慢性期ナースがACLS受講で急変対応を学んできた
こんにちは。パート看護師でパンダのライター渡辺はるとです。
2年前までは慢性期病棟で看護師をやっていました。
慢性期病棟ってお看取りが多いので、救急カート引っ張っていく急変に遭遇する機会がほぼありません。
急変がないことは平和でいいのですが、看護師を続ける限りどこかで急変対応が求められる場面がやってきます。
そのときに「わたし急変わかんなぁい」となるのもカッコ悪い、スキルを身につけられる環境があるならいっておこうと参加したのがACLS講習です。
講習中は周囲とスキルが違いすぎて心が複雑骨折しましたが、急変対応を経験するにはとてもいい機会でした。
・急変対応をしたことがない
・急変対応に自信を持ちたい
そんな人には参加をぜひおすすめしたいです。
講座内容
座学
ビデオをみてACLSの流れを確認したり最適なチームとは?について学びます。BLS講習でやったことに近いです。
実技
慢性期勤務など、急変対応が身近にない受講生にとっての鬼門がこの実技パート。
テキストに記載されている各疾患アルゴリズムに沿って、医師役になってメンバーに指示を出します。
実際の救急外来よろしく患者背景を説明されたところで実技スタートです。
刻一刻と変化する状況のなか、原因疾患を判断するためにもテキストの内容はしっかり理解しておきたいところ。
確認テスト
BLS講習にもあったペーパーテストを最後に受けて、合格ライン以上の点数をとれば晴れてACLS講習合格となります。
テキストの閲覧は可能、ですが事前学習をしておかないと結局テキストのどこを参照すればいいか判断もつかず時間をくうでしょう。
ソースは私。ほかの受講者が早々に合格して帰っていく中、時間ギリギリまで解いてました。
参加して感じたこと
日常業務で急変対応をしているメンバーから刺激を受ける
講習はグループ単位で勧められていきます。
同じグループにいたのは
・現役ドクター2名(うち1名は循環器ドクター)
・急性期病棟ナース
・現役理学療法士
ここに私を含め5名。
実技講習では、人形相手に急変対応をするのですがドクターと急性期病棟ナースは事もなげに必要な処置を行っていきます。
急変対応では経験がものをいう部分もあると感じました。
自分の無力さを痛感した
それに対して急変になれていない私。
心電図の変化も読み取れず、適切な診断も下せません。
状況に飲まれあわあわしながら周囲に指示を出せずにいると、メンバー役のドクターやナースが「この薬剤いきますね」「検査呼びましょうか?」とフォローを入れてくれます。
周囲のフォローがあったおかげで何とか乗り切った実技でした。
その後の筆記試験も合格したので講習は無事合格。協会からACLSプロバイダーに認定されましたが、まったく達成感はありません。
実技は周囲のフォローで合格してますからね。
講座からの帰り道、自分の無力さを痛感しながら乗った電車の風景は今も思い出せます。
ACLS受講までにやっておくといいこと
知識は頭に染みこませる
実技では心電図や状況設定から病状を判断し、メンバーに指示を割り振ります。状況は次々に変化するので「えっとP波とQRS波が…」「アルゴリズムではどうだったっけ」とのんびり判断している暇はありません。
心電図ならぱっと波形をみた瞬間に状況が判断できるように、アルゴリズムもスラスラと他人に説明できるくらいにはなっておくといいと思います。
BLSは完璧に復習しておく
ACLSはBLSの理解を前提に、心電図判定や薬剤投与など新たな知識を活用して救命処置を学ぶ講座なので胸骨圧迫や人工呼吸はできて当然として講義は進んでいきます。
胸骨圧迫の深さとリズム、覚えてますか?
バッグバルブマスク、上手に押せますか?
「そんなの当たり前にできらぁ!」という人も、一通り復習しておくといいです。
BLS受講から期間があいていると結構忘れています。
ACLSで覚えたての知識を上手に活用するためにも、できる技術を一つでも増やしておいて不安要素を少なくしていきましょう。
ACLS受講を迷ってるなら参加したらいい
急変対応の経験があるかどうかで参加の難易度がかわると感じたACLS講習ですが、急変対応がどんなものか感じられるいい機会にもなりました。
「急性期出身じゃないし、グループで浮かないかな」と不安を感じるかもしれませんが、ぜひ参加してみてほしいです。
たとえスムーズにいかなくても得られる経験は必ずあるし、その経験はあなたの今後に活きてくるはずです。
実際の現場も、急変に慣れた人ばかりじゃないでしょう。
だれだって初めてはあります。
そして講習では絶対人が死にません。相手は人形だから。
きちんと勉強すれば対応できることも多くなり、実りある講習になります。
いきたいと思った今、この瞬間に参加申し込んじゃいましょう!
先に参加した慢性期出身者として、応援しています。