デング熱について知っておきたい

東南アジアでデング熱の発生が増加中

新型コロナウイルスの感染は世界各地でいまだに続いています。収束の気配はなかなかみられない状況で、100年ほど前に世界的に大流行したスペイン風邪と同様、新型コロナウイルスも第2波が訪れるのではないかと心配する声が相次いでいます。

新型コロナウイルスが収束の気配を見せない一方で、東南アジアを中心として感染が広がっているのが「デング熱」です。

特に、今年はタイやシンガポールなどでデング熱の流行が広がっています。

在シンガポール日本大使館によると、シンガポールにおけるデング熱の発生件数は今年6月29日の時点で1万4000件を超えており、過去最大を記録した2013年の2万2170件を上回る可能性があるとしています。

参考:在シンガポール日本大使館 デング熱の発生数増加に関する注意喚起

デング熱とはデングウイルスによって症状が発生する病気で、蚊によって媒介されます。

デング熱が流行しているのは熱帯の地域がほとんどで、タイやシンガポールなど東南アジアの国々では毎年のように流行しています。特に発生しやすいのは熱帯の雨季にあたる時期で、日本では夏頃となります。

デング熱の主な症状としては、以下のものがあります。

・急激に発熱し,2~7日発熱が続く 
・重い頭痛(特に目の後ろが痛む)
・関節痛や筋肉痛
・皮膚の発疹
・悪心,嘔吐
・鼻や歯茎からの出血
・あざができやすくなる
(引用:在シンガポール日本大使館)

なお、デング熱はウイルス感染者の8割が無症状であるほか、ほかの症状が出ずに発熱だけで済むなど、軽症の場合もあります。

ただし、ウイルスに感染した人の約5%の患者は重症化して、場合によっては死に至ることもあります。

デング熱は熱帯の地域で主に流行する病気であることを先述しましたが、日本では2014年、約70年ぶりに国内感染が確認されたほか、2019年にも国内感染が発生しています。

これまで、日本でデング熱が発生したのはごく少数にとどまっていること、また、現在は新型コロナウイルスの感染の影響もあり、海外から来日する人が少ないことも踏まえれば、日本でデング熱の感染が広がる可能性は少ないと考えます。

しかし、予期せぬ事態が起きかねないのが2020年の特徴と言っても過言ではありません。

デング熱の予防と対策

念のため、デング熱の対策方法を知っておきたいところです。
対策としては以下のものがあります

・蚊を見つけたら殺すこと
→殺虫剤・蚊取り線香・電気蚊取り器を使う、手でたたく

蚊が寄りにくいようにすること
→虫除けスプレーの使用、蚊帳(かや)や網戸を設置
→可能であれば長袖などの服を着て皮膚をできるだけ隠す
→サンダルを履かずに靴を履く

・蚊を増やさないこと
→蚊は小さな水たまりがあるだけで増える
→水がたまっている場所をなくする
対策
・バケツや鉢皿、プランターなどに余計な水をためない
→たまっていたら水を捨てる、使わない道具は水がたまらないようにひっくり返しておく
・排水溝や雨どいを掃除しておく

・蚊がひそむ場所をなくする
→蚊は草ボウボウの場所にひそみやすい
対策
→こまめに草を刈る

デング熱の対策方法は、蚊を増やさないこと、蚊を見つけたら殺すこと、蚊を寄せ付けないことです。地味な方法ではありますが、現時点ではこれらの方法が最も有効です。

日本ではデング熱の発生はほとんどみられませんが、蚊はデング熱以外の病気を媒介することがあります。念のため、今年は蚊の対策にも留意しておいた方が良いかもしれません。


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はるぞらの令和観察
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