「Sound Horizon」とは何か、知らない人向け説明
こんにちわ。はせこうです。
コスプレの撮影ではサンホラ、つまり"Sound Horizon"をメインジャンルにしているのですが、そのことをレイヤーさんに伝えると「名前を聞いたことがあります!!」といわれることも多くなりました。
そこで「サンホラってなんですか?」って聞かれることもありますが、どうも説明が難しくてまとめてみることにしました。
このnoteは、サンホラ知らない人がサンホラを知るきっかけとなると良いな、とおもっています。
サンホラ(Sound Horizon)、公式曰く…
サンホラ公式サイトによると、サンホラは….
だそうです。詳細は本家を参照してもらえればとおもいます。
まあつまり、主宰が「Revo」氏で、「物語音楽」というスタイルの音楽を提供している、ということです。
それだけではつまらないので、私の解釈をくわえた説明をしていきたいと思います。
まあなにしろ、「解釈の自由」というのが公式に認められているので…笑(解釈の自由については、末尾の用語集で詳しく)
ちなみに、RevoさんはSound Horizonのほかに「Linked Horizon」というグループも主宰しています。進撃の巨人の曲で有名ですね。
ファンのことは「ローラン」と呼んで
これからサンホラを語る上で欠かせないのが、ファンの存在です。サンホラの(敬虔な)ファンは「ローラン」と呼ばれています。私を含めた多くのファンは、お互いをそう呼びます。
ただし、サンホラ初期からのファンは「サンホラー」と呼ばれることもあります。ですが、今回は「ローラン」で統一したいとおもいます。
はせこう的サンホラ解釈
Sound Horizon、以下サンホラは、音楽グループです。主宰、リーダーである"Revo"氏(ファンは「れぼちゃん」と呼んで親しんでいます)を中心にそのほかのメンバーが常に替わるとされています。普通のバンドならメンバーは固定なんですが…。まあ、もっとも、ここ数年は同じメンバーも複数います。
メンバーの変更はありますが、それ自体はあんまり本質的ではありません。サンホラの特徴は、ズバリその音楽性です。
サンホラの音楽は「物語音楽」
サンホラの音楽は、一般的なJ-POPと比べると1曲の時間が長いです。また、曲どうしの意味的なつながりが多くあります。というか、ひとつのアルバムでひとつのストーリー<<物語>>になっています。
サンホラの音楽は「物語音楽」と言われることがあります。ひとつのアルバムで物語を紡ぐからそう言われているのでしょう。
サンホラの物語<<地平線>>
サンホラで言う「物語」は、<<地平線>>とも呼ばれます。アルバムごとに<<地平線>>がある感じです。グループ名に「Sound Horizon」とありますので、ここから来ているんですね。
いままでリリースされた地平線をまとめてみましょう。
1st horizon: Chronicle
2nd horizon: Thanatos
3rd horizon: Lost
4th horizon: Elysion
5th hoizon: Roman
6th horizon: Moira
7th horizon: Märchen
8th horizon: Rinne (未リリース)
9th horizon: Nein
7.5th or 8.5 th horizon: 絵馬に願ひを
最初の地平線"Chronicle"がリリースされたのが2001年12月30日。22年以上も前ですね。そして、12月30日といえば、コミケの期間中ですね。そう、コミケで手売りしてたんですね。すごい!!
で、メジャーデビューが2004年、第4の地平線である"Elysion"でメジャーデビューです。今年(2024年)でメジャーデビュー20周年なんですね。すごい!!
これまでに9個の地平線がリリースされました。8番目の地平線はまだです。これから出るのだといわれています。
さて、これらの<<地平線>>が、いわゆるメジャーアルバムで、それぞれの世界観を表しています。たとえば、第7の地平線「Märchen」はグリム童話がテーマになっています。なので、「白雪姫」や「眠り姫(いばら姫)」などのお話がでてきます。(Märchenはサンホラ初心者にはいちばんお勧めの地平線です!!)
メジャーアルバムに位置づけられる地平線以外にも、マキシシングル的な位置づけのものあります。たとえば「ハロウィンと夜の物語」や「聖戦のイベリア」です。
各地平線の構造は「世にも奇妙な物語」
サンホラの各地平線(いわゆるアルバム)には、いわゆる「ストーリーテラー」的な登場人物の存在があります。世にも奇妙な物語でいうとタモリ的な存在です。あ、そういえば、Revoさんもサングラスが特徴的ですね笑
各地平線では、Revo氏扮する登場人物(通称【似非】)がストーリーテラーとなり物語を紡ぎ、自身も物語に関わります。その傍らに使い魔のような存在を伴うことが多くあります。だいたい、しゃべる人形のような存在です。
各地平線(アルバム)のリード曲は、主に似非(Revo氏)がメインボーカルを務めます。そのリード曲の中では、その地平線の世界観や登場人物の紹介、世界観の楽しみ方が説明されます。アニメで言うところの第1話とか第0話のような感じです。
リード曲の後に、各曲が始まります。ひとつの曲がひとつの話に相当します。各曲のメインボーカルは、その話におけるメインの登場人物が担います。その人物にスポットライトを当て、彼女もしくは彼とその周辺の物語を紡ぎます。最後の1曲は、地平線全体の総括のような内容です。
さて、第7の地平線「Märchen」では、まさに世にも奇妙な物語のようなスタイルで物語が進行します。
各曲の冒頭に、ストーリーテラーである「メル」と「エリーゼ」が登場し、その曲の最初や合間に、登場人物の生い立ちや境遇について言及し、物語が進行します。
そのほかの地平線では、Märchenほどの介入は表だって見てとれないものが多いですが、各曲の物語のどこかしらかにストーリーテラーやその使い魔が登場します。たとえば、第5の地平線「Roman」では、「其処に物語<<Roman>>はあるのかしら」とのコメントで完結します。
サンホラの曲調は、ミュージカルみたいなやつ
サンホラの各曲は、ミュージカルのような構成にになっています。セリフとボーカル、コーラス、楽団による演奏などで構成されています。そして1曲あたりの時間が比較的長いです。1曲10分程度のものが多くあります。
ミュージカルと言えば、ディズニーや刀剣乱舞のミュージカルが思い浮かびますね。
サンホラの場合は、そこまで「ミュージカル」っぽくは無いんですが、セリフと歌唱とコーラスと楽団による演奏が組み合わさって物語を紡いでいきます。
音楽的な構成が緻密
サンホラの、というかRevo氏が紡ぐ音楽の魅力のひとつが、各楽曲の構成の音楽的な緻密さ、物語(ストーリー)の構成の緻密さ、そして地平線を越えたサンホラ全体の世界観の緻密さです。
音楽的な構成に焦点を当てて紹介すると、サンホラの楽曲には、じつに多くの楽器、ボーカル、コーラスが使われています。なので、非常に重厚なサウンドになっています。
それらの音がただ鳴っているだけじゃなく、ひとつひとつの音に意味が込められて構成されています。
歌詞がストーリーを紡いでいるのと同様に、サンホラでは音楽でも物語を紡いでいるのです。
メロディーの流れ、和音の使い方やコード進行、用いる楽器にも意味が込められていて、まさに「音楽で物語を紡ぐ」構成になっています。
このことを、私は「音楽を言語として、言葉として奏でている」と表現しています。音楽で言葉を紡いでいるわけです。
例えば、第6の地平線「Moira」では、ギリシャ神話がモチーフとなっています。冒頭の数曲ではギリシャ神話に登場する女神が紹介されます。そのときの旋律を紡ぐための音楽的な技法は、女神達の名前に由来したものを用いているようです。
そのほかにも、各楽曲の随所に、その物語や時代背景に則った音楽的な仕掛けが施されているといわれています。
物語的な構成、世界観が緻密
物語(ストーリー)構成の緻密さについても語りたいと思います。
基本的に、ひとつの地平線(つまりアルバムにあたります)では、あるひとつのテーマについて語られます。まるで1本の映画を観ているようです。地平線を構成する各曲は、それだけで完結せずほかの曲と関連しており、地平線を構成する要素となっています。
各地平線のテーマは、基本的にはフィクションですが、現実の史実に基づいているものが多いです。
たとえば、第7の地平線「Märchen」では16世紀~17世紀頃の欧州地方が舞台になっていて、当時流行していた黒死病や魔女裁判に関する言及があります。各曲のストーリーは、グリム童話がベースになっています。
第7.5もしくは第8.5の地平線「絵馬に願ひを!」では、現代日本とよく似た世界が舞台になっていて、東京オリンピック・パラリンピックや東日本大震災(とよく似たた出来事)をテーマにしたストーリーが展開されます。
第6の地平線「Moira」ではギリシャ神話の世界が舞台です。
第4の地平線「Elysion」や第5の地平線「Roman」では、特定の時代背景に固定されておらず、史実に基づかないファンタジーのように思えますが、これまで私たちが経験してきたような人類の葛藤や戦禍をテーマにしている曲が多くあります。
地平線だけでは完結しない物語
各地平線は、実はそれだけでは完結しておらず、明示されているものとそうでないものがありますが、お互いに関係しているものがあります。
例えば、第9の地平線「Nein」では、そのほかの各地平線の登場人物のひとりに焦点を当てて、その人物が元の地平線での物語と違う選択をし、異なる結末を迎えたらどうなるのだろうということがテーマになっています。
各地平線は共通して登場する概念があります。そのひとつが、ストーリーコンサート(いわゆるライブ)を盛り上げる要素となっております。
例えば「XXX将軍」とか「XXXX隊長」のような登場人物が各地平線にひとりは存在し、「XXXX将軍に続け!!!」というかけ声とともに観客が勝ち鬨を上げる盛り上がるのが慣例になっています。
物語の紡ぎ手
各地平線にはそれぞれの「物語の紡ぎ手(物語を司っている存在)」のような人物または概念が存在します。先ほど述べた、ストーリーテラー(タモリ)のにもよく似ている存在です。
例えば、第7の地平線「Märchen」のリード曲"宵闇の唄"の歌詞には「物語の策者(さくしゃ)は 作為的な嘘で 錯落なる幻想を紡ぐ」という歌詞があり、その地平線を構成する上位存在のような存在が物語を紡いでいることを暗示しています。
その「策者(さくしゃ)」つまり物語の紡ぎ手が実のところ誰なのか、ストーリーテラーであるメルまたはエリーゼと同一人物なのか、もしくは別人物なのかは明確に示されていません。
さて、物語の紡ぎ手についてですが、サンホラ全体の物語を支配していると言われている紡ぎ手もまた存在しています。「ミシェル」と呼ばれる人物が曲中に登場するのは、第9の地平線「Nein」、第3の地平線「Elysion」とそれ以前のアルバムです。そのほかの各地平線においても、ミシェルが何かしらの重要な影響を及ぼしていたり、サンホラの世界そのものを司っているのかもしれないと言われています。
サンホラの楽しみ方
CDその他、配信などで楽曲を聴いて、音楽として楽しむ
サンホラの楽しみ方は、いろんなパターンが考えられます。もちろん、その壮大な音楽をそのまま音楽として楽しむことも出来ます。ほんとに音楽としてはスバラシイものがあるんですよね。ぜひ、音楽としても楽しんでください。
考察して楽しむ
コアなローラン、つまり敬虔なファンの間では、「考察」をして地平線や其処に含まれる各曲のストーリーに思いを馳せたり、それぞれの地平線同士の関係性について思いを馳せたりすることが多いようです。さらに、それらの考察をファンの間で語り合ったりします。
解釈の自由
サンホラで紡がれる物語は、それを解釈するすべての情報が含まれているわけではありません。従って、足りないところは想像して補完するしかありません。つまり考察するわけですね。
サンホラでは、「個々の解釈は、こういうことを想定している」といったようなことが公式から公表されることはありません。なので、自分たちで考察する必要があります。それについて、合っているとか間違っているとかを判定されることはありません。「解釈の自由」が認められているからです。
「解釈の自由」という単語が作中に出てくるのは、第6の地平線「Moira」の中です。曲中に「解釈の自由が故、諸王は悩むのだ」という歌詞があります。これは、作中に登場する王が神話や神託をどのように解釈して人生を進んでいくのかという葛藤を表しています。
私たちローランも、Revoの紡ぐ地平線の物語の解釈に頭を悩ませているわけです。楽しいですね!!!
コンサート(ライブ)を楽しむ
サンホラのコンサートは、ミュージカルによく似ています。ミュージカルほどは踊らず、セリフにはそこまで抑揚をつけないのが特徴です。歌とオーケストラ付きの演劇といった方が近いでしょうか。
将軍に続いて勝ち鬨を上げる
とはいっても、決して平坦な演出ではなく、観客が楽しめる演出が随所にちりばめられています。いちばんわかりやすいのが「XXX将軍につづけ!」というかけ声です。演者がそのように演出し観客に「振り」ますので、観客はそれに応えて勝ち鬨を上げるわけです。これがまた楽しいんです。いちばんの見所ではないでしょうか。
観客が合唱する
終演後には、そのコンサートのことを思い出しながら、観客全員で「国家」を合唱します。国歌の曲名は「栄光の移動王国」。カラオケでも歌えますが、たしかCDや配信で個別の曲は公式には公開されていないような気がします。
国歌以外にも、観客が合唱する場合があります。例えば第7の地平線「Märchen」では、リード曲である「宵闇の唄」の曲中にベートーベンの第9が入っています。その部分を観客が歌うことが指示されました。そのために、観客は一生懸命に第9の歌詞を練習して覚えたんですね。なつかしい!!!しかもドイツ語で笑
ほかのアーティストの公演にもよくある「コール&レスポンス、コーレス」のような位置づけて観客も歌うわけですね。
公演ごとに異なる演出
サンホラのコンサートは、同じ地平線のコンサートでも、公演ごとに微妙に異なった演出がされることがほとんどです。演者がセリフを間違えているわけではなく、意図的にそうしているのでしょう。
それらの演出は、すべての公演を観ないと全容を把握<<コンプリート>>できないような構成になっています。なかなかの商売上手!!
このため、熱心なファンはすべての公演を全通し、「あのときの演出はこうだったから…」というふうに考察をします。それが数年積み重なると、濃厚なローラントークが生まれます。楽しいですね。
純粋に演奏を楽しむ
サンホラのCDが純粋に音楽としても楽しめるのと同様に、コンサート(ライブ)も音楽として楽しむことができます。
コンサートにおける主な楽器の構成は、一般的なロックバンド+ストリングス+録音の伴奏です。ちなみに、最近はストリングスに弦一徹ストリングスさんが出演されています(弦一徹さんは、2023年末の紅白にも出演されてましたね)。これにコーラス(録音のことも多い)と歌手による歌唱等が加わります。
第6,第7の地平線では、楽器はロックバンド+ストリングス+録音の(おそらくフル構成の)オーケストラという構成でした。とても重厚な演奏だったのを覚えています。
第4の地平線Elysionでは、まだフルオケじゃない気がしてますが、楽器がすくなかった分、ストリングスの響きがすごく綺麗だったんですよね。このときは私はコンサートに参加してませんでしたが
第7.5or8.5の地平線では、第7、第6の構成に和楽器が加わりました。舞台が現代日本ですからね。
ところで、Revo氏が主催する別グループの「Linked Horizon」では、フルオーケストラのコンサートも催されました。フルオケの生演奏、とてもアツいですね。
サンホラ用語
Revo: SoundHorizonのリーダーにして主催者
陛下: Revoのこと
似非: SoundHorizonの楽曲中でRevoが扮している登場人物
れぼちゃん: Revo氏の愛称。Revo氏は、ライブの演奏中にイキってジャンプして足をくじいたり、紅白に出演したとき演奏後にマイクを舞台袖(楽屋?)に持って帰ってしまったりと、かなりのお茶目さんです。それでいてあんなにすごい曲をつくるのです。ギャップ萌えですね。みんなレボチャンが大好きです笑
ローラン: SoundHorizonのファン
将軍へ続け: SoundHorizonの楽曲中で語られるかけ声。コンサート(ライブ)ではこれに続いて観客が勝ち鬨をあげる
国歌: SoundHorizonのコンサート(ライブ)の終演前に演奏される音楽。オケが演奏されるので、ローランがそれに合せて歌う
ミシェル: サンホラの世界観を紡いでいる上位存在のようなもの?詳細不明、だれか解説求む。
その他、挙げれば切りが無いのでこれくらい!!
Sound Horizonを聴こう!!
SoundHorizonの主な楽曲は、Apple Musicでも聴くことができます。みんな、聴いてね!!