見出し画像

【血圧アセスメント】脈圧を知らないの??結構大事です!!



こんにちは、まっしゅです


今回のテーマは【血圧】です


血圧は医療従事者にとって切っても切り離せないものですよね。
そして、大切なバイタルサインの一つでもあります。


そんな身近な血圧ですが、正しく解釈できていますか?


血圧は非常に様々な情報を含んでいますので、
患者の状態を正確に把握できるよう、学習していきましょう!




血圧の正常値や、高血圧、低血圧等の基礎知識は、

私が過去に書いた記事の

【バイタルサインのアセスメント】

で紹介していますので、
今回はそれ以外の、少し血圧の深い話をしようと思います。



“脈圧” って聞いたことありますか?


文字通り、
収縮期血圧(sBP)と拡張期血圧の(dBP)差です。



私はICUで勤務しているのですが、
他スタッフでも、知っている人、知らない人が半々くらいです。



ですが、脈圧を知っていると、他者より一歩深いアセスメントができます。

そして、その一歩深いアセスメントは、時に急変の予測等に役立つのです。
(私も脈圧で急変予測することができ、何度か助けられました。)



実際の事例です



上記の患者が入室してきました。


私が受け持ちNsだったのですが、
入室時の状態から、かなり急変のリスクが高いと考えてました。
(いつ急変してしまうかドッキドキでした、、、)


医師間では、
「すぐにCV入れて、カテコラミン開始すれば大丈夫」
という認識があったようで、入室後すぐにCV挿入準備がされていましたが、
CV挿入前に心停止となりました。
(やはりか、、という感じです。)


入室時の状態から急変リスクが高いと認識していましたので、
心停止前に救急カートをベッドサイドに配置しており、
迅速な救命処置に入ることができ、患者は救命できました。
(医師がたくさんいる中の急変だったのも運がよかったです)


恐らく、収縮期血圧が100mmHgあったために、
CV挿入の余地があると判断したのだと思いますが、
【脈圧】の知識があれば、非常に状態が悪いことがわかります。


正確に言えば、
脈圧のみで急変リスクを先読みできたわけではありませんが、
患者の状態を把握する上で大いに役立っていることは確かです。
(急変の予測に関しては別記事を書いてますので、端折ります、)


脈圧の重要性は認識していただけましたでしょうか?


それでは脈圧について解説してきます!!

(お待たせしました!)



計算式としては、

sBPーdBP=脈圧


となります!!!


ICUの高性能なモニターでも脈圧は表示してくれないので、
自分で計算していく必要があります。

計算が億劫に感じるほどの難しさはありませんよね!!



この脈圧が、sBP÷2の値より大きい場合を、

“大脈圧”


sBP÷4より小さい値を、

“小脈圧”


と言います。


事例で言えば、
BP:100/37
なので、脈圧は63ですね。
100÷2は50なので、この場合の脈圧は大脈圧となります。


大脈圧、小脈圧がそれぞれ何を表しているのかですが、


【大脈圧】

・カテコラミンが作用している血圧と考える。

例)敗血症、副腎不全、低容量性、閉塞性、心原性、分配性



【小脈圧】

・ショック等の低血圧時にみられる。
・低容量性ショックか閉塞性ショックに分類。

例)内頸静脈怒張→閉塞性
  内頸静脈虚脱→低容量性



脈圧は、現在の血圧にカテコラミンの関与はあるのか、
また、どんな種類のショックなのか、

その判別に等に一役買ってくれます。


事例での患者は、
大脈圧に加えて、頻脈、頻呼吸etc,,,と、
ショック徴候が見られていました。

ついつい収縮期血圧で状態を判断してしまいますが、

脈圧の知識があれば、
血圧維持できているのはカテコミランのおかげであり、
その状態は長続きしないことがわかると思います。



是非覚えて、臨床で使ってみてください!!



最後まで読んで頂き、ありがとうございました。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?