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初めての凍結胚移植
びっくりするぐらいバタつく日が続き、花粉症も加わり(これは言い訳)いよいよ現実の時間軸に近づいてきたと言うのに、更新が怠っているせいでまた少しずつ引き離されていく....
来る2月5日土曜日は、朝からそわそわして全く前夜も眠れず、花金だったと言うのに流石に母になる自覚を芽生えさせないと思ったのか前日ノンアルで乗り切る。朝11時にまず病院に電話をして、融解胚の状態を確認するように言われ、恐る恐る電話をしてみると問題ないとのこと。時間通りに来てくださいと言われ、ひとまず胸を撫で下ろす。
おしっこを溜めるように指示された事がどれぐらいのレベルのものか分からず、朝は普通にして、時間が近づいたら水をがぶ飲みすればいいかと思い込み、普通に過ごすことにした。この日からトミロンという感染症を抑える薬を3日間に渡り飲み始める。
結局ソワソワが収まらず、言われた通りの持ち物を何度も何度も確認していよいよ13時20分に病院へ出陣。もうこの時から謎の絶対母になれる確固たる自信のもとルンルンのスキップで病院へ。側からしたら相当怪しい人だったと思う。
そうこうしてる内に、未知の体験への恐怖心が絶頂となり、こわばる体に「この病院着は前回採卵の時も着たし、大丈夫だよ」と自分に言い聞かせる。やがて名前が呼ばれ、新生児の部屋を通って処置室へ。そこにはとても神聖的なかわいい子たちが眠っている。もし何回もうまくいかなかったら、ここを何回も通ることになるのかとかいらん事が頭をよぎる。
ブリカニールという薬(後にこれが痛み止め的な役割を果たす呼吸を楽にする薬だった事を知る)を2錠飲み、いざ本番へ!!!
採卵時と同じ部屋へ通され、慌ただしく準備を始める医師と看護師さん。足をベルトで固定され、緊張が絶頂に。前回同様筋弛緩剤を待っていると、その気配がなく、「え?まさかシラフで敢行されるん?これ。こんな無音無機質空間で?」とややパニック状態へ。
そんな事もなんのそので「おしっこ全然足りないので食塩水200ml入れますね」と事務的に伝えられると、やがて尿道に管を通され大量の食塩水が押し込まれる。この尿道への管がシラフ状態では激痛である。そしてもしこれがおしっこを溜めて来てくださいという次元の量なら朝から常に漏らすか膀胱炎になるかの瀬戸際をずーっと我慢しなければいけないぐらい苦痛な状態。
待って。こんなの聞いてない。
たまらなく破裂しそうな膀胱をエコーが強く行き来する。するともう一人の医師が膣内へ管を通し、何かを唱えながらおそらく胚を入れているところだろう。一瞬とは程遠く、みんなのブログに書いてるようにエコー画面を覗く余裕など到底なく、ただただ想像の5倍ぐらい強い痛み+破裂しそうな膀胱の不快感にひたすら耐える。時計を睨みながらひたすら...
ほじくられている子宮の奥がとても痛いのだ。誰だ、胚移植は痛くないって書いた人は。たまたまこの先生が下手くそなのか、それとも私の膣内の形が変なのか。はたまた緊張しすぎてるから敏感になっているのかは分からないが、子宮の奥底をほじくられる不快な痛みは続く。
時間にして20分ほど経ったところで手術は終わり、やがて解放される。と思いきや丁寧に食塩水を抜いてくれる工程へ突入。正直いますぐ解放されてトイレへ駆け込みたい。そして尿道に管を通したせいで、尿道に傷がつき、トイレへ行った後も排尿のたびに痛みが伴うスキルを習得してしまう。
なんだろこれ。
まるで母になる覚悟が本当にあるのか?と試されているようだ。「生」に対する誠意はある。から愚痴愚痴言うのは良くないのは分かっている。が...
15時ごろには解放され、幸い土曜日だったのもあり、仕事的には無傷。なんだかフラフラするし、股間に違和感もあるし、薬を処方して帰る元気はなく、とりあえず早く家に帰って横になりたい一心で歩いた。時々お腹をさすりながら。すっかり気持ちはもう妊婦だ。
私は今日から妊婦だ。
明日からマタニティマークつけていいか?
メンヘラでもなんでもいい。先程の痛みなど綺麗さっぱりすっかりどこかに飛んでいき、ただただ前向きなルンルンな気持ちで溢れる土曜日午後。
そうニマニマしながら、無償に普段食べないカツサンドが食べたい気持ちをつわりかのように嬉しく思い、薬をもらいに行かないくせに、周辺のパン屋を物色しカツサンドを手に入れて家へ帰還。
もう一度言う。気持ちはすっかりもう妊婦だ。
私は今日から妊婦ステージへ突入だ。