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もう一人の主人公

物語のもう一人の主人公とはすぐに打ち解けることができた。
お互いに車好きだし、お酒好きだし、
何より家が徒歩3分の距離にあった。
そんなことある?出来過ぎと思うぐらい
今まで行けなかった近所のお店へ連日足繁く運ぶことになった。
そして恋人同士になるにはそう時間はかからなかった。

基本毎月出張やら旅行やらで、
どこかの国へ飛んでいた私は、
この頃には既にコロナの影響を受け、
それらが全てダメになり、会社も在宅メインが続いた。
自分で言うのもなんだが、私はとにかく落ち着きがなく、
1ヶ月飛行機に乗れないと病むぐらい各国を飛び回ってるのが好き。
その上に、毎回彼氏を作る際はどことなくこじつけてまずは海外へ一回連れ出す。
そう、海外免疫がない人とは、付き合えないのだ。
おまけに出会って間もない方と今まで一度も付き合ったことがない。
あれやこれ並べてみると、なぜこの歳まで独身で来たのか、
全然不思議にならないぐらいめんどくさい女だなと自分で納得する。

今度は知り合って間もないし、業界もまるで違う。
海外なんぞも連れて行けない、そしてコロナでお互いずっと家にいる。
つまり、恋人同志とほぼ同タイミングで半同棲が始まった。
なんじゃこれ、展開早くないか。大丈夫かいな。

これまで付き合ってきた方々とまるで違うタイプの相棒Kは
この時から率先して洗濯・掃除・洗い物をしてくれていた。
それにすら疑心を頂き続けた私だが、3ヶ月が経っても特に綻びも見当たらず、
色々とネガティブな要素を並べてみても、なぜか居心地は良かった。
隠し事をせずになんでもすらすらと相談できるようにもなっていた。

そして、この頃ぐらいから決して若くない私たちは、
あえて話し合いの場を設け、互いの結婚への意思や
その後のビジョンや価値観・家族子供への考え方を語り合った。

と同時に、私は重要なことを彼に伝えなければいけないと決心をする。

そう、私は可能なら子供が欲しい。
ただし100%自然妊娠が不可能なのだ。


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