HashHubレンディングの資産取り扱い方法について開示(2022年7月版)
HashHubの平野です。
現在、海外のいくつかの暗号資産レンディングサービスが運営継続が困難な状況に陥っています。
HashHubレンディングは通常通り運営しており、影響はございません。また新規登録・新規貸出し・引き出し、全ての機能が通常通り利用できます。
一方で、他の暗号資産レンディングサービスの状況を鑑みて当社のサービスについての問い合わせもいただいています。
本ブログでは改めて我々のリスクに対する考え方やアセットアロケーションについて説明し、引き続きHashHubレンディングを使っていただいているユーザーに我々のサービスを理解していただきたいと考えています。
また、今後より良いサービスにしていくため現在、検討していること等をお伝えできればと考えています。
直近における各事業者の状況を踏まえての我々の資産取り扱い方法に関する開示
直近では、Celsius社、Voyager Digital社、Vauld社などいくつかの海外の暗号資産レンディングサービスが、運営の継続が不可能な状況となっています。同種の事業者がこのような事態に陥いる中で、HashHubレンディングの資産取り扱い方法や方針に関する開示をします。
これは、他の暗号資産レンディング事業者とHashHubレンディングは何が違うかの説明とも言い換えられます。
・機関投資家への貸付やアルゴリズムステーブルコイン
トラブルを抱えている多くの暗号資産レンディングサービスは、Three arrows capital社との取引(機関投資家への無担保での貸付)、USTの利用を主な要因としていますが、当社は一切これらに関わっていません。またThree arrows capitalに関わらずいかなる機関投資家にも無担保で貸付をすることを行ったことは過去に一切なく、当社のルール上、今後も一切ありません。またUSTについても過去一切の利用をしていません。
・DeFiの利用について
他の暗号資産レンディングサービスは、DeFiで資金の取り扱いをした際に、悪意のあるスマートコントラクトにフィッシングされて資金を失っているケースも見られます。このようなケースに対しても、HashHubレンディングでは、そもそも使用できるプロトコルの精査と毎回のコントラクトの確認、署名プロセスそしてハードウェア環境整備を一貫して行うなどの対策をしています。また、最新の攻撃手法を常に研究しており、そのうえで分散的な利用をしています。
・アセットサイズや運用利率
運営困難に陥った暗号資産レンディングサービスは、高い貸借料率を提示してユーザーを募集し、多額の資産(日本円にして数千億円以上の規模)を取り扱っているという共通点があります。一般的に、資産運用は運用規模が大きくなればなるほど難易度が増すので、継続するには顧客の得るリターンを下げる必要があります。
しかしながら、これらのサービスは、貸借料率を下げずに、借り入れるアセットサイズを大きくし続けました。これらのサービスにとって、実際の期待リターンを上回る高い貸借料率の提示はマーケティングコスト等と正当化できるものではなく、それはビジネスモデルが成立していなかったことを意味しています。結果的にこれらのサービスは、ある時点で継続運営が困難な状況になっています。
これに対してHashHubレンディングは、安定性を第一にして、例え貸借料を下げて短期的にユーザーが離れることになっても、持続可能な貸借料率とアセットサイズのコントロールを常に意識して行っています。
・その他:stETHの保有について
当社はstETHを保有していますが、保有量は大きくなく、運営継続に問題は発生していません。
stETHはLido FinanceでETHをステーキングすることで受け取る代替資産です。このstETHのトークンの価格が執筆時点でETHに対して約3%のディスカウントになっています。通常、stETHはETHと1対1に近い価格で推移をするはずですが、現在、このペッグに乖離が発生していることが問題となっています。
しかしながらstETHやLIDOのスマートコントラクト自体に問題はありません。stETHは、ETHに1対1で裏付けられており、最終的に償還可能な時期が来ればその担保が利用可能になるため、価値をさらに下げたとしても直接的な問題はありません。売りの連鎖により価格維持システムが崩壊したTerraUSD(UST)のようなことは基本的に起こりえません。今回のstETHのディスカウントの原因は、精算に追い込まれてたファンドThree Arow Capitalや、レンディング企業Celsiusによる売却が直接的な要因と考えられます。
一部ユーザーの方から保有について心配の声があったことから、stETHを保有していることを開示いたしました。しかしながら、一部の暗号資産レンディングサービスのような、stETHをレバレッジステーキングするような運用はしておらず、かつ、stETHの保有割合は保有資産の一部に留まることから短期的なディスカウントの影響は軽微です。
また、上述した内容以外にも様々なリスク管理を行っており、それらについてはこちらの記事からもご参照いただけます。
関連:HashHubレンディングの運営においての基本的な考え方やリスク対応について
HashHubレンディングの基本方針とこれから
HashHubレンディングのサービス提供における優先順位は、常に「安全性と安定性」が第一で、次に「持続可能な収益」、それらを満たした上で「高い貸借料率を提供」をすることを基本方針としています。これはサービス開始当初から変わっていません。
結果的に、ユーザーに提供する貸借料率は特にこの1年ほどで相対的に他社と比較して低くなりましたが、この基本方針があるため、現在も通常通りのサービス提供を行っています。これは今後も変わらないサービスの運営方針です。
一方、他社の事例をふまえ、より一層の安心して使える仕組みや透明性の必要性は認識しております。これらは数週間や数ヶ月で取り組めることではありませんが、チームで議論し、長期的に取り組み、そしてユーザーに届けたいと考えています。
短期的には本ブログのような発信からそれを少しでも実現できればと思っていますが、長期的にはより適切な方法でそれを実現いたします。
また、大手暗号資産レンディング企業の破綻を踏まえて、CeFi vs DeFiのような議論も一部で発生していますがが、現実的にはそうシンプルな話ではなく、様々なメリット・デメリットがあります。前者にも引き続き大きい需要があることは我々がサービスを1年半ほど運営していた経験からも確信しています。ユーザーは好みによってどちらも選べるべきです。
我々は、10年後に残るべきプロダクト、その運営方法を模索していきます。
暗号資産を今後最も可能性がある資産クラスと捉え、値上がりによる利益に加えインカムゲインも得て資産形成できる手段として、今後もHashHubレンディングを運営していきます。また、HashHubレンディングは、パブリックブロックチェーンのエコシステムや様々な技術発展を根幹としていますが、その恩恵をより多くの人に届けられるようにしていきたいと考えています。
関連:HashHubレンディングでユーザーに届けたい資産形成の選択肢と、それをやっていく意義
HashHubレンディングを、引き続きよろしくお願いします。
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