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UiPathの歩みとオートメーションの未来―日本のユーザーの皆様へ感謝と愛を込めて

UiPath Friendsやコミュニティメンバーの皆様、ユーザーの皆様、今年も大変お世話になりました。UiPath株式会社 代表取締役CEOの長谷川です。私からはホリデーを前に、一年の感謝を込めてアドベントカレンダーに投稿させていただきます。

日本法人UiPath株式会社の設立からこれまで

まずはこれまでのUiPath株式会社の流れを振り返らせてください。

UiPath株式会社は2017年2月に立ち上がりました。一番はじめは、大手町ビルディングにあるSPACESというレンタルオフィスの一席分を契約して、そこから活動開始しました。また、会社の固定電話を名刺に記載する必要があったので、インターネットで秘書サービスを調べてすぐに契約しました。一週間経過した頃、どういう応対をしているのか気になったので自分で電話をかけてみたところ、「はい、『ウィパス株式会社』でございます」と言われました(笑)。慌てて「UiPathの者ですが『ウィパス』でなく『ユーアイパス』と読むのですよ」と訂正しましたが、今となってはいい思い出です。

その後、2017年4月頃から大手のお客様にご契約いただくことができ、夏以降は50人体制に向けて組織作りを拡大していきました。社内では国民的アイドルにかけて、「目指せ!○○48」とか「○○46」とか言って頑張っていたのが今ではとても懐かしいです。

ここで少し真面目な話をしますと、UiPath株式会社は設立当時から、

・デジタルテクノロジー(当時はRPAが中心でした)で”日本を元気に”すること
・社員一人ひとりの成長と、RPAという新しいマーケットを作るという会社の成長を一致させること
・一人ひとりが家族や親しい友人など、身近な人に自信を持って話せるような温かいストーリーを作ること

を目指していましたし、そういった思いを共有できる社員を採用してきました。

設立当初からCEOのダニエルとは、日本をUiPathの最優先市場とするという共通の認識を持ってビジネスを開始しました。なぜなら、RPAには「日本を元気にする」力があり、日本のお客様とともにRPAを育てることでUiPathの世界的競争力が上がると確信していたからです。

当時、RPAは「簡単」「大量」「繰り返し」のセンター型の業務に向いていると認識されていましたが、日本のオフィスの現場では、おもてなしの心と品質に対するこだわりによる「複雑」「少量」「多様」というホワイトカラー型の手作業に現場が苦しんでいるということを、私も自らの経験から強く実感していましたし、これを企業レベルで解決するようなソリューションが必要だと常々思っていました。UiPathがお客様の声に寄り添い、日本のオフィスの現場に役に立つRPA製品を提供できれば、グローバルレベルで競争力を持った企業になれると考えていました。

実際、多くの日本のお客様の声を製品開発チームに届けましたし、何社かのお客様とは直接、ブカレストやシアトルの開発拠点を共に訪問させていただき、UiPath製品の開発者と、製品の改良についてディスカッションをしていただきました。

この思いは、CEOのダニエルとも共有しており、UiPathのグローバルバリューの一つである「Humble(謙虚さ)」が最重要であると彼も常々言っています。お客様の声によってUiPathも成長させていただくという思いで、共に歩んできました。

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2019年からは、自動化の開発ツールのStudio、管理ツールのOrchestrator、実行ツールのRobotという従来から提供してきたRPAの“コア製品”だけでなく、エンドツーエンドで自動化を支援する製品ラインナップに拡大し、またAI-OCR/チャットボットなどのAIテクノロジーとの連携を増やすことにより、UiPathのグローバル・ミッションである「Fully Automated Enterprise™」の実現に向けて進んできました。

今年9月には3回目となるUiPath AI EXPO 3.0を開催し、大盛況に終わりました。UiPathは、RPAの会社から、RPA×AI×クラウドのオートメーションの会社へと進化を遂げています

2020年以降、国内外でDXへの関心がより高まり、AI活用や人材育成による内製化がカギと言われるなかで、このように進化するUiPathのソリューションが、ますます注目とご期待をいただいていると感じています。

最近の私の関心事、趣味―動画、秘湯、日本酒

せっかくなので、ここで私自身についての話もさせてください。

前職では1年間の半分近くを海外と行き来するような生活をしていました。最初の頃は飛行機の中でも真面目に仕事をしていたのですが、いつの間にか機内ではワインと映画を楽しむ習慣が身について、年間100本の映画を観るということが7〜8年ほど続きました。いつしか動画ファンとなり、社内で「長谷川さんの好きな本はなんですか?」と聞かれたとき、「本ではなく、Netflixです」と答えると、結構笑ってもらえるのが嬉しかったです。今はNetflix、Prime Videoに加えて、Apple TV+でも作品を観ていて、特に最近はアイザック・アシモフ小説が原作となった「FOUNDATION」に大いにはまりました!

他には、私は秘湯巡りと日本酒が好きです。今年は、緊急事態宣言が明けてから、感染症対策に留意しながら人の少ない秘湯をいくつか巡りましたが、今年のベスト3は、島根県の千原温泉、青森県の谷地温泉、大分県の長湯温泉でした。

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島根県 千原温泉

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青森県 谷地温泉

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大分県 長湯温泉 ラムネ館

近場の温泉のなかでは、群馬の法師温泉長寿館等に時折行っています。私は以前から秘湯が大好きなので、よく行く温泉では働いている方が覚えてくださっていて、来館の際「おかえりなさい」と言っていただくこともあります。まさに、日本のおもてなしの心を感じる瞬間です。また、日本酒については実は「利き酒師」の免許を持っていて、温泉地で地酒を呑んでは品評会をしたりしています。

こういった趣味の活動のなかで最近あらためて気づいたことは、やはりコミュニティの力です。最近は秘湯好きが集まるLINEグループチャットで前日に行きたい秘湯の情報を聞くと、実際に行ったことのある人からの貴重な情報がすぐに手に入ります。

この先もっとUiPathのロボットが普及して、こうした情報交換にロボットが参加し、あらゆる場所から情報を収集して、一人ひとりの好みに合ったおすすめを瞬時に返してくれるほど自動化が浸透するような世の中になれば、UiPathのグローバル・ビジョン「A Robot for Every Person(すべての人にロボットを)」の実現にさらに近づけると感じます。

2022年の抱負

新型コロナによる感染拡大が起きてから、時間が経つのを早く感じませんか?UiPathにとって大きな年だった2021年も間もなく終わりますが、ここで日本のUiPathと私の2022年の抱負を3つお話させてください。

1つ目は、日本から世界へメッセージを発信していきたいです。
私は常々、UiPathユーザーを100万人にし、より多くの方にUiPathを使っていただき、もっと人間らしい仕事に集中して、日本を元気にしてもらいたいと思っています。2022年は、この実現に向けて、複数の大学やNPO団体との活動にさらに力を入れて取り組んでいきます。またそういった活動を通じて、RPA×AIの文脈で日本から世界へメッセージを発信していきたいと思っています。日本人が持つ「相手を思いやる心(エンパシー)」は、変化が激しく、プロセスの粒度がどんどん細かくなるデジタルの時代においては、大きな強みになると思っています。RPAが日本のデジタル化社会の土台を作り、世界に追いつき、ひいては追い越すことができれば、大変うれしいです。

2つ目は、オートメーションを通じた社会へのさらなる貢献です。デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、一体何でしょうか?オートメーションを通じてさらに社会に貢献するために、今、あらためてチームで考え直しています。私は、DX前後の組織・社員のあり方は下記のように異なるというイメージを持っています。

・DX以前:全員がお客様として大型客船に乗って、堅牢だが、決められた航路でしか移動できない
・DX以後:一人ひとりが組織の目的を自分ごとと考えて自走し、魚の群れの様に柔軟に入れ替わり、全体として俊敏に移動することができる

アドベントカレンダー_組織

DXによって、後者のようなかたちに組織が変わることで、変化が激しくスピードの速い今の時代に対応できる強い組織ができる。それが、「日本を元気にする」ことに繋がっていくと信じています。

そして、DXの真のカギは単なるデジタル化ではなく、アナログとデジタルの融合にあると感じています。Artificial Intelligence(人工知能)だけでプロセスが完結するのでなく、AIが人間を支援するAugmented Intelligence(拡張知性)という位置づけとなると思っています。従来のAIが「人の代わりをするAI」とするならば、Augmented Intelligenceは「人を中心にしたAI」で、人の判断を支援するものです。人間の可能性を追求するために、自動化を進め、また自動化できない仕事については人が最終判断できるところまで支援するのが、Augmented Intelligenceである、という風に私は考えています。
その思想のなかで、真にDXの成功に寄与できるようなオートメーションの製品、ソリューションに、UiPathを進化させていき、さらに人間の可能性を広げる支援をしていきたいと考えています。

3つ目は、個人的な話になりますが、ピラティスでお腹をへこませる、ハーブティーの力で癒しパワーをもらう、水泳で長距離を泳いでも息切れしないように訓練する、など健康系の目標が多くなってしまいます(笑)。あとは、私はこれまで海外で美術館を巡るのが好きでしたが、日本美術に造詣の深い方と親しくさせていただいて、日本美術に興味を持ち始めました。まずは定期的に日本美術を鑑賞してみるというところから始めて頑張れればいいなと思っています。色々と、興味関心が尽きません。

UiPath Friendsの方々や、ユーザーの皆様へ

「日経コンピュータ 顧客満足度調査 2021-2022 RPAソフト/サービス部門 2021」において、3年連続となる1位を獲得させていただきました。私たちのビジネスは、お客様やパートナーの方に寄り添うビジネスだと考えているので、日本法人設立3年目から継続して1位をいただけていることは、私達の大きな誇りでもあります。

15年前にルーマニア出身のダニエル・ディネスが首都ブカレストのアパートの一室で起業したUiPathは、日本の皆様のおかげもあって、今年4月、ニューヨーク証券取引所に上場することができました。当初は私もニューヨーク証券取引所の現地に行く予定だったのですが、残念ながら新型コロナの影響のため断念しました。代わりに、日本でも何か同時にお祝いすることができないかと思い、日本のメンバー十数名とともに、ニューヨーク証券取引所の上場祝いの行事であるベルリングにかけて、豊島区の法明寺で鐘を突いてお祝いをしました。

上場当日、ニューヨーク証券取引所で、日本で鐘を突く様子を含むお祝いの動画が放映されました。動画が放映されている最中、CEOのダニエル・ディネスとCFOのアシム・グプタからチャットで連絡があり、更に詳細な実況中継をしてくれていました。また、日本でのお寺の鐘突きの様子も、このとき動画で放映がされました。すると、日本のメンバーだけでなく、ブカレスト、シアトル、インドなど、グローバルのUiPathの拠点からも「JapanのTemple(お寺)のRing(鐘)は”Cool Japan”だ!」とSlackなどで沢山のメッセージが届き、世界及び日本のUiPathメンバーとそのひと時を共有できたことがとても嬉しかったです。

この機会にあらためて、日本の皆様のご支援に、心から感謝申し上げます。

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このアドベントカレンダーの投稿数からも垣間見えるように、UiPathでは、公式ユーザーコミュニティUiPath FriendsUiPath Forumなどにおいて、ユーザーの皆様が活発にコミュニティ活動をしてくださっていて、情報や交流の機会が充実しています。このことも、お客様に選んでいただける大きな理由の一つだと思っています。

UiPath Friendsを始めとするユーザーの皆様がこのアドベントカレンダー企画を推進いただき、12月1日から毎日どなたかが投稿くださっています。是非皆さんの投稿をご覧いただければと思います。また、先日10月30日には UiPath Friendsの年次カンファレンスUiPath Friends Festivalがあり、45名を超える方にご登壇いただきました。

私はUiPath Friendsのメンバーの方とお話しする機会があるたびに、いつも皆様の熱い「UiPath愛」を感じ、大変嬉しく、心からありがたく思います。これからもお客様に愛される製品・会社であり続けるために、UiPath株式会社全員で頑張っていきます。今後ともUiPathをよろしくお願いいたします。

来年も、お客様皆様やチームメンバーにとって、素晴らしい年になればと思います。素敵なホリデーと、年末年始をお迎えください。

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