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コロナ渦のプライバシー

「あ!トイレットペーパー買わないと。って夫に話しかけたら、5秒後には机の上の私のスマホに近くの薬局のクーポンが表示されるの。しかも私のいつも買うメーカーのもの。」

そう教えてくれたのは
ドバイの砂漠ツアーの車中で乗り合わせた中国人夫婦だった。


そういえば私の会社の上司は、中国出張中に電話で「天安門」と口にした瞬間に電波が切断されたという。


中国には、デジタル技術を活用した監視システムが存在し、個人のデータが官民ともに広く開放されている。

そしてそれはこのコロナ渦の国民の対応にも大きく影響している。

"How Americans and Chinese values shape the coronavirus response"
Haunt Hung (作家)

このTEDトークの中では
individual freedom (個人の自由)VS collective safety (集団としての安全)という対立構造について語られている。

中国人は後者を得るため、そして、最大の理由は利便性の追求のために、ある程度前者を放棄することは厭わないという考えをもつ。

コロナ渦で、ショッピングモールに出入りする際には入口で携帯番号を入力し過去14日間の行動履歴を提示するという。

Netflixで近未来を描いたドラマ「Black Mirror」があるが、(面白くてハマっている)

エピソード1で、個人が記憶を体内に埋め込まれたチップに記録し、社会がその個人の記憶をセキュリティ対策に使用する話がある。

まさにその世界が中国にはある。

私は日本の今のシステムで保証されている安全と利便性を評価したいと思う。

不完全なのかもしれないが、それでいいと思う。
完全体を追求した先には個人がデジタルに管理される社会が待っている。


●英単語●
surveillance 監視
rhetoric 美辞麗句
vocally 声に出して
verdict 判断
authoritarian 権威に服従する