ボケその5 とりあえず一服
初めてのボケ漁はついに始まった
1人一台ずつエンジンを積んだ四角い船を引っ張ってポイントとなる干潟に歩いていく
その海がどんな地形なのかもわからないのはとても怖くいきなり深くなってんじゃ無いかとか考えながらヒモでつながったエンジンを引っ張る
潮が引いてきてるので次第に浅くなっていき海面が膝ぐらいの所で鉄の棒を海に刺してエンジンを固定させる。エンジンからは長い15メートルほどホースが繋がっていて先端部分はエンビ菅になっている。
そして吸気部分はホースが3メートルほどで先端は網に包まれていてつまり海水を引き上げる部分でゴミが入らないようになっている。
エンジンポンプと言うそのエンジンを簡単に説明すると農機具の一つで水を汲み上げ放水する仕組みでエンジン部分は発電機と同じ作りでガソリンを入れヒモを引っ張るとブルンブルンとかかる
船は海水が引かない場所でホースだけ干潟に乗せる
3人は距離をおいて定位置につく
まぁ定位置などないがとにかくどんなもんなのかやらないと始まらないわけだ。
親方とこ長男リュウがやり方を教えてくれる
「とにかく水ぶっ刺せばボケ出てくるんで」
これだけだ。
特にやり方的なものはなくとにかくホースをぶっ刺すそしてその時はやってきた
続く
いやいやそんな引っ張る話でも無い
普通に刺してしばらくしたら砂浜部分に穴が空いてきて水たまりのようになってきた
その水たまりからゴカイのようなものや貝のようなものが逆流しての瞬間ボケが普通に出てきた
おおおおおおおおおおおお!これか!これがボケジャコバケジャコ正式名称がニホンスナモグリなんやああああああなんか素敵やんと紳助になりながら左手に持った小さな網ですくう
これが1匹20円ー!!!
するとまた出てくる
おおおおおおおお!またまた20円!!
ってこんなもん10000円いくのに何匹必要なんだよって計算できねーのなんて考えてたらリュウが来て「これは小さ過ぎるからダメ。4センチぐらいの奴じゃないと」
はい!と宝ジェンヌばりの元気な返事をしてひたすら干潟に穴を開けるそこに出なくなったらまた少しとなりにホースをぶっさす干潟に向かいやや内角を上がり込むようにして打つべし!打つべし!打つべし!泥になった水たまりがオレの顔面にはねる!はねる!はねる!そしてたまに出てくる20円!20円!20円!打つべしはねる20円!を繰り返しているうちになんかダルくなってきた。
なんだよこれ全然取れねぇじゃん
てか叔父さんがやってた頃スナックの姉ちゃん連れてきてたぐらい簡単とか言ってたよなどんな姉ちゃんだよでタバコが吸いたくなり2人を見てみると無心で頑張る親方長男リュウそして既に一服付けてるその親父の先輩…
おいおいおいあんた一服早くね?
前回3000円ぐらいしか取れなかったから今回悔しくて来た言うてもう休憩してんのかよでオレも一服
「まー中々取れねぇよな」
「そーですねぇ」
「おれはよぉなんか寒くなってきてよぉ」
確かに夢中になってたから気がつかなかったが胴長靴に水も入ってたりしてて寒いっちゃ寒い
そしてまた干潟に向かって打つべし穴開くボケたまに出てくる打つべし穴開くゴカイ出てくる打つべし穴開くなんか臭いがボケ出てくるすくってカゴに入れる泥はねる足冷たい手袋の中にも泥入ってくるそして少し移動…うわああああ!
自分の掘った穴に落ちる
穴の深さは2メートルぐらいになるので流石に身体ズッポリとはならないが足はハマる
ちょっとコレきつくないか…先輩見るとコンクリでできた防波堤みたいなところで壁に手を置き寄りかかってるので心配になり近づき大丈夫ですか?
「いやぁよぉ…なんか頭痛くなってきてよぉ…」
あんた何しに来たんだっての
漁はまだ続く潮は引いたばかりである
続く