近道だけがベストではない。「道草食いニスト」になろう。
道草を食う
「道草を食う」の語源は、馬が旅路で道端の草を食べていて、進行が遅れてしまうこと。それが転じて目的地へ行く途中に他のことに時間を費やしてしまうことや手間取ってしまうことなどをさす…。
といった事が様々な辞書に記載されています。
これだけを聞くと、ビジネスにおいても、人生においてもなんとなくネガティブな意味合いに聞こえてしまいますが、自然遊びの時だけは逆転します。
道草を食えない子どもたち
大型公園などに遠足に来た幼児施設の子ども達と先生は、バスを降りるやいなや、子ども達を連れて目的地の芝生広場やアスレチックまで一直線。そして目的地に到着後、荷物を置いて決められたエリアで自由に遊ぶといったパターンが多いと思います。
問題は、目的地の芝生広場よりも道すがらの方が面白い地形や虫、草花がたくさんあるということです。
「先生!○○○があるよ〜!!」
「先生、あそこ登っていい??」
なんていう子どもが見つけた素敵ポイントの訴えは、声を聞いてもらえるまででとどまりどんどん目的地へ進んでいきます。
安全管理をする意味では団体である以上目的地まで一直線で向かうのは正解なのですが、子ども達の自然遊びの視点では、”道草”が正解になります。
また、自然遊びを導く大人側に関しても同様で、下見時や本番中は、道草を食うのが正解です。もちろんストーリーや事前にコースを作っておくことも大切ですが、予定外な出来事で得られるのは道草を食うことです。
道草食いニスト
これを、僕は道草食いニストと呼んでいます。
道草食いにストのコツは
・いつもの歩くスピードの1/10で歩くこと
・前後左右、遠くを見たり、近くを見たり、目線を色々な方向に動かすこと
・時々立ち止まり、しゃがみ、じっくり観察すること
・気になったらその”何か”に呼ばれてフラフラしてみること
この4つだけです。実際にこれを実践するだけで、道草食いニストは次の事を自動的に得られてしまいます。
・同じ目的地に向かう間に、直線的に向かうよりも数倍体を動かせる
・発見や学びが数倍得られる
・五感の刺激率が数倍上がる
大切なのは、ここからどう動くのか?ということになります。
刺激的な坂道を見つけたら、時間が許す限り遊んでみる。葉っぱに空いている面白い形の穴を見つけたら「犯人は誰なのか?」を探してみるのも面白い。面白い場所、ものが見つけられるか否か?そしてそこで遊びが生まれるか?は道草が食えるか否かによって決まってきます。
未来の子ども達のために
こう聞くと、道草を食わない手は無いのではないでしょうか?
もちろん、子どもは静と動のバランスで生きていますので、走りたい欲求が高まっているときに道草食いにストになるなんてナンセンスです。
でも、これからの世界は、きっと立ち止まる、視点を変えるなど、道草を食えることが大切になってくるかもしれません。
できれば人生においても道草食いニストになりたいものです。
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