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Nature Remo Eの狙いは電気のメルカリ

来週の12月17日に、ついにNature Remo E/Nature Remo E liteという家庭内のエネルギーマネージメント(エネマネ)が出来るデバイスがNatureから発売される。

これは、Natureが今スローガンとして掲げている「あなたと始める電力革命」を実現する要となるデバイスだ。

このデバイスの消費者ベネフィットは、電力のモニタリングと機器の制御(Nature Remo E liteはモニタリングのみ)だが、真の狙いは他にある。

それは、電気のC2Cの市場を立ち上げることだ。簡単に言うと、それは電気のメルカリ

では、どうやってNature Remo Eによって電力のC2C市場が出来るのか。

電気のメルカリ

電気のC2C市場が出来るのに必要な要素は大きく4つある。具体的には、以下の通りだ。

①太陽光の普及
②蓄電池の普及
③個人売買(C2C)のプラットフォーム
④託送料金(電気を送る料金)の改定

Nature Remo Eは、このうちの③個人売買のプラットフォームを作る上で要となるデバイスだ。その他の点についても、詳細を以下の投稿で詳しく解説しているので、興味がある方はそちらを参照していただきたい。

電気をプラットフォーム上で売買させるのに必要な要素は大きく2つある。

1つ目は、電気の売買のリアルタイムのデータだ。これは、各家庭に設置されているスマートメーターから取得できる。あまり知られていないが、スマートメーターは、2024年までに100%の普及率が予定されており、電力会社に頼めば、無料で設置してもらえるのだ。

そのためには、Bルートサービスというものに申し込む必要があるが、そちらについては、ここで解説している。Bルートという名前が直感的ではなくて残念だが、これは電力会社がデータを取得するのがAルートとして、それと比較する形でBルートと命名されたらしい。

2つ目は、電力の需給調整だ。電気は、常に需要と供給を合わせる必要があるため。そのために、電力会社が常に供給側を調整している。この代替として注目されているのが家庭の蓄電池のような機器へアクセスして、需要を調整するという手法だ。

Nature Remo Eでは、スマートメーター(次世代電気メーター)と通信することで、1つ目の電力の売買に関するリアルタイムデータを取得し、機器にアクセスすることで2つ目の需給調整する可能にする。さらに、Natureでは、Nature Remoを活用することでエアコンすらも需給調整のリソースとして活用することもできる。

Nature Remo Eでは、エコネットライト (Echonet Lite)という規格を活用して機器を制御する。エコネットライト は、日本の家電メーカーの製品でインターネット接続可能なものであればほとんど対応している。

日本のエネマネ市場

日本の家電メーカーは、これまでHEMS(Home Energy Management System)と呼ばれるエネマネシステムを販売してきた。

ここでの課題は、その価格設定が高額だったことと、各メーカーが自社製品の囲い込みに走ったことだった。前述のエコネットライト と言う規格を実装していながら、他社製品との併用には否定的なメッセージをユーザーに送ってきていた。

よっぽど好きなメーカーでもない限り、家電を1つのメーカーのブランドで統一するのはユーザーにとって相当な負担だ。

Natureでは、自社製品縛りの制約も当然存在しないし、それをエコネットライトという規格に準拠することでNature Remo Eは、メーカーを問わず対応可能になっている。これまで赤外線リモコンの分野でとってきたアプローチと同じだ。

既存のRemoユーザーにも便利なRemo E lite

現状の日本で太陽光や蓄電池の一般家庭での普及率は、6%程度だ。一方で、Nature Remo Eには、電力のモニタリングという太陽光や蓄電池を持っていない家庭でもベネフィットを享受できる機能がある。これだけを残す形で、価格を下げたのがNature Remo E liteだ。

電力モニタリングと聞くと、何が嬉しいのかわかりにくかもしれないが、リアルタイムで消費電力の推移が確認できるので、家電毎にON/OFFすることで消費電力の概算値を確認することもできる。

また、Nature Remoと合わせて使うと、外出先でエアコンをON/OFFした場合でも、その稼働状況が消費電力量の推移から確認できるという利点もある。これからどんどん電力消費量と家電制御を融合させた便利な機能を検討して行きたいと思っている。

Nature Remo Eを通じて電力の世界を一緒に変えて行きませんか?

最後に、Nature Remo E発売を期に作った、Natureのコーポレートムービーをご紹介。


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