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関西演劇祭2024―演劇への熱意が生む雑多な可能性

どうも。長谷川優貴(@hase0616)です。クレオパトラというお笑いコンビでネタをしたり、エンニュイという劇団を主宰して脚本演出をしたりしています。

9か月ぶりの投稿です……。

『口』も、春風舎での『きく』も、豊岡演劇祭での『きく』も、どの公演の感想も書けていない! また徐々に書いていきます。

関西演劇祭2024――演劇への熱意が生む雑多な可能性

関西演劇祭に参加してきました。

ベスト脚本賞とMVO(最優秀作品賞)という二つの栄誉をいただきました。この結果に深く感謝するとともに、今回の経験が僕たちにとって、どのような意味を持つのかを改めて考えています。このブログでは、関西演劇祭という特殊な演劇祭の感想を書いていきます。

何故、賞金も製作費もない演劇祭に参加したのか?

まず、この演劇祭に参加を決めた理由について少し語らせてください。この演劇祭には製作費も出ませんし、賞金もありません。正直なところ、劇団としては厳しい条件です。それでも、「売れたい」から参加しました。

僕は、普段の活動の中で感じる「同じ界隈に留まる安心感」が少し苦手で、限られた観客層や知り合いばかりが集まる環境ではなく、知らない場所、知らない人の前でパフォーマンスしたい人間です。元々、芸人なので寄席や営業などで様々な場所でやる環境で仕事をしてきたからかもしれません。だからこそ、もっと多くの人に自分たちの作品を観てほしい、その思いが今回の参加動機でした。(※エンニュイは劇団ではなく組合なので全員が同じ考えで動いてはいません。この記事に書いているのは僕個人の考えと気持ちです。他のメンバーの考えはバラバラだと思います)

普段の界隈だけではなく、もっと広い層に自分たちの作品を届けたい。その中で、テレビドラマや映画の仕事が来るチャンスを掴みたいという思いがありました。

参加劇団には「関西演劇祭プロデュース公演」参加や
マスコミ・エンタメ業界との橋渡しも

関西演劇祭 公式サイト

僕はこれまでたくさんの作品を作り、一定の評価をいただいてきたつもりです。でもまだまだ「世間に知られる」という意味では道半ばです。いや、スタートラインにもまだ立ててないかもです。そして、僕が「面白い」と信じている出演者やスタッフたちもまた、もっと多くの人たちに見てもらえるべきだと考えています。彼らは僕だけが知っているには惜しい、光る才能を持った人たちです。だからこそ、この演劇祭をもっと広い世界への扉にしたかったのです。

売れる、というと俗っぽく聞こえるかもしれません。でも、創作する人それぞれに目指すゴールがあっていいと思うんです。誰にも見せずにただひたすら創作したい人、身近な人たちだけを楽しませられれば幸せな人、理解できる人だけに向けて創作している人、様々で全て正解です。不正解はありません。僕はの場合は、自分のやり方で売れること、そして資金や集客を得て、さらに面白い作品を作る環境を整えることです。ドラゴンボールみたいにどんどん強い敵が出てきてほしいんです(笑)現状維持が嫌いで常に進化していたい。今回、最優秀作品賞をいただいた僕たちは、この受賞を無駄にしないよう、次の仕事をたくさんいただく必要があります。それが、この演劇祭の価値を証明することにも繋がると思っています。

雑多さがもたらす「発見」と「広がり」

僕たちは、様々な演劇祭に参加してきました。「ストレンジシード静岡」「豊岡演劇祭」「佐藤佐吉演劇祭」「酔っ払いに愛をオンリーユーシアター」などなど、多種多様な演劇祭でパフォーマンスをさせていただきました。その中で、何故こうやって関西演劇祭だけを詳細に記事にするのか? その理由は、周りの演劇界隈からはあまり良いイメージを持たれていない演劇祭だからです。誤解が多そうなので、関西演劇祭の良さを少しでも伝えられたらなと。そして、面白い団体がたくさん参加して盛り上がってくれたらいいなという想いです。

まず皆さんが良いイメージをもっていない理由第1位は、主催が吉本興業という点です。吉本興業の演劇祭? 大丈夫か? ……僕も最初は考えました。しかし、下記のnoteを読んだら面白そうだなと思えたのです。

2019年にスタートした時はまだまだ手探りの状況で
「はたしてこの演劇祭はなんなんだ??」
「企画・制作が吉本興業って本当に演劇のことわかってるの??」
「演劇はそんな簡単なものじゃないんだ!」
などなど、様々な意見を頂戴しました。

日本全国たくさんの演劇祭が行われています。
どの演劇祭も演劇に精通された方が多数関わっておられ、すばらしい作品が世に送り出され、魅力のある演劇祭ばかりです。

そんな中で新しくスタートした関西演劇祭は同じようなことができるのか?
毎年模索し続けながら考えた結果。。
「同じような演劇祭は私たちにできるわけがない!それよりも、関西演劇祭にしかできない ONLY ONE の演劇祭を創ろう!」
ということでした。

関西演劇祭note

もう普通の演劇祭をやるのは諦めたと吹っ切れちゃってるのが良いですよね(笑)

しかし、「つながる演劇祭」というのを推していますが、僕の考える演劇祭というのは、アーテ ィストの創造発信や交流する場を生みだし、市民や他団体と繋がるものです。なので、正直つながるという点では弱いのかなと感じました。審査員の方々と交流会で話せたのは嬉しかったですが。

僕が考える関西演劇祭の魅力を一言で表現すると、それは「雑多さ」です。今回の演劇祭では、ジャンルもスタイルも異なる多種多様な団体が集結し、それぞれの個性をぶつけ合いました。僕は全ての公演を観劇しましたが、どの作品も全く違う表現をしていて、それが非常に刺激的でした。

現代は、スマートフォンを開けば自分の趣味嗜好に合った情報だけが流れてくる時代です。自分が好きなものだけを選んで観ることができる便利さはあるものの、それが新しい体験や価値観との出会いを狭めている側面もあります。しかし、関西演劇祭では、普段触れることのない作品と出会い、「食わず嫌いだったけど、こういうのもアリかも」と思える瞬間がいくつもありました。

観客にとっても、ジャンルやスタイルが異なる作品が並ぶことで、自分の「好き」を再発見する機会が生まれます。能動的に新しい価値観を探しに行ける場、それこそが関西演劇祭の大きな魅力だと感じました。

そういう点では、観客は知らない団体と「繋がり」、気に入った作品に出合い「広がる」のかもしれません。

審査員が様々なジャンルの方々なのも雑多で良かったです。

あとは、欲を言えば、大阪府ともう少し連携して、普段演劇を観ない人が観に来たり、市民とアーティストが交流したりする場があると更に魅力的な演劇祭になるのではないかなと思いました。

メンターとしての西田シャトナーさん――心強い存在

今回の演劇祭で特筆すべき存在として、劇作家演出家の西田シャトナーさんを挙げたいと思います。審査員ではなく、メンター的なポジションでいてくれたことで、どの団体もやりすかったと思いますし、シャトナーさんの存在は、全ての団体にとって大きな支えになりました。実績のある現役の劇作家の方がメンター的なポジションでサポートしてくれる演劇祭はあまりないんじゃないですかね。

審査員という作品を評価する立場の方々とは別で、スーパーバイザーとしてシャトナーさんが現場に寄り添い、アドバイスをくださり、僕たちの良さや演劇のより良い観方を審査員の方々に伝えてくれる存在でした。その言葉の一つひとつが、創作への自信や次の挑戦へのエネルギーに繋がりました。実績のある現役で活躍する劇作家が、僕たちの作品に真摯に向き合い、背中を押してくれる――これほど心強いことはありません。

「今後の創作に生きるヒントを得た」と感じた瞬間が何度もありました。シャトナーさんのアドバイスを胸に、これからの活動に一層熱を込めて取り組んでいきたいと思います。

シャトナーさんの関西演劇祭日記が公開されています↓


ティーチインが生む「みんなの作品」という感覚

さらに、この演劇祭の特徴として ティーチイン(質疑応答) が挙げられます。公演後すぐに観客や審査員の方々と作品について直接対話できる時間は、創作者として非常に貴重でした。

作品に対する感想や疑問、時には鋭い指摘まで、リアルタイムで受け取ることができ、「自分たちの手を離れた作品が、観た人の中でさらに広がり、育っていく感覚」を味わうことができました。この感覚は、舞台を創る醍醐味でもあります。

スタッフとの共同作業が生んだ広がり

演劇は一人で作るものではありません。舞台監督の吉川さんや、スタッフの皆さんが場当たりの段階から多くのアイデアを出してくださったおかげで、今回の公演は「エンニュイらしさ」を存分に表現することができました。

こういったショーケースイベントでは、場当たりやゲネの時間が限られてきます。その限られた時間の中で作品をより良くしようとしてくださるスタッフさんの提案と僕たちのイメージが繋がり、それがさらに広がる。この一体感こそが、自分たちだけで作る公演ではなく、いつもと違う環境で作る演劇祭の醍醐味だと思いました。

一丸となって作っている感じが観客にも伝わったはずです。

スタッフさんに感謝です。

審査員たちが紡いだ「真摯な演劇愛」

関西演劇祭2024を振り返る中で、特筆すべきは審査員の方々の姿勢でした。彼らが作品一つひとつに真摯に向き合い、演劇を全力で楽しむその姿勢は、参加者として胸が熱くなる瞬間の連続でした。

板尾創路さんは、全日程を通じて会場に足を運び、同じ作品を繰り返し観ていました。普通、審査員というと一度観て判断する方も多い中、板尾さんのこのアプローチには驚かされました。それは、作品の表層だけでなく、その奥に隠されたテーマや意図、そして俳優たちの微細な演技変化まで捉えようとする「本物の目」を持っているからこそできることだと思います。

何度も観ることで、作品が持つ新たな魅力や可能性を見出し、それを次の審査に反映させる。そして、板尾さんがいることで毎公演引き締まり盛り上がっていました。

三島有紀子さんは、各作品の良さを深く掘り下げる力が際立っていました。その鋭い観察眼と共に、作り手に対するリスペクトを忘れない態度が素晴らしかったです。

ティーチインの際には、「この作品のここに込められた意図はこうだったのではないか」と的確に言葉を紡ぎながら、僕たちに新しい視点を与えてくれました。ただ評価するだけでなく、共に作品を深めていこうとする姿勢は、作り手としてとても嬉しいものでした。三島さんの言葉から、創作に対する深い愛情と洞察が感じられ、次の創作への意欲を掻き立てられました。

笠浦友愛さんは、審査員でありながら、クリエイターとしての目線を忘れない姿勢が印象的でした。舞台作品を評価する際も、上から目線ではなく、「私も同じクリエイターとして、この作品に何を感じるか」という対等な視点で向き合ってくださいました。その姿勢が、まるでライバルと語り合っているような熱量を生み出していました。

「創作物へのリスペクトを持ちながら、互いに刺激を与え合う」。笠浦さんの言葉や振る舞いには、そんな強い信念が込められており、それが僕たちにも新たな創作への熱を注ぎ込んでくれました。

野上祥子さんの審査は、パワフルでストレートな言葉が印象的でした。その力強さは、ときに鋭い指摘となり、僕たち作り手の心に深く突き刺さりました。

野上さんのストレートな言葉には、演劇に対する情熱と、もっと良い作品を生み出してほしいという期待が込められていました。そのエネルギーに触れることで、僕たちも「もっと挑戦したい」と思えました。

伊原六花さんからは、舞台芸術に対する深い愛を感じました。特に、開幕前にインスタグラムでコメントを投稿してくださったその文章は、僕たち参加者にとって大きな励みとなりました。六花さんの言葉には、舞台芸術が持つ魅力を誰よりも信じ、広めていこうとする想いが込められていました。

また、舞台上の細部にまで目を配り、それを愛でるような視線を持っている方だと感じました。いただいた感想は、次のステップへ進む勇気をくれました。

関西演劇祭の最大の魅力の一つは、審査員たちが作り出す「真摯な空間」です。彼らは作品をただ評価するだけでなく、その奥にある作り手の想いにまで寄り添い、共に楽しもうとする姿勢を見せてくれます。

審査員の方々が真剣に観てくれる、その事実だけで、一歩先へ進む力をもらえました。

皆さんの情熱的な関わりと、作品に対する深いリスペクトがあったからこそ、今回の関西演劇祭は単なる「競争の場」を超えた、「共に成長する場」になりました。

芸人が作る演劇

僕がこの道を志したきっかけは、松本人志さんの『ビジュアルバム』という作品でした。あの衝撃は今でも鮮明に覚えています。「笑いってこんなに自由に表現できるんだ」と感じたのは、それが初めてでした。笑い声が一切入っていない映像コントを観たのも初めてで、視聴者が誘導されないその空気感が心地よく、そして斬新だったのです。

出演者の皆さんの演技がとても自然で、本当に上手かった。今でも、僕の演技の基準はあの『ビジュアルバム』の皆さんです。その中でも特に、板尾創路さんの演技に心を掴まれました。板尾さんの大喜利も好きで、僕にとっては「芸人」としてだけでなく、「俳優」としても憧れの存在。普通にファンでした。

若手の頃、まだ板尾さんがコンビ「130R」として劇場に出演していた時代、僕はルミネtheよしもとの「7じ9じ」の前説をしていました。その際に楽屋ですれ違い、挨拶を交わしたことが何度かありました。けれど、それ以上の会話をしたことはありませんでした。

そんな僕が、今回の関西演劇祭で板尾さんと初めてちゃんと話す機会を得ました。正直、とにかく緊張しました。もっと飄々としていたかった(笑)

公演後の配信向けトークで、板尾さんと話す機会をいただきました。あの時の僕は、舞台の緊張以上に緊張していました。でも、その時間は忘れられない特別なものでした。

思い切って『ビジュアルバム』の話をさせてもらいました。「実は僕、お笑いを志したきっかけが『ビジュアルバム』なんです」と伝えると、板尾さんは穏やかな表情で話を聞いてくれました。そして、僕たちが作った舞台について、こんな言葉をかけてくれました。

「出演者を信じてる感じが、芸人が作る演劇って感じがした。」

その言葉を聞いた瞬間、胸がいっぱいになりました。憧れの人に、僕たちが作った舞台を芸人として認めてもらえた感じがしました。

帰り道ずっとニヤニヤしていました。

芸歴23年くらいですが、1つ夢が叶いました。

演劇とメディアを繋ぐ吉本興業の試み

関西演劇祭は吉本興業が主催する演劇祭であり、現代演劇とメディアの架け橋となる場となりえるんじゃないかと思いました。この演劇祭を通じて、僕たちのような言語化しづらいパフォーマンスがより広いフィールドで活躍できる可能性を少し感じました。今はまだ可能性でしかありませんが、なんか感覚として広がった感じがしたんです。まだ自分でもよくわかっていませんが。

特に今回、さまざまなジャンルの作品が並ぶ中で、演劇が持つ多様性や可能性と吉本の雑多で大ぶりな感じがうまくマッチしていたんじゃないかと感じました。この雑多感が良い方向に向かうことを期待しています。

演劇は誰でもできる

この受賞は、過去から現在に至るまでの全ての出演者、メンバー、スタッフ、そして何よりも観客の皆さんおかげです。これまで、関わり、助けてくださった全ての方々に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。

ここからは、「CoRich!舞台芸術まつり!2023春」のグランプリをいただいた時の記事にも書いたので再度書き記しておきます。

僕の経歴は、多くの演劇人とは少々異なるかもしれません。高校時代に演劇部に所属していたわけでも、大学で演劇を学んでいたわけでもありません。僕は中卒のお笑い芸人です。メンバーの経歴も様々です。所謂、演劇界という世界にいる人間がほぼいません。そんな劇団なのか、なんなのかわからない団体が最優秀作品賞を獲得したという事実を見て、こんなやつらでも、やれるんだと思って、変な人がたくさん変な演劇を始めてくれたら嬉しいです。

僕らは普段、劇場ではなくギャラリーなどの空きスペースなどで公演しています。劇場だったら、舞台監督や照明、音響などをつけなければいけなくて、相当なお金がかかります。劇場代も普通ならかなり高額です。

というか、普通にゼロから演劇を始めようとしたら、まず舞台監督や照明や音響の知り合いなんていねーよって思いますよね。僕もそうでした。でも、だからと言って、そこで諦めては勿体ない。

今回の演劇祭でも、照明と音響を使ったのは最後に1つだけです。いつどこでもパフォーマンスできるように作っています。やっぱり、芸人の漫才や、ミュージシャンの弾き語りなど、いつでもどこでもパフォーマンスできるものがカッコイイと思うんです。

面白いこと考えられるのにカンパニーが作れない人や、演劇界隈に知り合いがいなくてどうしたらいいかわからない人、そんな方がたくさんいると思います。

そんな人たちが、気軽にやってみようかなと思えるライトな雰囲気の演劇界を作っていけたらなと考えていたので、今回の受賞でなにか伝えられたらいいなと思います。

想像する楽しさを諦めない

自分の作品をハイコンテクストだと思ったことはないが、ある程度ハイコンテクストにして、それでも観客を置いていかずに、観客と共にライブ感のある空間を作ろうとしています。ハイブリッドなことをしようとしているので、まだまだ上手くはいってません。でも、これは観客に伝わるとか、これは伝わらないからわかる人だけわかればいいとか、そういうのは僕の中にありません。たくさん失敗したり誤解されたりするかもしれませんが、諦めなければ、観客のみなさんと一緒に成長していけるのではないかと思っています。それが派生していけば、たくさんの人に伝わるのではないか。観方を理解して更に楽しめるように諦めずにやっていきます。その為に、常にお笑いで培った構成力を使い、ギリギリを攻めているつもりです。

勝手に世間に難しいと思われている面白い表現が世の中にはたくさんあります。みんなが小難しく語るから、芸術って高尚なものなんでしょとか思われがちですが、そんなことありません。芸術は日常的なものです。謂わば、あるあるネタです。それを文脈や歴史などで見て楽しむのはコアな楽しみ方です。勉強不足とかそういうのはありません。直感で自分なりに楽しむ。それでいいんです。もっと縛られずに自分なりに楽しみたいという方は是非現代演劇を観に来てください。

明確に答えを提示されて、そこにいく為に誘導されて、泣かされたり共感させられたり。それも楽しいですが、それに物足りなくなっている方はたくさんいるのではないでしょうか?

だって、最強だと思いませんか? 自分の感覚で楽しめるんですよ。ということは、自分で面白いところを見つけ続ければ、この世にはつまらない作品はなくなるということになります。 

台本書いて、稽古して、本番やって、あなたがあなたなりの解釈で最後に物語を作り上げるんです。そうやって、ひとつの物語から、マルチバース化していく感覚が僕は好きです。

今は芸人の活動より演劇をしているので、劇作家・演出家と名乗ることが多くなりましたが、僕自身は芸人だと思っています。でも、自分が心の中で思ていれば、どう捉えてもらってもいいんです。

とにかく、自由に肩の力を抜いて観に来てほしいです。一緒に目の前の現象を素直にシンプルに楽しみましょう。

関西演劇祭で他の参加団体の作品を観ている時も、「この作品はどんなジャンルなんだろう?」などと予測してカテゴライズして観ると楽しくないと思うんです。目の前で起きていることを素直に楽しみ、そのシーンの奥行きを自分なりに想像する。こんな楽しみ方が僕は好きです。

これからの挑戦に向けて

今回の受賞は決してゴールではありません。むしろ、新たな挑戦へのスタートです。僕たちがこの演劇祭で得たものを最大限に活かし、次の作品やプロジェクトへと繋げていくことが、これからの使命だと感じています。

演劇人として「売れる」ことを目指すのは、決して俗っぽいことではありません。自分たちの作品を多くの人に届け、その価値を広く認めてもらうことこそが、次の創作へのエネルギーになります。そして、今回の経験を通じて、多くの人が関わり合い、新しい価値が生まれる場を作っていきたいと思います。

演劇界からしたら、ほんの小さな小さな出来事だと思います。でも、率直に嬉しいです。

いえーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!

これも恒例ですが、実際の世界で喜びを叫ぶ人間ではないのだけれど、素直に叫べる人に憧れているので、文章上だけでも叫んでおきました。

エンニュイのメンバーはそれぞれ違う経歴です。一人ひとりが自立したアーティストです。ルパン一味とか麦わらの一味みたいに、目標は別々だけど一つのお宝のためにたまに一丸となるみたいな集団です。

みんなマジで面白いです!

世に知られるべき人たちです。
観た方々は、絶対に気になったでしょ?

みんな売れちゃうから、今のうちに仕事オファーした方がいいですよ。

それぞれのDMとかに連絡してもいいですし、エンニュイのメールアドレスに連絡くれてもいいです。

yennuinfo@gmail.com

今、ホームページがないのですが近々作る予定です。

さて、次に向かうステージに向けて、エンニュイは再び動き始めます。新たな物語、新たな舞台に向けて、一歩一歩を刻んでいきます。その道のりには困難もあるかもしれませんが、簡単な道は選ばずに、文脈とか枠組みとか界隈とか気にせずに、自分たちが面白いと思う道をマイペースに進んでいきます。

新体制になって2年。まだまだ未熟な団体(組合/場所)ですが、引き続きエンニュイの活動をたまに覗きに来ていただけると幸いです。新たな舞台で皆さまとお会いできる日を楽しみにしています。

最後に、関西演劇祭に関わってくださった全ての皆さん、そして僕たちの作品を観てくださった観客の皆さん、ギャラも少ししか出ないのに参加してくれた出演者のみんな、来れなかったけど力を貸してくれた高畑君、青木君、宿泊先を貸してくださったNONSTYLE石田さん、お力を貸してくださったピースの又吉さん、他団体の皆様、審査員のみなさん、吉本興業のみなさん、本当にありがとうございました。この感謝の気持ちを胸に、これからも一層の情熱を持って演劇に取り組んでまいります。どうぞ応援よろしくお願いいたします。

みんなで作った作品です。改めて、みなさん受賞おめでとうございます。みなさんの最優秀作品賞です。

出演

市川フー
小林駿
佐藤桃子
zzzpeaker
二田絢乃

ドラマトゥルク:青木省二(エンニュイ)
制作:高畑陸(エンニュイ)

【エンニュイとは?】


長谷川優貴(クレオパトラ)主宰の演劇組合/演劇をする為に集まれる場所 。

名付け親は又吉直樹(ピース) 「『アンニュイ』と『エンジョイ』を足した造語であり、 物憂げな状態も含めて楽しむようなニュアンス」

2022年11月に新メンバーを加えて、組合として再スタート
メンバーの経歴は様々。

青木省二 市川フー zzzpeaker 高畑陸 二田絢乃 長谷川優貴

エンニュイYouTube

エンニュイnote

【告知】オンラインSHOP「色彩マーケット」にて、クレオパトラ20周年単独公演の配信動画+動画ダウンロードを販売中!



オンラインSHOP「色彩マーケット」にて、クレオパトラ20周年単独公演の配信動画+動画ダウンロードを販売開始しました。無期限視聴です。

台本のデータ販売も開始しました。




クレオパトラInstagram
https://www.instagram.com/clepatworks/
長谷川Instagram
https://www.instagram.com/hase_0616/
■クレオパトラオフィシャルサイト

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