『キレ』の正体。サッカーにおける伸張反射。
皆さんは動きが機敏でうまい選手のことを『動きにキレ』があると表現することは多くあると思います。
今回は多くの表現で使われるキレの正体を暴き、サッカーにおけるキレとはを考えていきたいと思います。
私なりの答えを言うと動きにキレがあるとは動作の中で”伸張反射を使えている”と言い換えることができると思っています。
今回はシーン別の動画を結構上げているのでぜひ見てみて下さい
▼伸張反射とは
脊髄反射の一つで、骨格筋が受動的に引き延ばされるとその筋が収縮する現象。この収縮は、筋肉の伸展によって生ずる張力を、その筋肉の中にある筋紡錘が感受して起こるものである。
端的に言うとバネの力と考えていただけるとわかりやすいかと思います。
筋肉や腱は伸ばされた後に縮もうとする力が働きます。
また、SSC(伸張反射を使った運動)は脊髄レベルでの反射のため神経伝達速度が速く、収縮スピードも速い。
▼伸張反射を使うことのメリット
サッカーフィットネスにおいて必要なことは
・最大限爆発的なアクション
・アクション間でのより速い回復
・その2つを90分間維持すること
引用:オリジナルガイドサッカーのピリオダイゼーション 常にベストでプレーするために
といった要素があります。
爆発的な力も出しつつ、90分間維持することも必要です。
そういったサッカーの競技特性がある中で伸張反射が使えることは爆発的なアクション、90分間の維持を実現するには必要不可欠と考えます。
伸張反射を用いた運動(SSC)は、休息状態やアイソメトリックな収縮状態に比べて、筋が大きな力・パワーを発揮できることに貢献している。
引用:cavagna et al.,1968;thys et al.,1972
上肢や下肢のSSC運動の効果を検討した研究によると、主導筋は予備緊張によって活性化することで、筋の短縮局面における力の立ち上がりを高めることができる
引用:Bosco and Viitasalo,1982;Ingen Schenau,1984
SSC条件では筋が伸張された後に収縮することによって、弾性エネルギーの貯蔵・再利用や伸張反射による筋の張力増大などの効果を受けるために筋の収縮効率が高まると考えられる。
反射レベルでの筋収縮なので筋肉に力を入れる時間が少なく、伸張時の瞬間に筋収縮が起こる。そうすると筋力の力発揮時間が短くなり、持続的に筋発揮して運動するよりも筋肉の疲労も少ない。
自分の力で終始動かす努力性の収縮ではなく反射レベルで動くので動きの再現性も取りやすくなります。
例えば通常100%の力を伸張反射を使うことで70~80 %の力で本来の100%の力を発揮できるかもしれません。
伸張反射を利用して瞬時により大きな力を発揮できる➡最大限の爆発的なアクションが可能
尚且つ反射レベルでの筋収縮なので筋疲労も少ない
➡アクション間でのより速い回復と維持
一瞬で大きな力が発揮できて、しかも筋疲労が生じにくい。尚且つ動きの中で再現性がとりやすいが可能
”伸張反射を使ってキレを出す。”
このテクニックは利用するしかないですよね!!
▼伸張反射の種類
・屈伸時の伸張反射
:筋肉や腱が伸ばされたときに起こる伸張反射
・回旋系伸張反射
:体がねじれて伸ばされたときに生じる反射
・右回旋から左へ回旋をした際には右外腹斜筋、左広背筋の筋が有意に働いた。
・体幹捻転運動では体幹を捻じる方向を切り替える際にSSC運動が生じる。
・体幹捻転運動の主動筋である外腹斜筋は大きな腱膜を備えていることから、弾性エネルギーの貯蔵・再利用ができる。
引用:伸張ー短縮サイクル運動を伴う体幹捻転運動エクササイズにおける体幹の力・パワー発揮特性
ここから先は
¥ 290
最後までお読み頂き有難う御座います。記事が参考になりましたら、サポートして頂けると嬉しいです。サポートしていただいた際は、コンテンツの充実のために大切に活用させて頂きます。