降圧薬で酸素化低下??なぜ???



こんにちは、まっしゅです。



ニカルジピンは降圧薬(Ca拮抗薬)です。
Caを拮抗することで、血管を拡張させ、降圧作用を得ています。


割とありふれた薬剤ですが、降圧効果がある背景に酸素化低下があります。


実際に、
大動脈解離の患者に対して降圧目的でニカルジピンを高流量で投与しており、その方の酸素化がなかなか改善しない事例がありました。


その機序について紐解いていきます。


Ca拮抗薬は、動脈酸素分圧の低下もあると考えられています。


その機序としては2つ。

①攣縮肺血管に対する拡張作用
②心拍出量増加

上記2つが相まり、HPV(※低酸素性肺血管収縮)が抑制され、
酸素化が低下すると考えられています。


※HPV
肺が低酸素に陥っても酸素を抹消組織まで供給するための生体反応。
肺が低酸素に陥ると、肺血管が収縮して血流が低下する。
そうすると、酸素化能が低い肺には血流が送られず、その代わりに、
酸素化能が高い肺に優先的に血流が送られるようになり、
肺機能を温存できるという反応。


HPVが抑制されるということは、
酸素化能が低い肺にも関係なく血流が送られるということ。

HPVは、血管拡張薬の投与により、抑制されます。
(収縮させたい血管も広がってしまう)


つまり、ニカルジピンの降圧作用の副作用として、
酸素化低下のリスクも考えなければならないということです。


以上!まっしゅでした!

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