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初音の裏殿・第三巻「深慮遠謀」2年越しで遂に脱稿

令和6年6月5日、早朝(深夜)、「深謀遠慮」遂に脱稿

 6月5日の(早朝)深夜、初音の裏殿~第三巻「深慮遠謀」~を脱稿しました。ページ建てで、648ページ(400字詰め原稿用紙で1,312枚)ですので、長編小説2冊分です。
 最後の10数ページは、金吾の乳母、玉枝が金吾に看取られて亡くなる場面を記述したのですが、書きながら涙が止まらなくなって、大変でした。「破天荒解」~初音の裏殿・第二巻~ 主な登場人物相関図に記載の通り、玉枝は、嘉永元年4月6日に亡くなります。玉枝は、最後の最後に、自身の秘事を金吾に打ち明けて亡くなります。
 玉枝は、太閤鷹司政通をして「今紫式部」と言わしめたほどの教養の高い女官でした。主人公宇良守金吾は、産まれてすぐに玉枝に育てられ、朝廷・内裏の風雅な作法やしきたり、和歌、物語など多くの知恵と知識を金吾に伝えたのです。
 また、金吾は、江戸の剣客「中西道場の三羽烏」と言われた白井亨から「天真白井流」の奥義の全てを、たった二年で習得しました。特に秘中の白井流手裏剣術を伝授され、自在に気をコントロールでき、剣と棒手裏剣の達人となったのです。

初音の宿・団子坂上の風景

 春・夏・秋・冬の長編歴史小説四季四部作を書いているときも、涙が溢れてしょうがないということがありました。書いていて、その先から涙が溢れて止まらないというのは、実に不思議な話なのですが、今回もそのようになりました。
 今回の書き下ろしは、丸2年間かかりました。本当に辛かったです。
 当然、書き下ろしなので、書籍になっていないので、一切収入はありません。
この後、校正をして、文章を絞り、冊子の編集・レイアウトを始めますので、上梓は、10月か11月になると思います。同時作業で、リーフレットや電子除書籍版(EPUB版)も作成します。全てが独り作業なので、上梓まで時間が掛かりますがご了承ください。

第三巻のタイトルを変えました

お借りしたイメージ写真

 当初のタイトルは「愛別離苦」という予定でしたが、書き進むにつれて、この第三巻は、当初計画した内容から大きくかわりました。
それは二つの方向付けの変更でした。

 その一つは、
 物事の本質を知りたい方々や若者達が目覚め、日本の将来を正しい道筋に変えてほしいという筆者の強い思いが更に高まったからです。
 金融グローバリストに完全支配されたマスコミが垂れ流す、誤情報・偏向報道によって、日本人の多くは思考力まで捥(も)ぎ取られてしまいました。このままでは、近未来の「日本・日本国民」の活力は失われてしまいます。
 次世代を担う若者達の進むべき方向まで歪められ、先の見えない状況となっていますが、このままでは未来はありません。気付いたときは、「精神の内堀」まで埋められて、身動きが取れなくなってしまいます。
 彼らと戦い、一矢報いるためには、ホンの5%、いや4%の日本人が覚醒し、纏まれば日本は変わるのです。
 残念ながら術中に嵌まって仕舞った、「豆腐脳」に陥った多くの日本人には、期待出来ません。

汚辱にまみれた歴史を見直せ

龍雲院

 「世界は嘘と汚辱」にまみれています。利権獲得・権力維持のために二枚舌三枚舌を使い、一切責任を取らず、逃げ延びようとする姑息な奴らは、日本に留まらず、世界にはごまんといます。
そしてもっとしたたかな悪人は、その正体を見せずに、我々の生活権、生存権を囲い込み・奪取しようとしています。
 というわけで、新興日本を創る方たちへ、生きる為の戦略戦術、情報取得・人的ネットワークの大切さを 「深謀遠慮」~初音の裏殿・第三巻~に織り込み、第三巻の主題の一つと定めました。
三巻には、永続的な事業を興すための「しくみ」をどう組立、どのように運営していくかということが、詳細に記載されています。
 指導者として宇良守金吾がどう考え、行動し、どのように情報収集していったのか、金吾の活躍から、しっかり読み取って貰いたいとおもいます。
混沌とした「今」をどう生き、どうすれば道が開けるか物語から解って貰えるでしょう。

 二つ目は、金吾の出自をより詳しく知ってもらうためです。金吾の特別な出自は、この三巻で、はっきりと解っていただけると思います。
 そのためかなりマニアックな記述もありますが、敢えて拘って記述しました。
というのも、第三巻「深慮遠謀」では、朝廷の血脈と歴史、天皇と公家、公家の中での身分制度などの土台部分が判らないと、主人公金吾の立場が明確になりませんし、幕末の「尊皇攘夷」の表面的な部分しか理解出来ないのです。従来の幕末歴史時代小説に希薄な部分です。
 屈折した公家達の思考、狭い環境の中でしか物事を考えられない、彼ら達に対し、この先金吾がどのように立ち向かっていくのかが解ると物語の醍醐味が倍増します。

内裏

単純な高揚感だけを求めて歴史小説を読むな

 一部分だけを切り取った、作られた幕末の英雄達の物語をいくら読んでも、一時の高揚感、自己満足を得ることはできても、その裏に、イギリス、フランス、その後のアメリカを始めとする列強達の狡猾な世界戦略が隠されていたことを知らないと「日本」の立ち位置は解りません。
 現在日本が置かれている状況と同じものです。皆さんはそれに薄々気付いていませんか?
 その部分を避けて通るならば、そういう歴史小説をお読みになればよろしい。しかし、何時までも避け続けることは出来ません。このままでは貴方の日常生活の全てが、変えられてしまいます。改悪と言っても良いでしょう。金融グローパリストや、どんな手段を取っても「戦争したくてしょうがない」ネオコン達が、貴方の意志にかかわらず(そんなことはお構いなしに)、自由を拘束しようと計画しています。
 パンデミックも、DNAワクチン、緊急事態宣言、憲法改正、SDGs、脱炭素化、日本のウクライナ支援金、世界統一デジタル貨幣など、マスメディアの情報に頼らず、じっくりと考えてみることですね。全て繋がっていますよ。

 賢明な読者は既にお分かりの通り、第一巻の「怪物生成」で主人公宇良守金吾は、琉球渡航を計画実行し、フランス人宣教師、フォルカードを通して、世界の一端を知りました。
 全六巻を予定している「初音の裏殿シリーズ・超長編幕末歴史時代小説」の四巻以降、金吾は国禁をおかしても海外渡航などするのでしょうかね……。(ネタバレになるのでここまで)
 また、坂本龍馬を操ったイギリス外交官アーネスト・サトウやグラバー、金銀交換比率のカラクリを利用し、私腹を肥やした初代アメリカ合衆国弁理公使のタウンゼント・ハリスなど、金吾達「宇良守軍団」との「暗闘」もあるのでしょうか? 楽しみですね。
 この先、再琉球渡航を計画している金吾、その先何をしようとしてしているのか、その金吾の胸の内は、まだ作者の頭の中にしかありません。どのような筋立てになるか楽しみにお待ちください。
 これまた賢明な読者諸氏は既にお判りの通り、外洋航海に耐えられる図面を手に入れ、伊之助にその改良を命じたり、南洋航海の経験のある水主を雇い入れたりと、金吾の緻密な頭の中には次の行動が、醸成されているようです。

 第三巻の「深慮遠謀」には、金吾と商人達との駆け引きが詳細に描かています。
薬師問屋や大坂の鴻池、京の越後屋三池家などの当主とのやりとり、商業活動を冷静に分析した大番頭などの残した多くの書籍も買入れ、殖財に貪欲な商人という捉え方ではなく、彼らの「哲学」をも吸収していきます。
 大阪堂島の米市場の相場や伝達方法、それらが日本の経済社会にどのような影響を与えているのか、主人公の金吾は実地に見分します。
 また、幕府の優秀な官吏である、伊豆韮山代官の江川太郎左衛門英(ひで)龍(たつ)や、その紹介で、奈良奉行に左遷された川路聖謨(かわじとしあきら)と出会った金吾は意気投合します。
 また大坂城代松平忠優(ただます)(忠固(ただたか))が営む城代紬の直営店など、宇良守藩よりも半歩進んでいる販売方法なども貪欲に吸収していきます。
 これら有能な人材との出会いは、今後の重要な布石になるでしょう。この数年後、激動期の「引力」に導かれるように、ダイナミックに活動する優れた実務能力を持つ人物達です。
本冊子で初めて、その活躍を知る方のいると思いますが、それぞれに幕末を「変革」しようとした人物です。

 琉球王女秋月と金吾との間に生まれた憲吾。秋月は健気にも、心細さに耐え、遙か琉球那覇で、金吾が迎えにくるのを待っています。
また、長崎町年寄、久松善兵衛の孫、華子は、清王朝に対し乱を起こし(三藩の乱)、自ら周王朝を樹立した呉三桂の血を引くといいいます。
 吉原三浦屋のまだ幼い禿(かむろ)みくは、金吾をひたすら思い焦がれています。
 そして、金吾をおとこにした、花紫太夫は何処へ行ったのでしょうね。
 親に捨てられた異人の血が混じっている伊之助。この天才が、金吾を扶け、宇良守の興産事業に大きな発明をするのですが、この天才伊之助は、第三巻でも大活躍をします。第四巻でも、更なる天才ぶりを発揮します。
幕末期金吾を取りまく活動は、おそらく日本だけに留まらないような気が致します。お楽しみに。
 大きな人と人との繋がりは、壮大な幕末歴史時代小説を紡いでいきます。
 この第三巻「深慮遠謀」は、従来の幕末歴史小説とは趣を異にし、大分歯ごたえがあり、ちょっとハードルが高いかも知れませんが、この先、いい加減な情報に不安を増幅し、精神の安定を欠いてしまうことのないように、幕末の「構造」をしっかり把握して貰わねばなりません。そしてその重層的で、一間複雑に見える構造を、面白く解きほぐし、投影てくれる「歴史時代小説」があれば、「現在」を、冷静にみて、焦らず恐れず、判断し行動できるのです。
 それは、初音の裏殿シリーズをお読みいただくことだと思っています。

光格天皇陵・現在

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                 令和6年6月8日   春吉省吾

新緑に映えるイチョウ


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