一般的な虫歯の治療について
虫歯の治療に関しての説明となります。
虫歯治療(保険、自由診療)
虫歯の治療に関しては基本的な部分は医療の保険適応範囲となりますので、保険証をお持ち頂ければ大体どこの歯医者さんでも治療をしてもらえるでしょう。
自分の医院の場合はマイクロスコープがあるので、患者さんに撮った画像を見せながら、『今日の虫歯は大きかったですね〜このように治療を行いました。』というお話をするようにしています。
実はマイクロスコープが撮影機としても優秀で、見ている画像をすぐに保存する事が出来ますので、虫歯の大きさの具合や、中の状況、詰めた後の写真、その後の症状の出方の予想などをお伝えし患者さんと共有をして説明を行なっています。
画像が欲しい方は言って頂ければアプリ経由で共有出来る環境を作ってありますのでお伝え下さい。(あまり自分の虫歯の画像を欲しがる方が少ないのが残念ではありますが…)
これが不思議と、マイクロスコープなしでも十分だろうと思っていたのですが、より細かく見えてしまうと、というか見えてしまい過ぎるので、虫歯の取り残しがないかをかなり気にするようになりました。
分からなければそのまま進めてしまうのに、見えてしまった以上は歯科医師としてのプライドが…綺麗にしてあげたい!って追求してしまうようになりました。人間って不思議なものですね。今ではないと困る事の方が多いです。
コンポジットレジン
基本的には保険治療ではコンポジットレジンと呼ばれる樹脂にセラミック粒子を合わせたプラスチックの材料を使用します。最近の材料はどんどん良くなっており、多くの色の表現までは難しいですが、それでも十分自然に見えるような処置を行えます。
ダイレクトボンディング
より審美的に詰めたい場合はダイレクトボンディングと呼ばれるやり方で修復していきます。
こちらは保険適応外の材料となり、より細かな色の表現を行う事が出来ます。オペーク色、象牙質色、エナメル色、多少透明感のあるトランスルーセント色などの大枠の中でさらに細かに分かれていたりしますので、ご自身の歯の色に合わせて必要最小限の部分のみに材料で補う事が出来ます。
特に目立ちやすい前歯部や小臼歯部に対して、あまり歯を削らずに綺麗に見せたい場合が適応となります。
銀歯の中の虫歯治療(保険診療、自由診療)
銀歯は色が透過しないので上から見ても虫歯があるかが判断出来ない事も多いです。レントゲンの画像があれば歯との境目の具合で判断出来る場合もあるので、可能であれば虫歯の確認にはレントゲンの撮影をされた方が良いかと思います。
保険診療で使われる銀の金属は主に2種類
①金銀パラジウム合金
②銀合金
細かな成分は金属の加工会社によって多少違いがあり、正確にはお伝えが難しいですが、
①金銀パラジウム合金は金は20%以上、銀が40%以上、パラジウムが20%以上。その他銅、亜鉛、錫、インジウムなどが入っています。
②銀合金は銀が60%以上入っており、亜鉛や錫が入っているもの。
これらの金属はアレルギーの原因となる場合もあるので、注意が必要です。
心当たりがある方は大きい病院などでアレルギーのパッチ検査を受けられた方が良いかもしれません。もしくは歯科の場合であれば口の中の金属はなるべく減らしていったり、全て外して違う材料に変えるなどの処置が必要かもしれません。下記に分かりやすくまとまっていたので参考サイトを記載します。
銀歯にしますか?セラミックにしますか?
令和6年6月より、一部適応制限ありますが、保険の診療にてCADCAMインレーというものがデジタル印象にて作製出来るようになりました。口腔内スキャナーが必要で、技工士さんがいるか、技工所との連携が取れていないと施設基準を満たせないので、作れる医院と作れない医院がありますので、問い合わせが必要かと思います。 (当院は届出済みです)
今までだと、銀歯にしますか?銀歯の色が気になるならセラミックはいかがですか(自由診療)?という患者さんからしたらいきなり高額な提案となってどういうこと?みたいな状況になっていましたが、これを歯科医師側も無理に提案する必要がなくなってきています。これからはよりメタルフリーな治療を行いやすい環境となりました。ちなみに保険のCADCAM冠は規格が決まっており、フィラー含有量60%以上のコンポジットレジンで出来ていますので銀歯よりは柔らかいです。咬合が強すぎると割れる事もあり得ますので、まず適応かどうかの相談が必要です。
厳しそうな場合はより硬いジルコニア(自由診療)などの選択も必要となってきます。
保険治療で型取りがデジタル(口腔内スキャナー)で出来るのはまだインレー形態のみなので、今後の改訂が待たれますね。(2024年8月現在)
自由診療の型取りの場合は特に制限がないので、ほとんどの治療を口腔内スキャナーのデジタルでの型取りを行なっています。
神経の処置が必要な場合
虫歯が大きすぎると神経にまで到達し、突然の痛みによる抜髄が必要となったり、慢性的に神経が弱ってしまい失活し、神経を取る治療が必要となる場合がありますが、どの場合でもなるべく根の中は余計な感染が起こらないような配慮が必要です。簡易的な防湿で足りるケースもありますが、可能であればラバーダム防湿を行い処置を行います。
この辺りは医院によってやり方も流れも変わってくるので説明を受けられた方が良いでしょう。
また、虫歯が神経ギリギリの場合ではいきなり神経を取らずに保護剤を入れて神経症状が収まるか様子をみる場合もあります。この判断も難しいのですが、患者さんと相談をした上で、極力神経を残す方向で治療を進めていきたい所ですね。感染部のみを除去する断髄などの方法もあり、その歯の具合によって処置内容も変わります。
2回目の根管治療はさらに難しい
事前に他の医院にて根管治療を受けられていて、充填されている場合に、根先の先に病巣がある場合は、改めて根管治療を行わなければなりませんが、歯の状況によっては再治療がかなり困難な場合があります。事前にレントゲンを撮影し、状況をお話ししてからの治療とはなりますが、根がどこか破折していたり、充填物が曲がって入っていたりする場合もありますので、数回に分けて丁寧に処置を行います。
極力保険治療でも白い被せ物を
歯科医師の工夫次第で、保険治療にてなるべく白い被せ物で治療を行う事も可能です。
小さい虫歯⇨コンポジットレジンにて
中くらいの虫歯⇨コンポジットレジン、CADCAMインレーにて
大きい虫歯⇨CADCAMクラウンにて
ブリッジ⇨一部の歯の組み合わせのみ白いブリッジが保険適応。それ以外は金属色を使用せざるを得ないです。
このような治療の組み合わせで行えば保険治療でもおおよそ対応可能です。ただし、材料としては柔らかめなので、歯ぎしりが強い、すでに噛み合わせが擦れていて厚みが取れない、被せ物がすぐに外れたり欠けたりしやすい方に対しては全て柔らかい材料で行うのはトラブルの原因となりかねませんので、相談が必要となります。
その場合は保険適応外のジルコニアなどを提案する事もあります。
患者様のご希望に合わせて治療内容も調整いたしますのでご安心下さい。
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御茶ノ水つばめ歯科・矯正歯科
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