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開化を学ぶ

『簡易読本』という明治時代の小学校で使用されていた教科書の一部をご紹介します。

『簡易読本』 1907年(明治40年)

ご紹介している資料は恐らく低学年向けのもので、カタカナを覚えるために絵と文字が書いてあります。絵は当時の子供達が興味を持つものを選んでいると思います。そして、カタカナということもあり、外国も製品を取り上げていて、大変興味深いです。

まず、左上のランプはオイルランプです。開国と共に日本へ入ってきて、明治初年はお金持ちしか手に入れることができませんでしたが、1974年(明治7年)頃になると庶民にも普及し始めます。
その隣のパンは食パンと丸い形のパンですね。山崎製パンさんのホームページによれば、
「幕末から明治にかけて、東京、横浜、神戸などに外国人向けのホテルが増えていきました。当初、幕府はフランスから軍事的な支援を受けていたため、フランス人宿泊客が多く、ホテルではフランスパンを焼いていました。しかし、幕府が倒された後の明治政府はイギリスから支援を受けたので、ホテルのパンも山型のイギリスパンが主流になり、それが次第に日本人のあいだにも広まっていきました」
とのことです。筆者の住む山形県では1987年(明治20年)の新聞に「1銭、2銭で腹を充分満たせるため食す人はなはだ多し」と書かれてあります。また、菓子店を営む金子鶴吉という人物がパンを販売を始め、メニューとしては食パン、味噌入りパン、砂糖入りパン等々があったようです。
左下のポンプは消火用のポンプ車ですね。当時は消化設備が脆弱であるため延焼して簡単に大火事になりました。1981年(明治14年)、米沢市街消総頭の斎藤総右衛門なる人物が発起人となり、お金を集め東京よりポンプ車を500円で購入しています。明治時代の1円は現代の価値でどのくらいの価値かというと様々な計算方法があるのですが、4000円というのを見つけました。ということは現代の200万円で購入したということになります。
子供達が文明開化と文字を学ぶ風景がこの1ページから想像できます。


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