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東京事変に憧れて<読むラジオ:はせがわれもんのさ・え・ら #7>

 以前、星野源さんの「YELLOW DANCER」というアルバムについてちょっとお話ししたときに、いずれ音楽についての話もやっていきたいな、というふうにこぼしていたと思うんですけど、せっかくなので今回はわたしが熱烈な愛を注いでいるミュージシャンたちについて語ってみようと思います。

 好きなミュージシャンは、と訊かれたときに、まず頭に浮かぶのは星野源さんと、それから林檎様こと椎名林檎さん、そして林檎様がボーカルを務めていらっしゃるバンド・東京事変です。とくに東京事変の曲はすべてがわたしにとってかけがえのない名曲なので、どれか一つだけ選べ、と言われた日にはそれから何日悩み通しても答えが出ないような気がします笑。それぐらい大っっっ好き。語り出せば、とても一つの記事には収まりきらないほどの文字数と愛情を爆発させかねないので……どーすっべ、とりあえず、取り分けて思い出深い曲をいくつか紹介するにとどめておこうと思います。

「御祭騒ぎ」

 中学生のころ部屋にこもって一日中ベースをコピーしていた思い出があります。なまら難しいんですけどね。でもこの、魅惑のリズムが病み付きになって、聞いてても弾いててもズブズブ沼っていくのだ。ほかのバンドではなかなか耳にしない、少々強すぎる個性のぶつかり合いが、東京事変のえもいわれぬ魅力の本質なんじゃないか、って気がします。

「透明人間」

 ひょっとするといままでの人生で一番多く聞いた曲かもしれない。確実に1000回は聞いている。我ながら狂ってると思う。軽やかさのなかに、一抹の寂しさが香ってくるっていうか、聞くたびごとに切なさを嗅ぎ取ることができます。1000回使用しても香りの少しも薄らがない、でも決して、むやみやたらに神経を昂らせるわけでもない、魔力のある「大人(アダルト)」というアルバムの一滴。なんちゃって。

「恐るべき大人達」

 それぞれの楽器の音が、自立しつつも支え合って一つの楽曲をつくり上げる、バンドのサウンドの妙味がそこにあるとすれば、たとえばこの一曲はその最高峰のように思います。そしてね、なにより、音色の一粒一粒が官能的っていうか、エロティックってか、大人の色気に溢れてるんですよ。田舎の中学生がこんなに強烈な衝撃を被ってしまえば、道理で一生離れられなくなるはずです。嗚呼恐るべき大人達……。この曲が似合う大人になりたいのだ!!

「ただならぬ関係」

 エロティックといえばこの曲も忘れちゃいけません。なんというか、力の抜けた、脱力してるけどだらしなくはない、ほどよい塩梅でリラックスしているような心、これが色気と言われるものの正体なのではないか、と勘付かされるのは、この手の曲を聞いているときに限ります。余裕と包容力と茶目っ気と、これが大人になるために必須のスパイスなのかもね。そうやって妄想を膨らませてはいるけれど、いわゆる「ただならぬ関係」にはあまり憧れないかなあ……(ミュージックビデオの最後らへんを見ていただけると、わたしの言わんとするところもわかっていただけるかと笑)

 あらためて俯瞰して見てみると、どうもわたしはこーいう大人な、色気のある音楽に弱いらしい、ということが鮮明になってきます。分析してみると、洋楽の、ジャズとかR&Bとか、お洒落なバーで流れているような(と言っても、お酒が一滴も飲めないのでバーなんか行ったことないんですけど)、そーいう勝手な印象を拵えてしまうような、ゆったりした心地の良い、でも奥底には絶えず哀しみの河が滔々と流れている、一つの言葉や概念では単純に割り切れない、複雑で重層的なコクのある芸術を、音楽に限らず求めているんだと思います。そして、そんな人格をもった大人にも憧れつづけている、というのもまた事実で。

 やっぱし長くなっちゃいました。ごめんなさい! ほかにも好きな音楽いっぱいあるので、そのうちお話ししようと思います。したっけね!



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