初めての採卵結果
採卵日翌朝10時頃に病院に電話し、
いくつ受精したかを確認する必要があった。
しかし昨日のダメージをまだ体が引きずっているせいか、
普通にお腹が痛いのも張ってる感じもまだこの時は
さほど緩和はされてなく、夜遅くまで働いたせいもあり
朝からどっと疲れが込み上がる。
今日が休みで本当に良かったと強く安堵したのを覚えている。
恐る恐る病院に電話をすると、
13個取り出した卵子のうち、
9個受精したと。
そのうち8個が正常受精とのこと。
正直この時、
内心「ああ。10個超えなかったのだ」と
なぜか条件反射的に思ってしまった。
よっほど採卵という工程をもうやりたくないんだなと。
また今期たくさん取れたせいもあり、
新鮮胚の移植をせず、全て凍結し次期以降移植とのこと。
そして胚の成長を確認するために、
月曜日にもう一度来院するように伝えられる。
ここに来て、いきなり言い渡される来院日程には慣れたが、
内心採卵が終わったんだから、会社のみんなに迷惑かけた分、
月曜日から頑張るぞ!という気持ちを
速攻打ちのめされる事への小さな苛立ちが。
月曜日11時ね。はいはい。
しょうがないけども、月曜日ねえ。。。
そしてこの時になると、
相性がいい先生、少し苦手な先生が分かれ始める。
聖ルカは基本担当医という概念がなく、
その日その日当直の先生がカルテを見て、
義務的に段取りを進めていく印象が強い。
そしてこの日は、
あまり得意ではない若くて綺麗で
少し無愛想でどこか心許ない先生だった。
結果として、
グレード2:2個
グレード3:5個ぐらい
グレード4:1個
とのことだった。
その内グレード2は即凍結とのこと。
残りのグレード3、4は追加培養して、
5日後時点で凍結していいレベルまで成長したら
そのまま凍結されるとのことだった。
先生が苦手なあまり、
(いや絶対説明下手だと思うが)
説明の意図を勘違いし、
初めてということもあり、
この時8個も取れたのに、え?2個しか凍結できないの?
と凄くショックを受けたのを覚えている。
とりあえず追加質問する気も起きず、
来る土曜日の追加培養の結果を聞きに、
また病院に行かないといけないのだから、
今はいいやと思い、病院を後にする。
そしてこの時もう一つ聞いてないよ!事件があった。
卵子を凍結するのに当たり前に費用がかかるのだが、
(もちろん1個あたりの保存費が更に別途かかる)
いい卵だと判断されたら病院側の独断で凍結へと回され、
残りを追加培養し、もし条件満たせば再度凍結するということになっている。
もちろん効率を省みてのことだ。至極当たり前ではあるが、
そうなると、凍結費用が2回かかる事になる。
・凍結行為で1回3万円 + 凍結する数x5000円
・追加培養行為で1回3万円
・追加培養で得た受精卵を凍結する場合再度凍結費用3万円+凍結する数x5000円
上の費用を全部入れると既に53万円。
ちょっと待って、まだ体内に戻してないのに、
この金額って…
割とノンストップで順調に来たのに、
誰だ一通りやると50万円ぐらいでいけますって言った人は。
と心の中でぶつくさぶつくさ思うのであった。
5日後の診察では、
前回の勘違いを引きずったまま
期待せずに行ったら、
追加培養も全てうまくいき、
新たに6個を凍結することになり、
全部でなんと8個の受精卵の完成とのことです!
おおおおおおお!
上出来じゃないか!!!!
8回もチャンスがあるってことだな?
ちょっと若い先生、びっくりさせるなよ。
いやはや、とても安心したのであった。
この日に追加されたEGGSたちは、
既に凍結された2EGGSとは異なり、
5日胚ということで、
受精して5日目まで細胞分裂が成長した成熟胚ということになる。
またそれぞれにもランクが振り分けられていて、
4AB x 1
4BA x 1
4BB x 2
3BB x 1
3BC x 1
ということのようで、
グレードの数字は胚盤胞の発育段階を示していて、高い方がいい悪いではなく
成長度合いを示すものである。
またアルファベットのABは、
内細胞塊(胎児になる部分)と栄養外胚葉(胎盤となる部分)
それぞれのグレードを示すもので、
AAが連なっている方が良いということになる。
ひとまずあと戻すのみ。という所まで来た。
この時ばかりは、採卵の恐ろしさを一瞬忘れる事ができた。
この頃になると、
母になる事への前進による希望溢れる気持ちと
治療の見通しの悪さ、先行き不透明すぎることや
想像を超える身体への負担からの恐怖心が
日々行ったり来たりする。
みんな、
こんな気持ちで不妊治療しているんだ。
と思うと、社会的にもう少し不妊治療を
する女性への寛容な気持ちがあってもいいのではと
そしてもう少し情報が透明化している世の中へと
少しずつ変わることを切に願う。