急変に気づける!バイタルサインのアセスメント!
こんにちは、まっしゅです。
突然ですが、下記の事例をみて
状態の悪い患者の区別はつきますか?
また、その理由を簡潔に説明できますか?
この記事を読み終わる頃には、それらができるように
なってるはずですので、
一緒に学んでいきましょう🙌
参考文献は下記の2冊です!!
加えて集中治療認定看護師と共同で作成した記事になります!
また、自身の経験則も併せて紹介していますので、
価格以上の価値があると思います。
ぜひ参考にしてみてください!!
みなさんにとって、
1番起こってほしくないことといったらなんでしょう??
術後せん妄や、デバイスの自己抜去なんかも起こってほしくはないですね。
その中でも1番起こってほしくないこと、
(個人的第1位)
急変と検索をかけると、
“予測しない急激な状態変化”
と出てきます。
しかし、急変の多くは数時間前に何らかのバイタルサインの異変があります。
つまり、急変の多くは、
“予測しない” ではなく、“予測できなかった”
といえます。
私はICU勤務ですが、病棟から急変した患者がよく入室してきます。
AMIや脳卒中、PEといったものを除けば、
ほとんどの患者の、入室数時間前のバイタルサインに異変があります。(本当です)
そして、その異変に医師でさえ気付けないのです。
(もしくは、対応が遅れてICU入室となっている)
どんなバイタルサインが、
どうヤバいのか、
何を見るべきなのか、
急変の察知は、患者に関わる時間が1番長い、
看護師の質に大きく影響されると思います。
状態変化のリスクが高いバイタルサインを察知できれば、急変を起こす前に何らかの介入ができるはずです。
前置きが長くなりすみません。
それでは本編に入ります。
まずみなさんは、
バイタルサインの言葉の意味をご存知でしょうか
バイタルサイン=生命徴候です。
つまり、バイタルサインとは
“生命徴候を可視化したもの”
と言えます。
生命徴候を可視化してくれてはいますが、
私たち医療者の生理学評価が伴わないとただの数値になってしまいます。
BP 80/40 →血圧が低い
RR 25回/min →頻呼吸
といった解釈のみでは、
バイタルサインの理解が浅いのです。
これから一緒に、バイタルサインの理解を深めていきましょう!
バイタルサインは6項目!!!
「え、それもバイタルサインなの」
と思った項目もあったでしょうか?
これからひとつずつ紐解いていきます。
血圧について
血圧の正常値は
120/80mmHg前後です。
そして、血圧の異常には、
血圧上昇と血圧低下の2つがあります。
まず血圧上昇から考えていきましょう。
正直、血圧上昇に関してはそこまで緊急度は高くないです。
血圧上昇があった場合、慢性的に血圧が高いのか、
それとも急性発症なのかを判断しましょう。
考えていただきたいのは、急性発症の場合です。
どのような時に、血圧が上がるのでしょうか?
一番考えられるのは、身体にストレスがかかっている時ですね!
私たちも、怪我をした時、運動後、面接等で緊張している時など、
身体的なストレスや精神的ストレスがかかった際に、
恐らくいつもの血圧より上昇しているはずです。
胸がドキドキしますよね!それが血圧上昇です。
なぜストレスがかかった時に血圧が上がるのかというと、
人体の体は、ストレスがかかった時に
カテコールアミンが分泌されるのです。
カテコールアミンには、
アドレナリンやノルアドレナリンがあります。
アドレナリンやノルアドレナリンには、
心臓に対して心拍数(脈拍数)の増加や、収縮力増加、
血管抵抗増加等の作用があり、結果、血圧が上昇します。
急性の血圧上昇を伴う具体的な疾患は下記の通りです。
頭蓋内病変は血圧が上昇するで有名ですよね。
脳出血や、脳腫瘍といった、脳実質を圧迫するような病態の場合、
血圧が上昇します。
“クッシング徴候”という言葉を聞いたことはありますか??
クッシング徴候とは、頭蓋内圧が上昇すると出現する徴候です。
また、頭蓋内病変の場合
瞳孔径不同や対光反射消失といった所見も現れます。
「血圧あるから大丈夫だよね〜」はとても危険です。
見逃すと手遅れになりますので、是非覚えてください。
他の疾患に関しては
ずっと高血圧が続くかといったらそうではなく、
発症時のみの一時的な血圧上昇の場合が多いです。
これを代償期と言います。
(カテコールアミンのおかげ!!)
そして、代償しきれなくなると、非代償期へと移行します。
非代償期の状態が持続すると、生命活動の維持が難しくなるのです。
救急外来受診時が、
STEMIの心機能低下(心拍出量低下)を
心拍数で代償している段階であり、
代償期といいます。
(血圧の低下を、他の要素で補っている状態)
10分後の状態が、
心機能低下を代償しきれなくなり、
血圧低下が顕在化した段階であり、
非代償期といいます。
(補いきれなくなった生命が危ない状態。)
例題で少しイメージし易くなったでしょうか?
高血圧があった場合、
「普段の血圧はどのくらいかな」
「どんなストレスがかかっているのかな」
「ストレス因子になる症状の訴えはないかな」
「他のバイタルサインはどうだろう」
「これから血圧低下するリスクはあるかな」
「代償性の血圧上昇の可能性はないかな」
といった考え方ができると良いと思います。
続いては低血圧です。
②低血圧
低血圧を見つけると、「やばい!」となりますが、
どうやばいのでしょうか?
低血圧=ショック
とよく言われますね。
ショックとは、
“十分な血圧が得られないために、臓器障害を起こすこと”
とあります。
血圧が低いと、組織の灌流が低下し、うまく臓器が活動できなくなるのです。
具体的に言えば、
血圧低下→腎血流量低下→尿量低下
血圧低下→脳血流低下→意識レベル低下
といった感じです。
血圧低下を伴う代表的な疾患としては、
敗血症、出血性、心原性、脱水、肺塞栓などが挙がります。
中でも、“敗血症”の頻度が最も高い印象です。
(病棟で敗血症性ショックとなり、ICU管理となるパターンがかなり多いです)
ショックは、
①循環血液量減少性(体液が少ない)
②心原性(心臓機能に問題アリ)
③血液分布異常性(体液あるけど血管外に逃げてる)
④閉塞性・拘束性(血管詰まったり、心タンポナーデになったり)
の4つ分類があります。
一つ一つ詳しく説明したい気持ちもありますが、
ここでは詳細の説明は端折らせていただきます。
(あくまで目的はバイタルサインの見方なので)
重要なのは、
だと個人的には思います。
ショックの分類について考えられるとbetterですが、
“患者がどうヤバいのか”を、バイタルサインを通じて
把握でき、医師へ繋げられることを、今回は最優先にしていきます。
低血圧及び、低血圧に付随する異常なバイタルサインに、
いち早く気付くことができれば、
ショックの状態になる前に対処できるのです。
(皆さんの腕の見せ所です!!)
ショックにいち早く気づくための項目分けと、
点数化したスケールが、いくつかあります。
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