自由自在の緩急を操る身体空間の構築
私たちはフィールドでどの様に相手選手のスピードを知覚しているか。
自己運動に伴い生じる網膜上運動をオプティカルフローと呼ぶ。広義には網膜上のすべての運動情報を全てオプティカルフローと呼ぶ。
私たちの網膜には、外界の対象物体が運動しているときも、自己身体が移動しているときも運動・速度が生じる。また、対象物体や環境の奥行き構造に応じても、相対運動からなる速度が生じる。
奥向きに関して遠い物体に比べ、近い物体が速く動いている様に知覚する。また、自身に対して向かってくる対象物の方が離れていく対象物より速く知覚すると言われている。
一般的に緩急とは速い、遅いを基準にされることが多いが、空間を用いることで自由自在な緩急を操ることを可能にする。
同じスピードで偽緩急を作り出すことが出来る。
これはプレーヤーにとってのプレーデザインにも指導者にもトレーニングデザインとして活用可能である。
偽緩急
街で同じ方向に歩いている人物と自身に向かってくる人物のスピードは同じとして、どちらが速く感じるだろうか。
当然ではあるが、向かってくる人物の方が速い。
私たちは日頃の生活で非常に多くのオプティカルフローの経験を積んでいる。この経験がフィールド上でも違和感なく発揮される。
向かってくる相手は速いと。
これは実際の速度は関係なく、日常生活の経験上からこの動きは速いと感じるのである。
逆に遠ざかる相手は遅く感じるのも上記の経験からである。
このシステムを逆手に取るのが時空間を活用した緩急のメカニズムである。
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