サマー学童の充実と新たな補助金制度 〜夏休みの学童保育支援が広がる〜
こども家庭庁は、2025年度にも夏休みなどの短期間だけ開設される放課後児童クラブ(学童保育)への補助金制度を創設する方針を打ち出しました。現在、学童保育の支援要件は年間250日以上の開所が必要であり、短期間開所の学童保育は対象外となっています。しかし、共働き世帯の増加を背景に、特に夏休み期間中の学童保育の需要が高まっているため、この制度が検討されています。
この記事は、2024年7月13日の日経新聞電子版「サマー学童に補助金 こども家庭庁、夏休みの受け皿拡大」、「サマー学童、人員や安全の確保も課題に」をもとに作成しています。
サマー学童の支援策
皆さんは「サマー学童」を聞いたことがありますか?「サマー学童」と呼ばれる夏休み限定の学童保育は、自治体や委託事業者によって運営されており、30〜40日の開所期間でも補助金が支給されるようになる予定です。また、通年で運営している学童保育が夏休みにクラスを増設する場合には、補助金の上積みも検討されています。
こども家庭庁は、2023年には既存の補助金を活用して夏休み中の学童保育に昼食を提供するよう促す通知を出し、サマー学童に関する初の全国調査も実施します。この調査結果を基に、2025年度予算に反映させる具体策を詰める予定です。
学童保育の現状と課題
共働き家庭の増加に伴い、学童保育の需要は急速に増加しています。2023年には全国で145万7384人の児童が学童保育を利用しており、これは過去10年間で1.6倍に増加した数です。しかし、夏休み期間中の学童保育へのニーズは高まっている一方で、学童保育の待機児童数も依然として高止まりしています。
サマー学童の課題
サマー学童の継続にはいくつかの課題があります。特に、夏休み限定で指導員を確保することが難しい点が挙げられます。指導員には保育士や教員免許などの資格が求められ、さらに保育の専門性やコミュニケーション能力も必要とされます。通常の学期中でさえ人手不足が指摘されているため、夏休み限定の学童保育において指導員を確保することは一層困難です。
さらに、限られた施設に多くの子どもを収容する問題もあります。2022年には骨折などの重大事故が565件報告されており、安全面でのリスクも高まっています。特に、慣れない環境で長時間過ごすことになる子どもたちにとって、安全で安心できる環境を整えることが求められます。
働く親の不安と学童保育の重要性
学童保育の充実は、働く親にとっても重要な問題です。特に小学校1年生の子どもを持つ親にとっては、「小1の壁」と呼ばれる、仕事と育児の両立が難しくなる問題が存在します。サマー学童はこの壁を取り除く一つの解決策となりますが、子どもの視点に立った運営が求められます。
こども家庭庁の新たな補助金制度が実現すれば、学童保育の受け入れ先が増え、待機児童の解消や安全な居場所の提供が期待されます。
放課後当デイサービスとの関わり
当社では放課後当デイサービスを運営しています。学校がある期間は放課後のみの支援ですが、夏休みは朝から夕方までフル稼働となります。放課後当デイサービスと放課後児童クラブ(学童保育)ではその目的や支援内容は異なりますが、両者の関連についても検討し、連携などについても把握しておきたいところです。