高円寺・小杉湯『パパママ銭湯』の今後について、お知らせです
『パパママ銭湯』も開始から5年を迎えました
2019年8月から始まった高円寺・小杉湯での『パパママ銭湯』も今年で5年を迎えました。多くの人にご参加いただき、誠にありがとうございます。
2023年2月に定期開催を再開して以降、多くの方に足を運んでいただき、近所に住んでいるわたしから見ても、「小杉湯さん、子ども連れが増えたなあ〜」という印象になりました。
こんなふうに「小杉湯はベビー・キッズウェルカムな銭湯なんだ!」と感じてくださる人も増え、『パパママ銭湯』をやっている場所、として少なからず認知に貢献できたのではないかと思っています。
一方で、運営体制の変化もありました
ピーク時には30名ほどボランティアのメンバーが参加表明をしてくれていたのですが、開始5年が過ぎ、それぞれのライフステージの変化や、わたし自身の持病などもあり、安定したサポートメンバーの確保が難しい時期もありました。
そんな時期には小杉湯さん側で事務局を担ってもらい、運営をサポートしていただくなど、本当に相互に助け合える、よい関係が作れているのはありがたく思っています。
ただこれは、逆を返すと「小杉湯さんの手を借りないと、わたし一人では安定した運営がしきれなくなってきている」ことのあらわれだとも思っており、力不足を感じることもありました。
わたし自身の環境の変化もありました
もともとのパパママ銭湯の始まりとしては、わたし自身が「子どもを産んで、銭湯から遠ざかっているのがさみしい」という思いから始まりました。
ありがたいことに、開始当時は1歳だった娘も来年は小学校へ上がり、誰かに面倒を見てもらわなくても、ある程度は自分で自分のことができるようになりました。
そういった環境の変化もあり、母であるわたし自身がのんびり銭湯に入りたい!というよりは、「銭湯を通じて、子どもと地元の地縁を作りたい」ほうにフォーカスが移っていき、銭湯との関わり方がまた少し変わってきたのかなというのを感じています。
2024年いっぱいで定期開催を終了します
そんなふうに、運営面の変化と、わたし自身の環境の変化が合ったこのタイミングで、様々な議論を経て出した結論が、「2024年いっぱいで『パパママ銭湯』の定期開催を終了する」です。
個人的に、どんなことでも「いつ・どのようにやめるか」は大切にしていて、このままピントがシャープに合っていない状態で運営を続けるのは、お互い厳しいな、という正直な気持ちがありました。
また、小杉湯さん側がハード面・ソフト面ともにベビー・キッズウェルカムな銭湯として状況を整えてくださったこともあり、もしかしたら、以前から感じていた『パパママ銭湯』というイベントがいらない、子どもが銭湯にいるのが当たり前の景色、というのに近づけているのではないか、と感じていることもあります。
個人的な感覚で恐縮なのですが、『パパママ銭湯』を始めたときに比べて、子どものにぎやかさを受け入れてくれる空気感というのが、本当に増えたということ。
自分に子どもがいるのでわかるのですが、子どもってうるさいんですよね。目が離せないし、注意することもたくさんあるし、子ども自身がまだまだ知らないことだらけで、教えることもたくさんあるんです。
でも、日常で娘と小杉湯に行ったとき、「子どもと並べたほうがいいでしょ」とカラン前の場所を譲ってくださる方がいたり、わたしが行き届かない場面で娘に声をかけて「それはしちゃいけないんだよ」と注意してくれる人がいたりと、単に「うるさいから顔をしかめてその場を離れる」のではなく、子どもに関わってくれようとする人が増えたな、と感じます。
これは子育てをしている身としては、本当にありがたいことで、また、両親以外の大人と関わるきっかけがあるのも、子どもの成長につながっていると感じています。
こうした変化を感じられたのも、『パパママ銭湯』をいったん終了させようと決断できたことに大きな影響がありました。
これは、小杉湯さんを始め、小杉湯さんに通う常連のみなさまのご協力あってこそだと思っています。子どもを受け入れてくださって、本当にありがとうございます。
2025年以降の活動は未定です。が……
そんな感じで2024年9月・10月・11月・12月の開催をもっていったん終了する『パパママ銭湯』ですが、ここで得られたサポートのみんなや小杉湯さんとの縁は、これからも大切にしていきたいと思っています。
今後は単発イベント的に子ども向けの銭湯企画をやることがあるかもしれないし、わたし自身も、娘が小学生になって改めて「こういうことがやってみたい!」という気持ちがわいてくるかもしれません。
そんなときに、「いいじゃないですか!やってみましょうよ!」と小杉湯のみなさんなら言ってくれる。そういう、地元の心の拠り所としての存在を得ることができたと感じています。
このあたたかさを、より多くの人にどうやったら届けられるんだろう?と悩み続け、考え抜くことがわたしの使命だとも感じています。今回の終了はあくまでひとつの区切りであり、新しいかたちでの関わりのスタートです。
小杉湯さんも我々も、変化し続けています。
でも、一方で絶対に変わらないのは、小杉湯さんは「きれいで清潔なお風呂に、あたたかいたっぷりのお湯を沸かして待っていてくれる」という信頼感です。それって本当に簡単ではないことで(小杉湯さんの深夜清掃体験をしてみた実感でもあります)めちゃくちゃありがたいことなんですよね。
そしてそこに集まる人のあたたかさ、というのを保つのも本当に簡単ではないことで、これはひとえに小杉湯さんの日々の運営の賜物だと感じています。単なる思いつきだった『パパママ銭湯』に居場所を与えてくださり、ありがとうございます。これからも子どもと通っていきたいと思います。
と、いうことで、いったんの終了を決定した『パパママ銭湯』ですが、小杉湯さんで開催しているイベントだけが『パパママ銭湯』ではありません。Twitter(現X)で「パパママ銭湯」と検索してみると、あちこちで開催されているのがわかるのですが、
というスタンスは変わりませんので、わたしになにかできることがあれば、いつでも馳せ参じます。
これからもお気兼ねなくお声をかけていただければと思っています!
では、またどこかで!