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胚移植までの道(ホルモン補充周期後編)

ちょうどエストラーナを貼り始めて2週間が経った頃、
痒みが出だす人もいるらしいのだが、幸い私は特にかぶれる事もなく全治療の中で一番無害と言ってもいいぐらい気にはならなかった。

それでも病院の診察で内膜が7.5mmと知らされる。
基本8mmを超えないと移植はできない事は知っている。
なんたって、前回自然周期でも7.5mmでたったの0.5mm足りないだけで、移植を見送られ、高価な薬漬けホルモン周期に切り替えられたんだもの。

またか。
しかも毎回0.5mm不足…
と非常に肩を落としていたら、もう何日間テープの期間も量も増やそうと提案される。なんだあ…ホルモン周期って言うのはそういう操作もできちゃうのか。と感心。

自然周期だと排卵は待ってくれないので、
内壁が厚くなるまで遅らせるなどできない。
この頃またWEB検索症候群が発病し、色々と漁りまくっていたら、病院によってまたは年齢によっては、6.5mm以上で移植を許可する所もあるらしい。

ならばいいじゃないか!
まだ30代半ばだし、それでも着床の可能性があるのだから、
機会損失の方がショック度合いは大きいのだから、チャレンジをしてくれよと願うのだが、おそらく不妊治療を行う上での病院側の倫理としては、

「無駄金使わせない>機会損失」


もちろん専門クリニックで専属医がいる場合はそれぞれの都合に合わせてプランを企てるのだろうし、年齢によっても優先順位は変わるのだろうけども、大海原的に見ると全体像としては、この卵ちゃんが無駄にならないように、無駄な費用が発生しないようにと言う病院側の思いが強い。決断をこちらに問う事も委ねる事も聖路加病院はないようだ。大学病院だし、全てが経験通り・ノルマ通り。誰が診察しても基本は一緒というスタンスが、通ううちに物足りなくなっている事は明白だ。こちらの素人だって徐々に自我が芽生え始めるのだから。赤ん坊から少しずつ知識を叩き込まれ、掴み立ちし始めるのだから。あれよこれよちょっとした不満が出て当然だ。焦りを秘めている以上、完璧なんてあり得る訳が無い。病院も大変だ。最初からいちゃもん付ける気満々なホルモン漬け野郎を相手にしているのだ。

やがて延長された日々の合間にやってきた採血日でついに
「8mmですね。いいですね。では移植日は2月5日にしましょうね」と。

きたー!!!!!
ついにきたああああ!たぎるぜ。

思わずガッツポーズを決める。
ここまでの道のりは半年とちょっと、
もちろん人によってはそんなんで、
まだまだだって思う人もいるだろう。
私の中では、ようやく最初の結果に辿りつけた喜びがとてつもなく溢れ出ていた。名付けて「ファーストリザルト」だ。

やかましいわ。
いや、ファーストリザルトデーは2月5日。
でかしたぞ、わたし。

そこからはすぐに未知の膣剤「ルティナス」との出会いが始まった。
1日に3回、決まった時間に自分で膣内に黄体ホルモン錠剤を入れる。
1日3回8時間おきというのが難しく、
私は仕事上朝が遅く夜も遅いので、
寝る時間などを考えると朝昼夜というルールに囚われず、
朝9時・夕方5時・深夜1時の3回にした。

そうすると昼(夕方)の1回だけを会社でやる事になる。
もう気持ちがファーストリザルトに完全に向かっているので、この頃はこの作業を苦に思う事もなく、希望に満ち溢れていた。

何日か経つと、
溢れ出てくる薬の残骸や漏らしたかのような大量のおりものと戦う大変さを知り、いやはや本当に不妊治療するみんなを尊敬する気持ちでいっぱいになる。お尻びしょびしょになりながら日々会社で通常業務をこなすのは、まあまあ不快感に溢れる。そしてホルモン補充だからやはりメンが少しヘラヘラしてくる気がするのよね。ホルモンバランスがこう…拗らせていく感じがなんとも不快よ。

それもこれも、
愛すべき2月5日のためならどうって事ない!
まだ戻してもないのに、早まる気持ちを抑えきれず、
本屋で妊娠本を買う衝動にまで勝手出る。

そして…
いよいよ本番の日!

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