認知フットボールマガジン #2認知地図の理解
認知フットボールとは
私は脳科学を研究する者として、フットボールに認知科学を適応できるすべを模索してる日々を過ごしています。
現在、PITTOCK ROOMに掲載しているだけでも多くの連載を読者の皆様にお届けし、今までに無い認知フットボールの世界を提供することが出来ていると考えています。
また、FC pSolsという団体にて認知フットボールに関するトレーニングも提供しております。
FC pSolsのアパレルラインもローンチしましたので、ご注目ください。
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FC pSols
リスクを冒さぬ退屈な日本のフットボールを圧倒的な思考で変革する
認知フットボールのゲームモデルへの適応 #1
ゲームモデルとは何か?
集団プレーの文脈化:
ゲームモデルとは何か?と考えた場合、様々な文献に様々な定義が書かれている:
ゲームプロセスとしてのゲームモデル:監督がゲームの様々なモーメントにおいて、チームに表明し、望む、規則的かつ体系的な組織化と集団の行動。
カタルーニャサッカー協会
カタルーニャサッカー協会が言う、様々なモーメントとは、フットボールの4つのモーメントのことで、組織的攻撃、攻撃への切り換え、組織的守備、守備への切り換えのことである。その4つのモーメントにおける規則的かつ体系的な組織化と集団の行動を、監督がチームに示し、習慣づけることが大事である。
集団プレー(Juego colectivo)とは:
様々なプレー状況の中で起こるボール保持者とボールを保持していない者両方の集団行動、ポジショニング、動き。
Modificat Sans,A.; Frattarola,C. (2009)
ゲームモデルが集団(チーム)の行動であると考えた場合、セサルとサンスが提唱する集団プレーの定義が役に立つことだろう。ボール保持者とボールを保持していない者両方の集団行動、ポジショニング、動きを組織化、構造化することが必要なのだ。
ゲームモデルは様々な要素の相互作用:
ゲームモデルは、環境(プレーをする環境)とその他様々な要素が相互作用したものである。当然監督のプレーアイディアは大切であるが、クラブの構造と目的を理解する必要がある。クラブがゲームモデルを持っている場合もあるので、監督はそれらを考慮しなければならない。また、その国の文化や自チームの選手の才能も考える必要がある。クラブとしてのゲームモデル、監督のゲームモデルがあったとしても、ゲームモデルの実現は選手の才能次第であるからだ。
これらのゲームモデルの様々な要素と相互作用を認知科学構造から解釈していくのが認知フットボールマガジンとなる。
フランシスコ・セイルーロ(2020)はゲームモデルとは別にフットボールの構造について、フットボーラーがダイナミック・システムであると考え、プレーヤーは常に構造間の相互作用とフィードバックから構成されると考えることができる。
それらの構造を6つに分類している。
チームの戦術・戦略を最適化するのに、システム内の最適化を構造化している。
・認知構造
・社会的感情構造
・コーディネーション構造
・感情・意思構造
・創造的表現方法
この中に認知構造が存在する。
認知フットボールマガジンでは、個人の最適化にトピックを当てて説明していく。
ボディニューロマトリクス仮説のフットボールへの応用
個人の戦術・戦略のマトリクス
医学において、疼痛の解釈の変遷について説明する必要がある。
医学では長らくゲートコントロール仮説(Wall and Merzack,1965)が説明されてきた。現在の医学生の教科書にも記載されているほど有名な仮説である。
今から25年前に新たにボディセルフニューロマトリクス仮説(Merzack,1995)が提唱された。人間の身体と神経構造について現代医療ではゴールドスタンダードとされている。
フットボールで推奨されているセイルーロのダイナミックシステムと類似し、さらに詳細なマトリクスとなっている。
このボディニューロマトリクスに基づいて、フットボールへの応用を考えていきたい。
個人の戦術・戦略の最適化
・認知構造
・感情構造
・情動構造
・知覚構造
・動作(行為)プラグラミング構造
・ストレス構造(社会的構造)
細分化すると下記のボディニューロマトリクスとなる。
認知的-評価的(身体的・空間的・時間的)
脳からの緊張性入力
(文化的学習、過去の経験、個人差)
脳からの相動性入力
(注意、予測、不安)
感覚的-弁別的
相動性皮膚感覚入力
緊張性体性感覚入力
(トリガーポイント、変形)
内臓からの入力
視覚、前庭、他の感覚入力
情動的-感情的
視床下部-脳下垂体-腎臓系
ノルアドレナリン-交感神経系
免疫系
サイトカイン、
脳内麻薬;辺縁系
知覚
認知的-評価的側面
感覚的-弁別的側面
情動的-感情的側面
(ストレスのフィーリングを含む)
行為のプログラム
随意的でない行為パターン
随意的な行為パターン
社会的コミュニケーション
コーピングストラテジー
ストレス-調整プログラム
コルチゾールレベル
ノルアドレナリンレベル
サイトカインレベル
免疫系の活動
エンドルフィンレベル
個人の戦術・戦略の最適化はボディニューロマトリクスにより生じているといっても過言ではない。
・認知構造
・感情構造
・情動構造
・知覚構造
・動作(行為)プラグラミング構造
・ストレス構造(社会的構造)
そして、個人の上位階層にあるグループ、集団、チームの戦術・戦略はボディニューロマトリクスより説明がつく。
認知フットボールを通じて、これまで蓄積された脳の中の身体の状態、様々な身体にあるセンサーからの今の信号、自律神経系による内分泌を前提とした全身状態というインプットを混ぜこぜにして分析し、フットボールを知覚し、行動を変化させ、自律神経系の調整で内分泌を変更するというアウトプットを必要に応じて選択していく。
経験は思考を変え、身体を変え、さらに経験を変える。
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