【詩】 ピータパンの石井くん
ピーターパンの石井くん。
幼稚園のとき、好きだった。
ウェンディ役のわたしのリボンは大きすぎて
おでこの上でぺしゃんこになっていた。
石井くんは、本物のピーターパンなんじゃないかと思うくらい
その衣装が似合っていて、
ネバーランドは本当にあるんじゃないかと思ったっけ。
スパンコールのキラキラのワンピースを
女の子たちは着たがっていたけれど、
わたしはそんなに着たくなかった。
弟たちの世話を焼く、しっかり者のウェンディ。
お遊戯お会でも頑張り屋さんのいい子でいるのが
小さなわたしは嫌だった。
あのとき演じたウェンディを
今は覚えてないけれど、きっと冒険できたはず。
空を飛ぶって、怖いけど、自分を信じて飛べたんだ。
ピーターパンの石井くん。
あなたも、大人になったかな。
晴海たお