中国の豪雨が気になる
三峡ダムが決壊?んなわけないだろ、とは思ったが
先週Twitterを見ていたら、私のタイムラインに以下のようなツイートが流れてきました。
「三峡ダムが決壊するかもしれない」との一文を読んで「そう簡単に決壊するわけないだろ」と思ったものの、「まさか・・・」と考えると一瞬ヒヤリとしてしまいました。
三峡ダムとは、中国の長江流域にある世界最大のダムで、高さ185m、幅(堰堤の長さ)は約2.3km、ダム湖の長さは約660kmで圧倒的な貯水量を誇ります。
三峡ダムが決壊するかもしれない、ということはその上流域が豪雨に見舞われていることになりますが、6月30日時点では、日本国内では中国の豪雨に関するニュースを報じているのはわずかにとどまります。
ヤフーニュース(報道元はJBPress)が、長江の大洪水に関するニュースを報じたほか、日テレNEWS24が中国の大雨による被災者が1300万人を超えたことを報じています。
なお、Twitterで「中国 洪水」と検索すると、中国各地で洪水に見舞われている画像や動画がたくさんアップされています(各自で参照してみてください)。
しかしながら、中国当局は洪水の被害状況をアップした人を逮捕する方針でいます。
参考:Share News Japan
要するに行っていることは言論統制であり、世界にこの情報が流れないようにしているとみられますが、ネットが広まっている現代においては、完全な言論統制はほぼ無理でしょう。
ただし、ネットで得られる情報はあくまでも断片的なものであり、公式の発表がないと中国の豪雨や洪水の全貌をつかむことができません。
ところで、三峡ダムが決壊しないにせよ、長江の流域で大雨が続いている以上、上流域からの流れをそのままダムに貯めておくわけには行かず、結局のところ放流せざるを得ない状況に追い込まれているはずです。
ただ、この文章を読んできた人にとっては「中国の話で日本には関係ないでしょ」と思うのではないでしょうか。
しかし、中国各地で大規模な洪水が発生してしまうと、日本の経済にも何らかの影響が生じる可能性も十分に考えられます。
三峡ダムが決壊したら?
世界最大のダム、三峡ダムが万が一決壊した場合、いったい何が起きるのでしょうか?Twitterで三峡ダムが決壊したときのハザードマップを見つけました。
このハザードマップの通りだと、長江下流域、そして長江から遠く離れている場所までもが水浸しになってしまいます。ちなみに、三峡ダムの下流域には武漢、南京、上海といった大都市があります。
特に、武漢は今年に入ってすぐに新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われて都市封鎖が行われたばかりですが、それに引き続いて三峡ダムが決壊してしまったら、まさに「泣きっ面に蜂」のような状態になってしまいます。
中国の豪雨被害が拡大すると日本経済にも影響?
これらの都市が洪水の被害を受けてしまうと、中国の経済が壊滅的な状態になることも考えられます。工業生産がストップして中国の工業製品が輸出できなければ、日本での商品供給にも影響が出る可能性も否定できません。
さらに、流域の田畑が全て水没してしまうと中国の食料生産に影響が出ることとなります。日本は中国から玉ねぎや豆類、タケノコなど、多くの食料を輸入していますが、中国の洪水が原因で日本の食料調達に影響が生じたら目も当てられません。
現状、中国の洪水に関する情報はわずかにとどまっており、その全貌を理解するためには海外のソースに頼らざるを得ない状況です。
しかし、三峡ダムの決壊、または大規模な放水によって武漢、南京、上海など下流の大都市が大規模な洪水被害を受けた場合には日本のメディアも報じるのではないかと読んでいます。
ひとまずは中国の豪雨による洪水被害がこれ以上広がらないことを、そして、洪水被害による最悪の事態が起きないことを祈るばかりです。