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白いシャツと、愛おしいプライド。

パンツばかり履いてしまうのは、照れ隠し。
シャツの胸元をあけるのは、
小さな胸でも胸を張って生きると決めたから。

晴海たお



本当は、アイロンが苦手なだけなのに、
しわのついた白いシャツの着こなしを褒められたことがあった。
参考にしたいから、写真を撮らせて欲しい、と、そのミセスは数枚写真を撮って帰った。


わたしは、大学を卒業してから長年、フレンチカジュアルのブランドで働いている。
ブランドの定番アイテムである、10年単位で着られるボーダーTシャツや起毛のメルトンのカーディガンは40年以上愛されている。

そのなかでも、わたしは白いシャツが大好きだ。
なぜか、毎シーズン買い足してしまうのは白いシャツ。

コットンの少しハリのある生地やシワ感が心地いい楊柳のものがメインでわたしの制服のようなアイテムになっている。


白いシャツは、その日の気分に合わせて着方を変えるのが醍醐味だ。
それは何も、毎回特別なコーディネートをするということではなく。。。
『着方』にコツがあるのだ。


例えば、少しオーバーサイズの白いシャツにワイドパンツのコーディネートなら、
胸のボタンは3つくらい開けて、腕は七分くらいまでまくって手首を見せる。
イメージは、ジェーン・バーキンのようなフランス女。

生デニムに黒のハーフブーツと、フリルの楊柳シャツも胸元は深めにあけて、おくれ毛多めのお団子スタイルでフェミニンさをプラスする。

シャツは、シンプルだからこそ『着方』が肝だと思う。
ボタンは何個あけるのか、袖はまくるのか、えりは立てるのか、裾は出すのか、しまうのか。。。

服の着方には、その人の意思が現れる。
わたし達の服の着方には、愛おしいプライドが隠れているんだ。


もうすぐ春がやってくる。
白いシャツを一枚買って、自分の愛おしいプライドを確かめてみてはどうだろう?


晴海たお


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