キックにおける蹴り足の身体認知とトレーニング方法
前回の記事ではキックにおける蹴り足の身体認知とトレーニング方向について解説した。キックにおける指導は経験則のものが非常に多く、次いで、運動、解剖学に準じた指導方法が一般的である。脳科学の知見を交えることでより運動精度が向上するため、指導者や選手にはぜひ知って頂きたい知見を紹介していく。
今週のTweetでは川崎フロンターレのトレーニングについて紹介した。その際に「踵を落とすことで重力を扱う」と記載した。これが非常に反響があった。この感覚の言語化が蹴り足の身体認知の基本構成要素の一部である。
踵を落とすことで重力を扱うとは何か。専門用語では重量覚(運動覚・位置覚・関節覚)と呼ばれる。運動感覚(筋覚の動きを認知する)、位置覚(関節の位置を認知する)、関節覚(関節の動きを認知する)感覚が統合された感覚である。非常に高次元の感覚であり、アスリートは何気にコントロールしているものである。しかし、実際に想起されている感覚のほとんどが筋感覚に変質していることが多く、適切な感覚運用されていないケースが多い。これらの感覚を適切に運用することが蹴り足の身体認知となる。
キックにおける軸足の身体認知とトレーニング方法
フットボールにおけるキックの種類はインサイドキック、インフロントキック、インステップキック、アウトサイドキック、トゥキックの5種類が一般的な分類が存在する。これは言語的に分類したものであり、フィールドではこれらのより細分化されたキックが行われている。
インサイドキックについてキックの身体認知構造について考えていく。
インサイドキックの蹴り足の身体認知構造
ここから先は
2,557字
/
13画像
¥ 390
最後までお読み頂き有難う御座います。記事が参考になりましたら、サポートして頂けると嬉しいです。サポートしていただいた際は、コンテンツの充実のために大切に活用させて頂きます。