ボケ日記 その6ヘトヘト
はじめ潮が引いてる時間しかできないから大体3時間ぐらいと聞いていたがとうに4時間は過ぎただろうかナニコレめっちゃ長くないか?で場所によって違う事がわかった。
今日入った場所は「ワンド」と呼ばれてる場所で1番長く干潟が出てる場所だった。
深夜12時を回った頃ぐらいから急激に寒さが襲ってきた
これ寝ちゃダメ!な軽い遭難に近い
ノズルを持った右手も中々疲れてきてるし
とにかく泥が顔や色んな所にはねる
渡されたカゴ八分目ぐらい取ったら2万ぐらいになると言うがとてもじゃないが4分の1も大変なほど取れない…取れないから場所移動するのにホースも重たく闇雲に刺した所でボケは出てくるもんでもなく30分ぐらいは楽しかったが今は苦痛しかない。
オレもうやめてもいいですか?
と何度も言いかけたがリュウが1人頑張ってる
親父のパイセンはとっくにリタイヤして壁に寄りかかってる深夜に響くぶーーーーーんと言うエンジの音と工場から漏れる灯り時計を見ると余裕で5時間ほど経っていてようやく潮が戻り始めてきたすなわち満潮へ向かい始めた
コレも1つの仕事であって取ったボケを問屋に卸すので言わば勝手に取ったものを売るというより問屋からコレぐらい取ってきてくれと
例えば1000匹送ってくれと依頼がきてから取りに行く流れなのでまったく取らないもダメなのだ。
言うても取れへんもんは取れない
それでもカゴ半分行かないぐらい取った
つうかもう金とかどうでもいいな2度とここに来る事は無いだろぅと
リュウがそろそろ終わりにとやっとこの苦痛から解放となる。腰ぐらい海水が戻ったのでエンジン積んだ船を来た時と同じようはしごのある所まで無言で引っ張る
後から知ったがこの日は大潮で1番長く干潟が出てるそうで。
クタクタになりながらエンジンやらホースやらをロープで上に上げてその場でエンジンポンプを洗浄したり長く太いホースを丸めたり…
しんどいわ!アホか!
もうこれまた片付けが大変でようやく車に全て積んだ多分朝4時ぐらいかリュウはそのまま昼の仕事へ行くと何という素晴らしい若者だ。
まぁ当然これだけで食っていけるわけはなく他に仕事をしながら漁をするわけだ。
とにかく来た時とは全く違うこんなもんやれるか!な気持ちと全然取れない敗北感に疲労と眠気まさかの徹夜で51のおっさんは家に帰った。
これがまさかの始まりでまたここに来る事になるとはこの時思ってもいなかったが。
続く