スターティング•オーヴァー


15年前。
保育園の調理場で働く事が決まっていた俺は、
どこか浮き足立っていました。


その時は音楽でやっていくなんて気持ちはさらさらなかった気がします。
普通に就職して、音楽もたまーにやって、ドラムもてんてこ叩こうかなーぐらいの気持ちでした。


そんな時に俺の人生を変えた大きな出会いがありました。


ジェネスというバンドのボーカル ノブさんとの出会いです。


不安だった事、迷っていた事、何をしたいか分からなかった事。
その時の俺の感情はそんなもので埋め尽くされていました。


でも、ノブさんは俺や洞口にいいました。







「お前らは人が好きなんだよ。人と繋がっていたいんじゃないか?」




なぜだか分からないけど、涙が流れて。
ずっとノブさんの話を黙って聞いていた記憶があります。




そこから、盛岡で音楽を続けていく事、人生が変わるかもしれない事、本当に自分のしたい事。
真剣に本気で考えました。


後悔しないように、途中で投げ出してしまわないように、何度も、何度も考えました。


結果、俺達は盛岡に残って、盛岡から音楽を発信していきたいという強い願いに変わりました。

すぐに就職先に連絡をして、頭を下げて内定を取り消しました。



学校の先生には「そんなもの追っかけてどうすんの。叶うわけない」とも言われました。
でも、全然余裕でした。
逆に、頼むから、先生という立場でそんなこと言わないでくれと、逆に苦笑いでした(爆)



そっからは怒涛の日々。
ライブやって、しこたま飲んで、喧嘩して、分かり合ったり分かり合えなかったりして。
出会って、別れて。
濃すぎるそんな日々の繰り返しでした。

そこには必ずノブさんもいました。


club changeの皆さんのお力添えもあり、初めて音源を全国流通でリリースした時。
たくさんの人達が関わってくれているということを知って、「もう自分達だけの話じゃない、協力してくれたみんなのと一緒に音楽を絶やさないで行こう」そう思った。
黒沼さんと夜遅くまで話して、怒られて、いっぱい飲んで、笑って。
全てが強く、美しい日々で、毎日が楽しかった。

ツアーをたくさん回って、輪が広がっていくのが本当に嬉しかった。






でも、途中で俺はぶっ壊れました。



ライブが上手くいかない、集客ができない、体調も悪い。
3人で話して解決できる事はたくさんあったのに、俺はそれを放棄しました。








そして全てを洞口さんのせいにしました。




初めて3人で、全てを曝け出して話しました。

個々で思っていた事、音楽が楽しくなくなっていた事、やっている事に何の意味があるのか分からなくなっていた事。
時間をかけて話し合いをしました。


とても辛かったけど、そこでようやく2人のことを少しだけ分かれた気がして、救われました。




そこからは人として2人の事をメンバーとして、仲間としてとても大切に想えるようになれました。

今までは大切に思えてなかったからかもしれない。
俺は本当にバカだったなとあの日のことだけは、今も後悔している。




16年。
今生きている人生の半分を音楽に捧げている。
こんなに素敵なことってないよなーって感じている。
続けてよかったと心から思っている。


事あるごとに迷いながら、転がりながら、それでも新たなスタートを切り出してきたSWANKY DOGSを俺は心から愛している。

何より、こんなどうしようもない俺たちを今でもずっと支え続けてくれたファンの皆さん。
本当にありがとう。
あなた方がいたから、何度も立ち上がることができたよ。
本当だよ。
感謝しきれないけど、音楽ととっておきのライブで少しずつお返しできたらいいな。








2024年5月26日
FIGHT BACK 2024
OAとして出演させてただきます。

黒沼さんからお声がけいただいた時は、時がビッタリ止まって、誰も反応できなかった。
それぐらい嬉しくて、驚きました。
黒沼さんには本当に頭が上がらないよ。








また、新しいスタートを切る時なんじゃないかなと俺は思っています。










たくさん迷いながら、ぶっ倒されながら、這いつくばってでも続けてこれた。





崖っぷちバンド
SWANKY DOGS





どうぞよろしく。

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