動物園のネコ。
今日明日は閉園以来の土日の再開園である。
今までは密回避のため平日開園のみで土日はお休みしていた。
雨天にも関わらず人が多い。動物園は梅雨とは思えない賑わいだった。
お客様からお問い合わせいただくことがいつにも増して多い日だった。土日という感じがする。
その中でも、なぜか今日はマヌルネコを見たいと場所を聞かれることが多かったので、マヌルネコのお話をしようと思う。
担当動物その3 マヌルネコのお話。
マヌルネコ。不思議な名前である。
マヌルの意味はモンゴル語で小さいヤマネコという意味らしい。
普通の猫に似ている。じっと丸まっているとその辺の猫と一緒に見えるかもしれない。
マヌルネコが住んでいる場所は岩場。なので景色に溶け込む灰色の毛が特徴的だ。キジトラとか黒猫とかはいない。全員サバトラのようなカラーだ。
そして耳が丸く小さい。ここがイエネコとの大きな違い。スコティッシュフォールドとかのように垂れ耳なのではなくて、小さくて丸く、そして顔のちょっと横の方についた目立たない耳をしている。
岩に隠れている時にあの猫の三角のお耳が出てしまうと獲物にすぐバレるからである。
もうひとつ、イエネコとの大きな違いは瞳孔である。猫の目は普通縦に細くなるがマヌルネコは細長くならずに人間のように丸いまま小さくなる。
この辺のイエネコとの違いが観察ポイントである。可愛い〜!で終わらずにぜひよく観察して見てほしい。
普通の猫と似ているところもある。
私が飼育していて似てるなと感じるところ、それは飽きっぽい所である。これは個体にもよるかもしれないが、砂浴び用の砂場や爪とぎなど、色んなものを入れてみることがあるのだが、興味を示すのは最初だけ。見事にすぐ飽きる。
こういうのを見るとやっぱり猫だなぁと思う。
マヌルネコはもちろん猫の仲間だが、ちょっと不思議なことがある。
それは、猫アレルギーが発症しないことである。
そう、担当飼育員、実は猫アレルギーなのだ。
マヌルネコ舎は換毛期、かなり毛も舞う。しかし今まで1度もアレルギーが出たことがない。直接触れ合わないからかもしれないが、これだけ猫毛に触れているのに不思議である。
現在は、マヌルネコもコロナにかかる可能性があるということで展示が見づらくなっている。人間も動物も気の抜けない日々が続くが、マヌルネコを近くで観察してもらえるようになる日を心待ちにしている。
今日はマヌルネコのご案内をした日。