店頭でご確認して頂くか、もしくは私に直接ご連絡を頂いても構いません。
是非ご対応させて頂きますので、何かあれば気兼ねなくご連絡ください。
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nariwai - Yuto Hashiba
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