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アトラクターとフラクチュエーターから考えるリフティングの練習法。


小学二年生のある日、僕は家の中でゴムボールを使ってリフティングの練習をしていました。

その時、まだサッカーチームには入っていなかったのでただ遊びでやっているだけでしたが、とりあえずその日の目標を7回連続でリフティングすることに設定して必死に練習しました。

かなり苦戦しましたが、何とか目標を達成でき、大喜びしたことを覚えています。そして、その僕が大喜びする姿を見た母親がサッカーチームに入ってはどうかと言ってくれたのが僕がサッカーを始めたきっかけです。

もしも、あの日の僕がリフティング7回を成功できずに諦めてしまっていたとしたら僕はサッカーをやることはなかったでしょうし、ここで記事を書いていることもなかったでしょう。

という訳で、今回は僕の人生を左右したかもしれなかったリフティングがテーマです。

リフティングはサッカーを始めたら最初に練習すると言っても良いメニューだと思います。サッカーを始めたばかりの段階でリフティングがうまくできないことでサッカーが嫌になって辞めてしまうという子供もいるかもしれません。

それは非常にもったいないので、今回はリフティングとはどのようなトレーニングでどのようにサッカーに生かされるのかといったことを考えた上で、リフティングの効果的な練習法を考えてみたいと思います。

(以下リフティングと言うと最も基本的なインステップでのリフティングを指します)



一般的なリフティングのイメージ

リフティングを練習する目的は何かと聞かれると皆さんはどう答えますか?

一番多いのはボールタッチの感覚を磨くためというものではないかと思います。その答えは間違いないと思いますが、少し漠然とし過ぎているように感じます。この記事ではこの”ボールタッチの感覚”について少し深掘りしてみます。

また、リフティングとサッカーの動きは違うからリフティングは役に立たないと主張する人も一定数いると思います。確かにリフティングを試合でそのまま使うとパラグアイ人から殺人タックルが飛んでくるので、そのままの動きが役に立つことはありません。

ただ、様々な考察を加えた結果、その結論に至っているのなら良いのですが、そっくりそのままのリフティングを試合では使えないという点だけを根拠にサッカーには役立たないと結論付けるのは間違っていると思います。

ここで、リフティングの動作をアトラクター、フラクチュエーターの観点から詳しく分析してみましょう。


リフティングの動作分析

アトラクターとフラクチュエーターについては、M.Y.trainingさんがYoutubeで分かりやすく解説されているので、詳しく知りたい方はこちらの動画を見てみることをお勧めします。僕もPITTOCKROOMという有料マガジンでこのテーマの記事を書かせて頂いたので良かったらそちらも是非お読みください。


今回のメインテーマはこれではないので、ざっくり解説しておくと、

アトラクター:動作の中の変動しない要素。動作の安定性に寄与する。

フラクチュエーター:動作の中で環境に応じて変動する要素。

といった定義で、アトラクターが多い方が動作を安定して遂行することができて望ましいが、同時に環境の変化に対応できる程のフラクチュエーターも持っていなければなりません。さらに噛み砕いて言うと、どんな状況で何回やってもそうなるという要素がアトラクターで、状況に対応するために変えていく要素がフラクチュエーターといった感じです。

この辺は、この記事を読んでいく中で少しでも理解してもらえればいいなといった感じで、現時点でよく分かっていなくてもこの先を読めるようにしてあるので気にせず読み進めてください。

という訳でサッカー選手のリフティング動画を見て、その動作を分析してみましょう。

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