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拘縮の発生状況と予防 〜急性期・回復期・維持期〜


拘縮の発生原因は、骨関節疾患、脳血管疾患など基礎疾患によって異なり、病態を把握し適切に対応することが大切です。

拘縮の予防について、脳血管疾患を中心に紹介します。


可動域制限の発生


関節可動域制限は急性期・回復期・維持期のすべての時期で発生します。

急性期における関節可動域制限は35%の者に認められ、肩・手・股・足関節に60%以上発生しています。

回復期・維持期では、関節可動域制限はほとんどの者に認められ、すべての関節で時間経過とともに増加傾向にあります。

急性期


急性期における拘縮の予防の基本は、良肢位保持、早期離床、関節可動域訓練です。

急性期にはベッドサイドが中心であり、座位や臥位でのポジショニング、介護方法などの情報交換が重要です。

片麻痺患者の例では、関節拘縮は肩関節屈曲・外転・外旋、膝関節屈曲、手関節・手指屈曲、股関節外転・外旋・伸展、膝関節屈曲、足関節底屈です。

不安定である肩関節は疼痛を起こしやすく慎重に扱う必要があります。急性期の拘縮の発生状況では、肩関節に50%程度関節可動域制限がおこっています。

回復期


回復期での拘縮の発生状況は、肩関節で最も多くて7割以上です。次に多いのが足関節で半数弱です。

回復期は、積極的にリハビリテーションプログラムが行われる時期です。片麻痺患者では痙性が高まる時期です。

活動量の増加により麻痺側は連合反応の影響を受けて、筋緊張の亢進、関節運動の制限、拘縮へと陥りやすいです。

この時期に患者に過度の努力をさせないように、ADL場面での患者の状況に応じた介助方法や介助量を共通の認識をもって接することが重要です。

維持期


維持期の拘縮の発生状況は、回復期と同様に肩関節と足関節に多く、肘・手・股関節の制限は4〜5割の患者に認められます。

維持期における拘縮予防は、施設や在宅でのADL能力、活動性の維持と改善が重要です。

生活パターン、ADL動作パターンを把握し、患者指導、家族への介護指導を行います。

それらのかかわりが筋力や関節の柔軟性の維持・改善といった予防につながります。

まとめ

・拘縮は急性期・回復期・維持期のすべての時期で発生する。
・ADLや動作パターンを把握し介助法・介助量を設定する。
・リハビリ職、看護師、介護職などで常に情報交換をして連携する。
・在宅では、患者指導、家族指導も大切である。


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