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病棟とICUどっちが忙しい?
こんにちは、まっしゅです。
私は外科病棟、救急病棟を経験し、
現在はICUで勤務しています。
ICUに異動して1年と2ヶ月経ち、
これまでに幾度となく、
ICUの人にも、病棟の人にも、
「病棟とICU、どっちが忙しい?」
と聞かれます。
結論は、
「忙しさの種類が違うから、なんとも言えない」
です。
忙しさの種類が違うだけで、同じくらい忙しいです。
「なんだよ、結論がそれかよ」と思いますよね、
病棟出身の方は「受け持ち最大2人しかいないのに同じくらい忙しいわけあるかよ」と思いますよね、
すみません。でも、これが病棟とICUを経験して出した答えなのです。忙しさの種類が違うのです。
病棟とICUを経験した方は「確かに」と思うはずです。
これから上記の話を紐解いていきます。
まず、病棟とICUでは、
患者の重症度が違います。
よって、患者数に対しての看護師の数が違います。
看護体制が病棟では7対1、ICUでは2対1となります。
続いて、重症度と患者の数が違うということは、
優先度も違ってきます。
優先度の考え方としては、
“命に関わるもの”や、“時間的猶予がないもの”などが優先度上位にランクインします。
病棟は、イベント(1日の中のやるべきこと)が受け持ち人数に比例して多くなります。
優先度の高さはそこまで高くないことが多く、比較的優先度の判断がし易いですが、なんせ数が多いので、数あるイベントをどう組み立てて業務をこなすか、というのがポイントになります。
忙しい時はイベント(やる事)が途切れないため、1日中忙しいです。
また、受け持ち患者が多いため、患者ごとの情報収集も大変です。
突発的なイベント(緊急入院、転倒、状態変化)の発生は、部署にもよりますがそこまで多くない印象です。
ICUはというと、重症度によってまちまちですが、病棟のイベント総数と比較すると、少なめかもしれません。
ですが、優先度がどれも高めです。
(ex)1時間ごとのバイタルサイン測定に血ガス採取、輸血△単位したらフォローの検体とって、血糖も2時間ごとにチェックして、午前は胸腔穿刺と心エコーがあってetc、、、)
上記のように何個もあるイベントの優先度が並列している中で、微細な優先度の差を判断して業務を組み立てる難しさがあります。
また、緊急入院や、突然の処置、状態変化等も病棟より数が多く、当初自分で立てた行動計画が全く予定通りにいかないことも多いです。
忙しい時と時間的余裕が取れる時とで差が激しいのがICUです。病棟のように、持続的な忙しさというより、瞬間的な忙しさがあります。
まとめると、
【病棟】
病棟は受け持ち患者、イベントが多いため、数的な業務の忙しさがある。汗ばむ程度の忙しさが持続的。
【ICU】
受け持ち患者、イベントは少ないものの、業務の優先度がどれをとっても高く、突発的なイベント発生も多い。滝汗をかく程の忙しさが瞬間的にやってくる。
お分かりいただけましたでしょうか。
患者数と忙しさが比例しそうですが、
そうでもないのです。
そして、自分に合う忙しさの種類も異なると思います。
ICU、又は病棟に興味のある方や、異動を考えている方の手助けとなれたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は、
「BLS、ACLSって取る必要ある?」
を紹介します。