自分を見つける バックパッカー
今回は私の昔話になります。社会人前くらいの人生に不安をもった若い人たちに少しでも役立つことができればと思います。
あれはもう20年以上も前の事、ダイアナ妃が交通事故で亡くなった1997年、まだEUROの統一通貨もまだなかった頃の話です。私は緊張からくる微熱をよそに深夜の東京八重洲口、高速バスのバス停にひとり立っていました。どうしてこんなことをしたのだろう?小説「深夜特急」の影響かはたまた当時はやっていた猿岩石の影響か。
その時の自分はどうしてバックパッカーをしたのか、その後の人生にどのような影響を与えたかをお伝えしたいと思います。
私はおそらく普通の人より自己肯定感が低い人でした。普通の家庭で育ったと思っています。前世で何かあったのかは知りませんが、小さい頃から寂しさの中で強く生きていくということが無意識の世界で存在しました。いわゆる修行僧みたいなものといえばわかりやすいでしょうか?
私は大学生になり、大人になっていく自分に不安を感じていました。特に取柄もなく、もちろん友達はいましたが、一生の友達というわけではなく、そうなる前に自分でバリアを張ってしまい相手の懐に入っていけない。そんな人間でした。そして寂しい思いをしてその中で強く生きることが自分の命題であるかのような無理な生き方をしていました。
少なからずこういった感覚の持ち主はいると思いますがそのうちの一人でした。そこで何かをしなければいけないと思い、それがバックパッカーでした。自分が置かれている状態がいかに恵まれていて、世界の人がどれだけ一生懸命生きているのか自分の感性に訴えかけないといけないと思いました。それが飛行機にもろくに乗ったことのない若造が飛行機を使わずにヨーロッパまで行った理由です。もちろん、小説のようないつ帰国するかわからない旅ではなくなるべく安全でおおまかな旅程を立てたのでいわゆる本物の何年も旅するバックパックとは違うかもしれませんがその時はまさに清水の舞台から飛び降りる気持ちでしたし、自分を肯定するための唯一の手段のように思えました。
具体的なバックパッカーの旅で起きたハプニングや出会いについてはいつかは文章にしてみたいと思っています。
さて、では実際にバックパッカーとして旅をして何がえられたか?
人によって感じ方は違うと思いますが私の場合は
・自分の力で自分の壁を越えた達成感
・今まで思っていた常識が常識ではなかったことが分かった
・様々な人に会い、様々な考え方、感じ方を知った
・思っていた以上に世界の人は一生懸命生きていることがわかった
最後の二つを探しに行ったのですが、結果、一番大きく重要だったのは自分の力で自分の壁を越えた達成感でした。帰りは飛行機で帰ったのですが飛行機が離陸した瞬間、涙が溢れてきたのを覚えています。
この経験は就職活動で好評でした。大人にとってやりたくてももうできないことだからです。就職氷河期であったにもかかわらずすべて内定をもらいました。
そして現在はというと仕事の関係で海外に住んでます。この経験は自分の中では数少ない自己肯定できる成功体験になっています。何か辛いことがあっても心のどこかでこの経験が間違いなく支えになっています。
バックパッカーは気力さえあればできます。
今、思い悩んでいる若者たち!お試しあれ!!