「自己肯定感を高める思考法」ならびにそのマーケティングへの応用と展開 (#読書メモ 自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法 )
結論から言うと、マーケティング施策を考える時の思考方法と、自己肯定感を高めるための思考方法が似ている、ので応用できそう、という話。
自己肯定感を高めるための画期的なアプローチ
最初に自己紹介しておくと、私は自己肯定感が低く、基本ネガティブで暗い。常に不安。小心者。器も小さい。人見知りもひどい。人間関係不得意。
そんなわけなので、こういう感じの本を割と頻繁に読んで、なんとか自分を励ましごまかし生きている。
通常、自己肯定感を高めよう、という場合、「自分の好きな所を見つけようとか」、「自分に正直になろう」というような、私にとっては苦行でしかないアプローチが提示されることが多い。それが出来ないから自己肯定感低いわけなんだけども。
本書が画期的なのは「他人をリスペクトすること」を起点に自己肯定感を高めていく、というアプローチを取っていること。
自己肯定感が低いと、自分の好きな所は見つけるのは辛いけど、他人をリスペクトするのは比較的抵抗が小さい。むしろ容易かもしれない。
で、他人をリスペクトする時のカギは、「あの人の現状には、いろいろな事情があるんだろうな。」と想像を巡らせること。
あの人の現状には、いろいろな事情があるんだろうな。
そう思えるとき、私たちはどんな人に対しても、優しくなれますし、リスペクトすることができます。
相手のことを「かけがえのない存在」として尊重すること。社会的な立場や業績などとは関係なく、それぞれが与えられた事情の中で一生懸命生きているのですから、すべてが貴重な存在なのです。
仮に、相手が取る行動が理不尽であっても、そこまでの現状に至る事情、背景や文脈を理解すれば、(肯定まではできなくとも)そういう背景なら、そういう行動を取るのも仕方ない、と思うことは可能、それが他人をリスペクトする、ということ。
この「他人をリスペクトする」思考法が、私がマーケティングの施策を考える時の思考法にとても似ていることに気づいた、というのが今週したい話の内容。
顧客視点の理解が成果を上げるためのキモ
私は10年以上、Webを中心としたマーケティング施策の改善を通じて成果を上げる、というコンサルティングの仕事をしている。コンサルティングを通じて成果を上げるキモは「顧客視点の理解」にある、というのが持論。
※ちなみに仕事でこんな感じのコラムを書いております。「顧客視点」や「顧客理解」でGoogle検索すると1位とか2位とかに表示されます。
顧客視点を掴む。顧客の置かれている状況、その状況に至るまでの文脈や背景、さらにはその人の価値観とその裏にある体験や経験。そこまで思い至れば、ほとんどすべてのユーザー行動とその理由は理解・共感できる、(同感はできないけど)という感覚があって。
その前提に立って、もし自分も、そういう状況に置かれて、そういう過去の経験なり、生まれ持った気質がそうだったら、同じ行動取るかもしれない。ということが理屈(因果関係)としては、理解できること。
その理解に基づいて、想定顧客の事情や背景文脈、状況なんかを「設定」として、自分に憑依させて、その視点で改善対象のサービスや商品の検討プロセスに対峙すれば、改善点が見えてくる。
これが私なりのWebで成果を出すための極意。
さらに、複数の想定顧客における状況や文脈を捉えて、分類してグルーピングして、ボリュームやインパクト、並びに、その分類の人が持っている先入観や判断基準をうまく解きほぐせる順番に優先度つけて、解消していけば、成果を改善することはそれほど難しくなくなっていく。
(そのあたりの考え方はこちらの記事に以前ちょっと書いたので興味ある方はこちらも参考にしてみてください。)
「そう思うに至った事情がある」と思えれば、他人を理解・リスペクトできる
で、自己肯定感の方に話を戻すと、
今説明したマーケティングにおける顧客理解の前提にある、「そういう事情があれば、そういう行動を取ったり、そういう思考になるのも当然理解できる」という感覚が、本書でいう所の「他人をリスペクト」するということ。
その他人をリスペクトする感覚を自分にも向けてあげれば、自分をダメだ、と思わなくてもよいことが、論理的に理解することができてしまうという理屈。
今どれほど「自分はダメだ」と思っているとしても、それは、「自分はそれほどダメだ」ということを意味するのではなく、「そう思うに至った事情がある」という意味なのだということです。
そう、自分がダメなんじゃなくって、まあ、こういう気質を持って生まれて、こういう風に育って、こういう経験してきて、今、こういう状況に置かれたら、概ねみんな、そんな感じに思うわけだから、仕方ないし。ってか、そんな事情を抱えつつ、わりと頑張ってる方なんじゃないか、一生懸命生きてるって、むしろ褒めてやってもいいよね、と考えられると、自分の肯定につながっていく。そういう感じで自己肯定感を高めていけると本書は説いている。
人間としての自分の「事情」を考慮しながら、できるところから、自分についても、他人についても、ものについても、その「ありのまま」をリスペクトする──そんな自分であること(BE)が、自己肯定感を高めるための近道なのです。
成果が出せない時は、顧客をリスペクトできずに「決めつけ」てしまっていることが多い
本書では、リスペクトの対極にある姿勢として、「決めつけ」をあげています。相手を評価して「こういうもんだ」と決めつけてしまうとリスペクトから遠ざかってしまうということ。
前にも触れましたが、なんであれ、決めつける姿勢(つまり評価を下す姿勢)はリスペクトとは対極にあると言えます。 「あの人はいい加減な人だから」「あの人は怠け者だから」……というふうに人を決めつけてしまうと、リスペクトからは遠ざかってしまうのです。
これ、マーケティングでもそうだな、と思って。
顧客はこういうもんだ、と(半ば無意識的に)勝手に決めつけてしまっていると上手くいかない。
例えば、うちの顧客は値段が安いほうを選ぶ、とか、業界No.1って言っとけばなびく、とか。
こんな風に顧客を見くびって決めつけてしまうと、成果からはどんどん遠ざかってしまう。
決めつけはリスペクトの対局にある姿勢として戒めなければならない。
顧客視点を理解する前提には顧客をリスペクトする姿勢が必要
まとめると、他人を決めつける、評価することなく、相手にはそう思うに至った、そういう行動とるに至った事情がある、と思えば理解しリスペクトすることができる。その思考法を自分に向けてあげれば、自己肯定感が高まる。というのが本書の主張。
さらに、この思考法を応用して、顧客の現状(行動)には、いろいろと事情があるはず、というリスペクトの姿勢を持って、その事情を持つにいたった背景・文脈・状況などなど、を理解しようという姿勢を持つことが、マーケティングで成果を上げるための1つのコツ。
顧客をリスペクトすることが、顧客視点の理解の最初の一歩。顧客を思い込みで決めつけたり、見くびったりしているうちはなかなか成果が出せないと思う、という話でした。
本書もぜひ読んでみてください。
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