「リオネル・メッシ」解体新書 Vol.7:なぜ速いのか。アジリティ分析。
リオネル・メッシ騒動に終止が打たれた。彼を愛するフットボールファンにとっては非常に複雑な状況である。
バルサを相手取って裁判をするなんて、僕は絶対にしない。だって、バルセロナは僕が愛するクラブなんだから。入団からすべてを与えてもらった人生のクラブであり、僕の人生はここで形づくられた。バルサは僕にすべてを与えてくれ、僕はバルサにすべてを捧げてきたんだよ。バルサを相手取って法廷に立つなんて、絶対に考えられない。
すべてを手にしている彼においても、自由を手にすることが出来ない。マネーイズフットボールが現在のフットボールの実情である。彼が自由にフィールドで表現できないことは世界中のフットボールファンにとって苦痛以外の何者でもない。リオネル・メッシのファンタージーを願い、本稿を記すこととする。
「リオネル・メッシ」解体新書 Vol.7:なぜ速いのか。アジリティの動作分析。
「リオネル・メッシは速い。」これは誰もが周知の事実であるが、なぜ速いのかについて議論されたものは実は多くない。何故なら、彼が速いされるシーンはボールを持っていることが多いから複雑なシステムの中から分析することは困難となる。そこで今回はオフ・ザ・ボールでの分析をしていくこととする。
アジリティ分析シーン
※YouTube 1:00からのゴールシーン
2020リーガエスパニョーラ 第9節 FCバルセロナ VS エイバルの3点目のシーン
メッシのステップワークは一瞬であるが、動画を見ると驚異的なスピードで裏抜けしているのが理解頂ける。
グリーズマンのカットインからメッシが裏抜けし、GKとスアレス、メッシの2対1の局面でスアレスが得点したシーンである。あまり取り上げられるシーンではないが、メッシの驚異的なスピードで相手の背後を取った個人的に印象的なプレーであった。
オフ・ザ・ボールで圧倒的な差を生むリオネル・メッシのステップワーク
彼の動きをキリトルと下記の図解の通りとなる。横向きから前向きに方向転換してスプリントする変哲のないプレーに見えるはずだ。このシーンの中にバロンドールの素晴らしさが隠れている。あなたはどれだけ重要な要素を見つけることが出来るだろうか。
リオネル・メッシがバロンドールたる所以が8つ隠されている。あなたは何個見つけられただろうか。見つけられなかった分、パフォーマンスアップ、コーチングのスキルが向上する要素が隠れていることになる。
彼はこの8つの要素を一瞬で遂行する。それもシームレスに遂行する。驚異的であり、ファンタジーであり、スペクタル。何があっても私たちはリオネル・メッシに夢を見る。
Task1:Free Running
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