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ウサイン・ボルトとチーターに学ぶスプリント動作とそのトレーニング




「速く走れるようになりたい」

これはサッカーをやっている人なら誰しもが抱く願望でしょう。

足を速くするために、何をするか。

筋トレ、フォームの改善、走り込み等いろいろ考えられます。

前回の記事ではアキレス腱のバネ機構について徹底的に考察しましたが、アキレス腱を使えるようにすることも速く走るための1つの方法です。


今回の記事では、sunnyさんに教わったトレーニングであるBear walk、Cheetah walk、Back walkの3つのトレーニングについての考察を深めていく中で、速く走るためのさらなる重要なポイントを紹介していきたいと思います。各種目の大雑把な紹介は前々回の僕の記事を見てください。


今回この記事を書く上で下のウサインボルトの動画を100回程度ループして見ました。もちろん陸上競技とサッカーの間には相違があることは確かですが、人類史上最速の男を参考にしない手はないので、今回は彼のフォームを基にスプリント動作、スプリントに繋げるトレーニングを考察していきます。(途中でチーターも登場します)


ちなみにですが、100回も同じ動画を見ているとゲシュタルト崩壊的な現象が起こって、ボルトが走っている動画を見ているのに、こいつほんまに走ってんのか?などと思い始めるような不思議な感覚に陥りました笑

その感覚に陥ってからは、胸のあたりから脚が生えているような感覚を感じるなど色々なものが見えてきたので、暇過ぎて仕方がない人はこの動画を頭がおかしくなるくらいまで見てみるとこの後の理解がより進むかもしれません笑


Bear walk


まずは、前々回の記事のBear walkについてのまとめを引用します。


以上まとめると、このトレーニングはスプリント動作の特に爪先離地のタイミングにフォーカスしたトレーニングであると考えられます。また、sunnyさんが以前記事にしていらっしゃった通り、爪先〜下腿三頭筋〜ハムストリング〜広背筋の連動は極めて重要です。
このトレーニングにおいては、下腿三頭筋、ハムストリングはそれぞれ収縮、伸張した状態でキープされておりほとんど動いていないという点ではスプリント動作との間に多少のギャップはありますが、爆発的なスプリント動作の基礎である広背筋の収縮が維持された状態で爪先で力発揮しているので、スプリントに繋がる基礎トレーニングと位置付けられると思います。


爪先離地のタイミングにフォーカスしたトレーニングであるとは言っていますが、ここではその点をより深く考えてみましょう。(以下、画像をタップすれば元の動画に飛べるようにしてあります)

画像1

ボルトの爪先離地の瞬間を見てみると、爪先立ち、膝伸展、胸を張っているといった特徴を見て取ることができます。

この時、右脚の筋活動を考えると、腸腰筋が右脚を前に振り出すように活動している一方で、下腿三頭筋、ハムストリングは活動していません。また、広背筋に関してはボルトの動画を注意深く見ればわかると思いますが、爪先が離れる瞬間に背中をクイッと反っていて、この時に広背筋が活動していると考えることができます。足底腱膜は爪先離地の瞬間引き伸ばされており、その後バネのような働きをして地面から得られる地面反力の効果を最大化しています。

以上の点を踏まえて、もう一度Bear walkを見てみましょう。

画像2

まず、見た目を先ほどのボルトの画像と比較してみると、爪先立ちで膝が伸展しているという点で下半身の見た目はほぼ完全に一致しています。

また、筋活動に注目してみると、実際にこの動作を行ってみると分かりますが、下腿三頭筋、ハムストリングには力は入らず、広背筋は胸椎伸展、骨盤前傾というポイントを抑えることで常に張った状態でキープされています。また、足底腱膜は爪先立ちをすることによって引き伸ばされています。

この一連の筋活動は、先程ボルトのスプリント動作の爪先離地時から読み取った筋活動と類似していると言うことができます。

一般にコーディネーショントレーニングは、できるだけ実際の競技動作に近い動作で行った方がトレーニング効果の転移が起こりやすく優れていると考えられます。しかし、闇雲に競技動作を反復し続けても複雑性が高過ぎてコーディネーション能力の向上は期待できないので、ある程度複雑性を落とし、目的とする動作を確実に実行できる設定を与えなければなりません。このBear walkトレーニングはスプリント動作との類似性と広背筋の働きを確実に引き出せる程良い複雑性を兼ね備えた優れたコーディネーショントレーニングであると言えます。


Cheetah walk

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