拝啓 機界戦隊ゼンカイジャー様
お世話になっております。そして一年間、大変お世話になりました。最終回を観終えて、ちょうどゼンカイジャーと出会ったときのことを思い返しておりました。恒例の発表記者会見にて、ゼンカイジャーが1人を除いて全員人間じゃないこと、主人公がレッドじゃないこと、歴代の戦隊たちを踏まえた世界線上の物語であること、正直「何が何だか…」というのが第一印象でした。すべてが新しいことだらけで全く想像がつきませんでしたが、記者会見にて、アニバーサリーイヤーということで特別に「大戦隊ゴーグルV」から39年の時を経て登用された特撮音楽界の巨匠こと渡辺宙明先生が「幸福感でいっぱいになる音楽を作ってくれとリクエストをもらった」とおっしゃっていて、「あぁ、もうこれは最高な作品になるな」とひとり確信したのを覚えています。
もう一点、当初の私が懸念していたのが「いつもの人間型のスーツじゃないってことはスーアクのキレッキレのアクション見られないじゃん…」ということでした。今思うとその時の私を自転車くらいで轢いてやりたいです。でもだってあんな家具みたいなパーツが付いたスーツ着てあんな動くなんて思わないじゃないですか…。改めてスーアクさんの演技の素晴らしさとアクションのすごさを実感した一年でした。その証拠に最終回、世界初のことがありましたよね!?それは、役名と一緒にスーアクの名前がクレジットされたこと!これがスーアクファンとしてどれだけ嬉しかったことか…!この素晴らしい演技とアクションを誰がやっているか、本当に世界のみなさまに知ってほしい!そんな私の願いが叶った瞬間でもありました。
そして最初は追加戦士の「ツーカイザー」の存在も知らなかったんですよね。私の最推し戦隊である「海賊戦隊ゴーカイジャー」のパクリ(本編でもパクったんだ♪って言ってた)スーツを着た、まるでゴーカイジャーの追加戦士のような風貌のツーカイザー。最初は「元カレに似ている…好きだ…!」みたいな感覚で推していました。でもそれもしょうがないですよね、だってスーアクが福沢さん(ゴーカイレッドのスーアク)を崇拝する伊藤茂樹さんなんですから…!これまた茂さんの演技とアクションがまっじで最高でした!!!!そしてそのアクションを指導しているのは他でもない福沢さんですからね…。ツーカイザーが変身するときのギアにキスするムーブが福沢さんアイデアだと聞いた時は震えました…!本当にあなたって人は…!
しかしツーカイザー様、番組を見進めていくうちに自然とあなた自身のかっこよさに惹かれていきました。最後までダークヒーローとして戦い抜いたあなたのスタンスのぶれなさ、そして最終回前のバラシタラ戦の時の台詞が本当によかった(あとあと単純に素面の顔が良い演技が良い)。
「奪うだけがお宝じゃねぇ…最初から持っているもの、気付いたら増えているもの、守りてぇものも全部お宝だ!俺のお宝、傷つけるヤツは誰だろうが許さねぇ!…それが、世界海賊、ゾックス・ゴールドツイカー様だ!!!!」
純子、純子ぉおぉぉぉおぉ~~~!!!!(これは脚本の香村純子さんの脚本が良すぎて突発的に出る発作なので気にしないでください)ご都合主義で正義に目覚めたのではなく、自分の流儀に従って最後まで戦ったツーカイザーは正真正銘、私の推しです。
そしてすべての「シリアス」を背負ってくれていた「ステイシー」。
あなたがいなければゼンカイジャーはただのコント番組になっていたかもしれません。実質、ヒロイン枠だったステイシー。ずっとずっと孤独で、死んだ親の幻影に殺されかけたり、やっと仲間ができたと思ったら介人の父親だったり、介人のすべてが羨ましくて、親の敵討ちのためだけに生きていたステイシー(可哀想すぎるやろ…!)が47話でヤッちゃんからもらった開放の言葉。
「優しいから辛いところで辛いまんま頑張っちゃったんだろ?でも無理しなくていいんだよもう。全部ポイって捨てて、次進めばいいんだ。あったかい場所なんて他にいくらでも作れるんだから。」
この言葉は今を生きるすべての人に刺さったのではないでしょうか。この言葉を受けて、初めて泣いて、自分と向き合うことができたあなたが次の48話で魅せた戦い様が本当に本当に最高でした。自分の親仇であるバラシタラ戦。(これがまた独りではなくゴールドツイカー一家とみんなで戦うのが素晴らしかった!)バラシタラにやられそうになった時のあなたの言葉。
「お前のことは憎いが、これは敵討ちじゃない!俺が…これから生きる場所を守る…そのための戦いだ…!」
純子、純子ぉおぉぉぉおぉ~~~!!!!ここが一番の私の号泣ポイントでしたね…。そしてこの台詞で初めてステイシーの一人称が「僕」から「俺」になっているんです…!そしてそしてこのバラシタラ戦の暗黒チェンジでずっと自分に向けていた銃口を初めて自分以外に向けるんですよね。あの…この演出を考えた方を教えて頂けないでしょうか…。どうしても金一封差し上げたいんです…。
ゼンカイジャーが始まった当初、Twitterトレンドに「#ステイシーくん」でトレンド入りしていたのが懐かしいです。わざわざ「くん」を付けてしまうほどにみんなあなたに感情移入していたのでした。(逆にステイシー以外感情移入できるキャラなんていなかったので笑)ステイシーが元々いなかったはずのキャラなんて本当に今でも信じられません。ゼンカイジャーは総じてステイシーの成長物語だったと思います。
そしてステイシーに比べてひとつも成長しなかった介人。まじで戦隊モノにおいてこんな主人公は珍しいと思う。圧倒的陽キャ感と正義感とバカ。この太陽のような介人の存在こそが「ゼンカイ脳」でありゼンカイジャーたらしめていたんだなぁと思います。(葵汰くんの座長力の高さよ…。)まさかまさか世界の命運をジャンケンで決めるとは思わなかったけど最後までゼンカイ脳でそのブレなさ素晴らしすぎました。
ただそれが最後、幼い頃に両親を亡くしてしまったがためにこどものまま大人になってしまった介人のモラトリアムだったことがわかる…。(もちろん本人の元々の気質でもあると信じているけども!)両親の「世界初になるんだという姿」だけを追い続けて突っ走ってきた介人が、初めて自分が歴代戦隊たちの戦いの元に存在していることを実感し、自分は世界初じゃないことに気付く。もっと言えばたくさんの世界があってそこで生きるすべての人々の生活を守りたいという思いを自覚して、分断の権化であった「ボッコワウス」に勝利するんです。純子、純子ぉおぉぉぉおぉ~~~!!!!
そうして世界を救って、取り戻したいものをすべて取り戻して、「じゃあ自分は何がしたいんだ?」という矢印が最終回で初めて自分に向けられる。最終回で初めて介人が成長するんです。そしてその矢印は私たちにも向けられている。
この一年間、ゼンカイジャーの底抜けな明るさのおかげで本当に楽しく生きられました。いつもみんなの想像を二つ飛ばしで先を行ってしまうあなたたちが大好きです。でも、介人たちのように私たちは次に進まなければならない。そう、私たちが次にやるべきことは、
全力全開で暴太郎戦隊ドンブラザーズを応援すること!!!!!!!!
今年もリアタイ視聴はもちろんのこと、たくさんフィギュアを買い、おもちゃを買い、映画館に通います!今から浅井さんレッドということやアバターチェンジで過去戦隊になれるとかでワクワクが止まりませんがきっとこんな想像もヒョイっと超えてくるんでしょうね。
ひとまず、ゼンカイジャーのみなさま、一年間お疲れ様でございました。当面ファイナルライブツアーとキラメイジャーとのVSシリーズのために生きます。こんな時代にその圧倒的な明るさで、世界を、私を救ってくれて本当にありがとうございました!!!!!!!
敬具