北海道フロンティアリーグ/ファン・観客の増やし方を考える
はじめに
このnoteは僕の大学に来ていただいたHFL所属の球団職員の方からお聞きした話を一部入れて構成しています。あくまでも私見ですので様々な考え方がある事を承知の上でご覧ください。
⚠念のため⚠
止められるような話は無いつもりですが、問題等ありましたらご連絡ください。
HFLでは今季、観客数の公表を行っていません。
しかし、関係者の方は観客数不足、ファン不足は否めないと仰っていました。
ある球団では、
平均 97名
土日 200名(最大)
開幕戦 350名
観客数は隠しているわけではなく、公表する程の人数でない上、マイナスイメージが付きかねないからとのことでした。
正直僕は驚きました。
大変失礼ながらも、こんなに入っていたのかと。
土日は100名〜(最大)200名との事でしたが、土日で見るとBCLや四国ILには敵わくとも、昨年のNOLとはそこまで大きな差はないのかなと感じます。
ここで僕のデータ不足が出てしまいました、先述した球団以外の観客数が分からないのです。関係者の方は「大体変わらないのでは」と仰っていましたが…。
ファン・観客の獲得には地元での知名度が必要です。その為には地元のテレビ局や新聞社等のメディアと手を組み、(言い方を選ばなければ)上手く利用する必要があります。
しかし、ここで他リーグとの違いが出てきます。
「北海道はでっかいどー」
北海道のテレビ局は日本一広いこの北海道という土地を全てカバーしなければいけないのです。
滋賀も福井も石川も富山も地元テレビ局を味方につけると非常に強力なメディアとなるでしょう。
テレビ局でいうと滋賀では優勝時、びわ湖放送が少しスポーツニュースで取り上げてくれたようです。
では、関西広域をカバーしている読売テレビやABC朝日はどうだったでしょうか?そのサイズ感で考えて戴くと分かりやすいと思います。
一方の新聞社を見てみると、北海道新聞社が北海道シェアの約9割を占めています。
もちろん地元のケーブルテレビ等はありますが知名度を高めるほどの期待はできません。
つまり、知名度を高める為のメディアを味方につけるのはほぼ不可能なのです。
では、他リーグよりも一つ手段を失っている中で各球団どの様にファンを獲得しているのか?
ここの方向性は3球団、個性が出ます。
・士別
知名度のある人を積極的に採用
・石狩
札幌に顔を出しながら地域密着
・美唄
関係人口を使いながら地元密着
士別「知名度のある人を積極的に採用」
これはもう文字のままでブライアント元監督や、中村勝新監督をはじめとしたイトイグループさんのバックアップを使いながら知名度を上げていく方法。独立リーグ界では埼玉武蔵ヒートベアーズとの連携、元楽天・中村和希選手等3名の獲得などなど。
独立リーグのコアなファンだけでなく、地元のファンにも分かる人を呼ぶことで知名度を上げる方針だと感じ取れます。
石狩「札幌に顔を出しながら地域密着」
前にTwitterにて呟いた事がありますが、石狩市役所に勤めている職員の多くは札幌市民です。
つまり、地元のチームではないので市として本腰を入れた後押しをしてもらえません。
石狩球団のスポンサー(ゴールド・シルバー・ブロンズ)のすぐに確認できた5企業のうち2企業は札幌市の会社。そして、札幌市内のスポーツ用品店では石狩球団のポスターを何度も見かけました。
しかしあくまでもホームタウンは石狩市。
ファン感謝デーなどのイベントを石狩市内で行うなどしていますが、札幌市の企業にも支えられながら活動しているので地元密着ではなく、地域密着と表現に差を作りました。
美唄「関係人口を使いながら地元密着」
前提として、ここでの関係人口とは「ファンを含めたその街にルーツのない者」、いわば、よそ者を表します。
スタジアムDJや配信実況を務めるのは江別市出身の松谷遊夢さん。美唄市地域おこし協力隊として美唄市に入っています。
関係人口にあたるのは職員に限りません。たとえばBCLなどの他リーグ交流戦はほぼ美唄で行われています。すると道内の他チームファンや道外の他リーグファンが訪れ、場合によっては観光も兼ねます。美唄市以外の各ファンがお金を落としてくれると尚更チームの存在意義、市が支援する存在意義は増します。
支援も地元企業が多く、まさに地元(美唄)密着のチームになっています。
そしてこの3球団には通しての流れがあります。
それは北海道日本ハムファイターズの関係者を呼ぶこと。坪井智哉監督、中村勝監督、岩本勉氏。
知名度を高める方法が少ないかつ、保護地域も小さい各球団にとって、ファイターズ関係者は数少ない知名度を上げるチャンスです。
実際、ファイターズ関連の話では3球団とも民放やNHK北海道にてスポーツコーナーや特集で取り上げられています。
僕の友達にも「中村勝が独立リーグの監督になったらしいね」「岩本勉が独立リーグのアドバイザーになってたね」「北海道に独立リーグあったんだね」と言われました。
これを聞くと少しとはいえ知名度上がってるなと感じます。
ただ、球団の地域も知られているかと言われるとそれは違うかもしれません。北海道は179市町村ありますから道民でも市名が「聞いたことある」程度の人は多いです。
しかし、関係者や球団、リーグが数多く発信することで、誰々はどこだったかな?の疑問を、坪井=石狩 、中村=士別、岩本=美唄と、調べたらすぐに答えが見つかる形を作るのが大切かと思います。
すると、自ずと検索を深め、自ら足を運び、もう一度来場する。というサイクルは出来るはず。
そのサイクルを作り上げ、ファイターズ勢の仕事が一段落したところで各球団の手腕が問われると僕は思います。
今はいくらでもファイターズ勢に頼って構わないのでサイクルを作る。しかし、地元密着、地域密着になるためにはサイクルの波に乗り切らなければならない。ずっとファイターズに頼り、ファイターズ効果も無くなるような負の連鎖にならない為には、時間はそこまで長くありません。
以上。
あくまでも私見です。