お腹いっぱい夕ご飯を食べながら酒もたらふく飲める飲み屋という考え方
スタッフとの「スナック2.0プロジェクト調査」という名の飲み歩き。はしご酒なのに、飲み歩いているとつまみ程度なので腹が減ります。ふらふらと次のお店を探して歩いている時に吸い込まれるように入っていったお店が素晴らしかったです。
日中は初代で夜は二代目
鎌田で何十年も続く定食屋さんは、初代がつくったお店。日中は二代目が仕込みを手伝いながらも初代が営業を行い、夜は二代目が店を守っているそうで、昔ながらの定職屋がメインで"ついでに"お酒も飲めるお店。お酒は”ついで”だけど、泥酔するほど飲めるのがいい。
日中はなじみのお客さんが先代のご飯を食べに来て、夜はなじみのお客さんに加え、二代目が醸し出す空気感と満腹感を求めてみな引き戸を開けて入ってくるそうだ。
企業でもあるファミリー経営なのだけど、初代と二代目が上手にコラボレーションしながら長く続けられているお店は、会社の引き継ぎという意味合いでも僕にとって興味があります。
独特な風貌の二代目は、人好きだけど人見知り、愛ある料理を丁寧に出してくれる感じで素敵でした。
お腹いっぱいつくりたてのごはんを食べることの幸せ感
このお店のメニューは、居酒屋のおつまみというよりも”ご飯のお供”的おかずがたくさんあり、ごはんとお味噌汁をつけると定食になるスタイル。注文をすると、おばんざいから皿に盛ってくれたり、網でジュウジュウ焼き始めてくれたり、フライパンでシャッシャと炒めてくれたり、温め直してくれたりして手作りの料理を出してくれる。仕込みものも含めてすべて手作りだ。
家でも親が外食ばかり連れ出したり冷凍食品の連続攻撃、揚げ物は絶対に家でしないといった鉄の掟を持った環境が多い昨今、皮目が焦げた魚がボンと目の前に置かれるとなぜか温かい気持ちになります。
個人的には、メニューになんの変哲も無い「目玉焼き」があるのもなんともいえない。「家で作ればいいじゃん!」となりそうなものだけど、やっぱりあるとなんだか嬉しい。
全てのメニューは昭和のお母さんが日々作ってくれる美味しくて、なんだかこころがほっこりするような物ばかり。奇をてらっていないので味に飽きることなく、そして想像を裏切らない美味しさのおかげで食が進み、「はあ〜食った食った」という満腹感を味わえました。
平成生まれのスタッフもなぜだか昭和の懐かしさを感じ、お腹いっぱい食べながら酒で流し込んでいました。当然のことながら、僕も気付かぬうちに杯を重ね気分良く酔って、そして食べ物でお腹が満たされていました。
今回の素敵ポイント
僕が感じた特筆すべき感想は「家感30%とお店感70%」の絶妙なバランス感。常連さんが二代目に差し入れしてお店に来ちゃって騒いで楽しそうに飲んでいるのは、こっちも楽しい気持ちになってしまいました。そこで感じたのは次の3つ。
作られていないにじみ出る懐かしさ
焼き魚の煙や炒め物の蒸気が作った壁紙に、日々の掃除が醸し出す清潔なのに昭和な感じは、新しいく内装を作っても出せない味わい深さ。ネット動画がメインになりつつある昨今、流れっぱなしのテレビの音も心地よかった。
奇をてらってない美味しい手料理
あの手この手で創作した変わり種料理は一切無い、日本の当たり前のおかずがメニューになっている。仕入れや在庫などを考えれば冷凍食品や加工済み野菜を多用してもいいようなものなのに、ちゃんと手作り。これが心も身体も満腹になる。
家(実家、友だちの家など)での晩酌感
「そうそうこういう味!」としみじみ食べる、たまに帰った実家のごはんを食べながら成人になった子どもが酒を飲む感じ。友だちの家で夕飯をご馳走になったときの、「家のと違うけどうまいなあ」とガツガツ食べる夕飯。そんな感じがなんともいえない。
次のターゲットは僕が愛する中央線沿線エリアかな。
今回もスタッフが面白いレポートをあげてくれています。ライブ感があって面白いですよ。よろしければぜひ!
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